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「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その2)

2011.06.05

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前回、東洋医学的に診断、治療するのには、「弁証(べんしょう)」という過程が欠かせないヨ、というお話をしました。

 



そして、たくさんある弁証のやり方の中から、「八綱弁証(はっこうべんしょう)」というものを紹介しました。

 



この、八綱弁証では、病気の何を明らかにするかというと・・・、


・表裏(病気の位置が、浅いところにあるか深いところにあるか)

・寒熱(病気の性質が、冷えによるものか熱によるものか)

・虚実(病気の趨勢がどうか、いわば勝ち戦か負け戦か)


を、明らかにします。

 


・・・なんだかムズいように聞こえるかもしれないけど、ここはそんなに難しいことは言っていません。

 


単純に、素直に、そのまま理解して下されば、と思います。

 


・・・例えば病の「寒熱(かんねつ)」を考えた場合、この病は冷えのものだ!ということが明らかならば、治療方針を考えるのは簡単です。

 


温めりゃよいのです。

 


つまり、鍼灸治療ではお灸や、気を集めて温めるような鍼が中心になるし、漢方薬であれば温める作用のある生薬を使った処方になってきます。

 


また、病の「虚実(きょじつ)」を考えた場合も、この病は勝ち戦だ!押せ押せムードだ!ということが明らかならば、治療方針としては、


バンバン悪いものを体外に排出するように持っていけばよい、ということになります。

 



積極的に汗をかかせたり、便を下したり、尿を排出させたり、吐かせたりすればよいのです。


(・・・単純でしょ?簡単な話です。)

 



しかし、問題は、これら(表裏・寒熱・虚実)が明確に割り切れず、偏りが中途半端な場合です。

 



東洋医学ではそれのことを、「錯雑証(さくざつしょう)」と呼んで、大変重要視します。

 

 



次回に続く


 

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