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これまでのお話・・・
「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方
「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その2)
・・・ここまでのお話で、病気の中には、
・「性質」が冷えか熱か、
・「趨勢」が虚か実か、
・「位置」が表か裏か、
スッキリと分けられない、ハッキリしないものがある、そういう病気を東洋医学では「錯雑証(さくざつしょう)」などと呼び、非常に注意を払っている、というお話をさせていただきました。
まあ、あまり難しく考えないでほしいけど、これはつまり、
1.表裏、
2.寒熱、
3.虚実
の病変が、一つの体に「両方同時に」存在している場合のことをいいます。
具体的に言うと、
1.「表裏が同時に存在」というのは、一つには病が、浅い位置と深い位置のちょうど中間ぐらいの、中途半端な深さにあることを言い、これを専門用語では「半表半裏証(はんぴょうはんりしょう)」なんて言ったりします。
(これを初めて聞いた時、なんちゅ~そのまんまなネーミングなんだ!と思いました・・・。(笑))
もう一つは、浅い部分である表の部位と、深い部分である裏の部位が同時に病んでいて、甲乙つけがたい状態にある場合も、臨床的にはあります。
2.「寒熱が同時に存在」というのは、一つの体に、”冷えによる病”と”余分な熱による病”とが同居している状態を言います。
いつかこのブログにも書いた、頭がカッカのぼせて、足が冷える、「上熱下寒(じょうねつげかん:いわゆる冷えのぼせ)」なんていうのは、コレの典型例です。
「上熱下寒」を含む記事 参照
3.「虚実が同時に存在」というのは、「虚(きょ)・・・つまり治る力の衰え」と、「実(じつ)・・・つまり発病因子の侵襲」が、”同程度”存在するものを言います。
この”同程度”の中にも、
A.「虚」が主体のもの、
B.「実」が主体のもの、
C.「虚実」ともに明明白白のもの、
と、3パターンあるのですが、この「虚」「実」ともに明明白白なパターンは、陰陽のバランスが大きく崩れているものと考え、中医学ではかなり重症、と位置付けています。
これをうまく調整できるのは相当な腕達者、ということです。
・・・では、これら錯雑証に出会ってしまった場合の、治療はどうしたらよいのでしょうか。
次回に続く
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