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これまでのお話・・・
「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3 参照
では続きです。
ここまでで、柴胡桂枝湯という薬は、小柴胡湯と桂枝湯を合体させた薬であり、東洋医学的なカゼひきのパターン分類である、
「”太陽病”と、”少陽病”が同時に存在する場合」
に治療する薬である、というお話をしてきました。
今日はこの、
1.東洋医学的なカゼ引きのパターン
と、
2.そのパターン分類が、同時に存在する場合
について簡単に触れておきます。
1.については、張仲景が書いた、東洋医学の大古典である『傷寒論』の中に、詳しく述べられております。
「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物
『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照
カゼを引いた経験なんてのは、ない人はいないだろうと思います。
軽いものでは、寒気が中心だったり、ノド痛が中心だったり、鼻水や咳、くしゃみや痰が中心だったり、熱が出たり、頭痛や節々の痛みがしたりします。
中等度のものでは、場合によっては下痢になったり便秘になったり、食欲不振になったり吐き気がしたり、めまいがしたります。
重症例では肺炎を起こしたり、内臓の機能不全が起こって、命を落とす場合もあります。
『傷寒論』にはこういう、いわゆるカゼ引きの各レベルの状況とその治療法が、詳細に述べられております。
これが約1800年前の話です。
1800年前も、人間はもちろんカゼをひいていたし、医者はそれに真剣に対峙していたんです。
『傷寒論』は、著されて以降、約1800年もの間、中国、朝鮮半島、日本で歴代の有名な医師達によって踏襲されつつ批判され、現代でもその価値を失っていないという、怪物のような書物です。
因みに、単純なカゼにとどまらず、西洋医学的には「腸チフス」や「インフルエンザ」、「マラリヤ」など、重篤な感染症の治療法も含む書物、という解釈もあります。
『傷寒論』では、浅いレベルのものから、深いレベルのものまで、
太陽病(たいようびょう) 浅い
↓ ↓
陽明病(ようめいびょう)
↓ ↓
少陽病(しょうようびょう)
↓ ↓
太陰病(たいいんびょう)
↓ ↓
厥陰病(けついんびょう)
↓ ↓
少陰病(しょういんびょう) 深い
という名称を付けて分類し、論じています。
(この順番については、諸説ありますがネ。)
それぞれのレベルにおいて、
”どういう症状を呈し”、
”どういう所見を呈し”、
”どういう治療をすればよくなり”、
”それはどうしてか”
までが、キッチリと、理路整然と、説いてあります。
このパターン分けが前提となり、例えば太陽病と少陽病が同時に現れたり、太陽病と陽明病が同時に現れたりする場合についても論じられております。
今回のテーマである柴胡桂枝湯は、要するにこの中の太陽病と少陽病が同時に存在する場合に使う薬なんですね。
ちょっと話題が広がってきたので、調子に乗って「柴胡桂枝湯証」という状態 その5 に続く(笑)
(この話題、いいね少ないけど、お構いなし!(爆)・・・決して読者に阿らないアティテュード。)
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