東洋医学 伝統鍼灸 清明院

お電話

03-6300-0763

10:00~21:00(完全予約制)

休診日:日曜(土曜、祝日の診療は18時迄)
〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
初診・再診の御予約、予約の変更、
その他お問い合わせはこちら

「肝」って何ですか?(その10)

2010.05.21

_20200920_211504

 

 

 

これまでのお話・・・


「肝(かん)」って何ですか?(その1)

「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その8)
「肝」って何ですか?(その9)


 

肝について、ダラダラとしゃべっていたら、もう10回目になってしまいました・・・。

(早いネー。)

 



・・・ということで、ここらで肝に関しては一旦完結します。

 


これまで、東洋医学の言う「肝」という臓は、「形態」に意味深い特徴があり、機能的には目や爪や髪や筋(経筋)の栄養に関わり、なおかつ内に「魂」「血」を蔵し、

 

しかも全身の気の流れを調節している、とっても大事な臓ですよ、ということを書いてきました。

 


ではそんなに重要な「将軍」である肝が病んでしまうのはどういう時か、と言うと、誤解を恐れず超簡単に言うと、非常に多いのが”精神的ストレス”です。

 


このネ、”精神的ストレス”という言い方、僕はあまり好きではありません。

 


・・・というのは、(その1)でも言うように、これを仮に患者さんに伝えても、だってそんなんどうしようもないじゃん!て言われるからです。

 


そりゃあ確かに、鍼をいくらしたって、その患者さんの、浮気性の旦那の性格を改善させたり、口うるさい上司を優しい上司に変化させることは不可能です。(笑)

 



でも、じゃあそういうことにストレスを感じて、まいっている人の治療は不可能かと言うと、「可能」です。

 



それも、”その場限り”ではなく、です。

 



(その9)で述べたように、肝は将軍であり、外的な物理的、精神的刺激に対して、色々と作戦を立てながら、人間の正常な状態を保つように、一生懸命働いています。

 



要はこの刺激があまりにも過度であったり、長期的であったりすると、”肝将軍”は一生懸命になり過ぎたり、時には疲れてしまいます。

 



そうなると主に、

「気の巡りを配分調節する機能」

が、うまく働かなくなり、実に様々な精神、身体症状を出します。

 


清明院の患者さん達を診ていても、”肝将軍”が病んでおられる患者さんを、非常に多く見かけます。

 


こういう患者さんを治療していくと、よく面白いことが起こります。

「先生、最近彼氏になんか言われても、”イラッ”と来なくなった!」

「職場の上司に小言や嫌みを言われても、別にどうでもいいや、と思えるようになりました。」

・・・コレです。

 


”肝将軍”が本来の働きを取り戻すと、これまでストレスに感じていたものがストレスじゃなくなる、という変化が起こります。

 


体を通じて、心が変わる、大げさに言うと、その人の「運命」が変わる、という訳です。

 


これが徹頭徹尾、「心身一如(しんしんいちにょ)」という、東洋医学の生命観をもって治療した時の、”正しい患者さんの変化”なんです。

 



ココロとカラダを切り分けたら、そんなの生命じゃないんです。

 



こういう考え方を体系化し、生命、自然を説明し、キチッと結果を出す東洋医学、ほんっとに、美しいよナー・・・と、思います。

 



肝の臓について、ひとまず終わり。

 




読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

人気ブログランキングへ      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

 

 

関連記事: 肝・胆

ブログ記事関連タグ

この記事に関するコメント

“「肝」って何ですか?(その10)” への4件のフィードバック

  1. ムスタファ より:

    女性の目の下などにできる特有のシミに
    肝斑ってありますがあれは肝に関係しているんですか?
    発生のメカニズムがすごく気になってまして・・・。
    30~40代に好発。
    左右対称。
    シミは熱。
    胃経や胆経が流注。
    いんちょう先生、ヒントください

  2. いんちょう より:

    ムスタファさん
    コメント、ありがとうございます!
    > 肝斑ってありますがあれは肝に関係しているんですか?
    一概にそうとは言えないと思います。「肝斑」という名前の由来は、シミの形が肝臓に似ているから、という話は聞いたことがありますが・・・。
    > 発生のメカニズムがすごく気になってまして・・・。
    正直、色々なケースがあると思います。その人その人に応じて、肝斑が発生する前後に何が起こったか、他に随伴する症状は何か等、詳しく分析してみないと、何とも言えない、というところかと思います。

  3. ムスタファ より:

    肝斑というから肝に関係しているかと・・・文字に踊らされました
    30~40代に好発、左右対称ってところが興味深いですね~

  4. いんちょう より:

    ムスタファさん
    > 30~40代に好発、左右対称ってところが興味深いですね~
    そうですね。そういう疫学的な情報も、東洋医学的に参考になる場合もあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です



:上の図のアルファベットと数字を、左のボックスに御記入ください。 (迷惑コメント対策ですので、お手数おかけしますがよろしくお願い致します。)

 RSSリーダーで購読する

ブログ内検索
おすすめ記事一覧
カテゴリー
最近の投稿