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これまでのお話・・・
「脾」って何ですか?(その1)
「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)
「脾」って何ですか?(その4)
「脾」って何ですか?(その5)
「脾」って何ですか?(その6)
☆脾は血に関与する
以前、「肝」って何ですか?(その2)や、「心」って何ですか?(その5)にて、「肝」や「心」が血と深く関わる、というお話をしました。
しかし、血に関わるのは肝や心だけではありません。
「脾」も大いに関わります。
今日は、では「脾」が血にどのように関わるのか、というお話。
まず、血のもとは何かと言ったら、食べ物や飲み物です。
これは万国共通、疑いないですよね?
飲食物が口から入ると、一番最初に待ち受けるのは「胃の腑」と、それに密着した「脾の臓」でしたよね?
「脾」って何ですか?(その3) 参照
そしてこの2者がうまく協調して、飲食物から「気と血のもと」を取り出す、という話は以前にしました。
と言うことは、もし「脾」の働きが弱っていたら、もともとあるべき、体内の「血」の絶対量が少なくなってしまうんです。
「気血のもと」が取り出せない、てことは全身の気血が少なくなっちゃう、ということです。
そうなると肝も豊富に血を蔵することが出来なくなるし、心も十分に血を全身に送り出すことが出来なくなります。
そういう意味で、脾は血の生成に大きく関わり、ここでも生命の中心的役割を演じています。
「肝」「心」「脾」、この3者の血への関わりをまとめると・・・、
肝・・・血を貯蔵して、配分バランスを調節
心・・・血を律動的に全身に流動させる
脾・・・血の生成に大きく関わる
となります。
ですから血が足りない、という症状があったとしても、即座にどこが悪い、と決めつけることなんてできないんです。
ちなみに、西洋医学の言う「貧血」という考え方と、東洋医学の言う「血虚(けっきょ)」という考え方は、確かに似た部分もありますが、やっぱり違います。
どこがどう違うか、ということを説明すると長くなるし、難しくなるのでしませんが、そもそもこういう風に、西洋医学の概念を東洋医学的に翻訳しようとすること自体に無理がある、というのはいつも述べている通りです。
物差し自体が違うのです。
注意せねばなりません。
次回に続く
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「血が足りない」…に対するアプローチの違い。
非常にタメになります
最近、かつて院長が某所の治療で見せてくれた四逆散的アプローチをようやく少しだけ理解できるようになり、手足の冷えを伴う気滞血虚のメカニズムがようやく見えてきましたが、処方学がいまいちわかりません。
何か良い本はありますか?
しむしむさん
コメント、ありがとうございます
> 最近、かつて院長が某所の治療で見せてくれた四逆散的アプローチをようやく少しだけ理解できるようになり、手足の冷えを伴う気滞血虚のメカニズムがようやく見えてきましたが、処方学がいまいちわかりません。
あー、あれね。(笑)お恥ずかしい・・。「処方学」というと、漢方薬での処方、ということですか?だとすれば僕は湯液の臨床家ではないので、湯液専門の臨床家の先生に伺うのが一番いいと思います。
最近よく、湯液の先生のお話する機会があるのですが、鍼灸と湯液では、考え方や診方が同じようでいて実は随分違う面があるように思います。
経絡経穴を介した、「気」へのアプローチなのか、脾胃を介した「気」へのアプローチなのか、これだけでも全然違ってきます。そういう微妙な違いに関しては専門の臨床家にしか分からないと思います。
ちなみに鍼灸での処方、ということであれば、『臓腑経絡学』『経穴解説』神野英明先生の『鍼灸処方学』の全訳本あたりが、かなり参考になると思います。
まあ、またその内ゆっくり飲みにでも行きましょう!