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これまでのお話・・・
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
☆胃が関わる範囲
さて今日はいよいよ、東洋医学的な「胃の腑」を病むと、実際にどういうことが体に起こるか、という問題です。
でも、これを細かく解説したら、難しくなるし、教科書みたいになっちゃうから、しません。概要を述べます。
・・・一般的には、西洋医学的な「胃の病気」と言うと、胃炎とか、胃潰瘍とか、胃癌とか、要は「胃〇〇」という病名が多いと思います。
これらは基本的に内臓の一部である胃(stomach)の形態的な異常、腹部の消化器症状が主な診断ポイントです。
しかし東洋医学では違います。
「全然」違います。(笑)
「胃の腑」が関わる範囲は「胃」そのものや腹部の症状だけではありません。
ちなみにこれは「胃の腑」以外の他の臓腑でも、全て同じことが言えます。
いつも言うように、東洋医学では、ある臓腑、ある部分、というのは、「あくまでも全体の中の一部にすぎない」という観点をどこまでも外さないため、
常に全体を意識しながら診察診断していきます。
そして、一見まったく関係ない部分(例えば手足や顔)の異常でも、常に五臓六腑と関連付けて考えるのです。
その「五臓六腑」それぞれと「一見関係ない離れた部分」とを結びつけるモノこそが「経絡(けいらく)」と呼ばれるものなのです。
「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照
・・・まあ、あまり難しい言い方は嫌いなので、簡単に言いたいと思いますが、この「経絡」というものを介して、「胃の腑」が関わる体の各部分というのは、非常に広範囲にわたります。
まず顔面(特に目、鼻、口、歯)から始まり、のど(首の前面)、胸(乳房、心の臓も含む)、お腹、背中、陰部、股関節、膝、足首・・・と、ほぼ全身各所に関わります。
特徴は、全身なんだけど特に「前側」の異常に大きく関わる、ということです。
なので当然、上記の各部分の病には「胃の腑」の異常から起こるものが多々あり、「胃の腑」を調えることによって治っていくものがある、ということです。
だから例えば西洋医学的な目や鼻の病気、のどや乳房の病気の中には、「胃の腑」に着眼して治療することにより治すことが出来るものがある、
という発想になる訳です。
・・・これが、発想だけで終わったらつまんないけど、実際にそうなるから、スゴイ訳です。
分かっていただきたいのは、例えば花粉症で鼻がつまって目が痒い、なんて時に、足に1本、「胃の腑」を調整する鍼を打ったら、症状が劇的によくなって、その先生から、
「あんたは胃が悪い!」
なんて言われたとして、この場面て、患者さんとしては意味分からんと思うけど、そこにはこういう理論がちゃんとあるんだよ、ということです。
次回に続く
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こういった具体例はめちゃくちゃ分かりやすく、おもしろいです。
胃を病むと、実に多様な症状が現れるのはなんだか不思議です。でもそこにはちゃんと理論があるんですよね。やはり深いな~。つい食欲に負け、胃に負担を負わせてしまいますが、胃は大事にしたいものです!
アトリエさん
コメント、ありがとうございます
> こういった具体例はめちゃくちゃ分かりやすく、おもしろいです。
ありがとうございます。アトリエさん、具体例、好きねえ。(笑)これからも書きますよ♪
>胃は大事にしたいものです!
そうですね。胃は大事です!「胃の気」は生命力そのものですからね・・・。
「胃の気」は面白いし、実にタイムリーな話題でありますね。
霊枢二十二『癪狂篇』もあらためて読みました。
僕が治療に使うのはそこに書かれている手陽明ではなく足陽明の内庭を使っちゃってますけど、暑さが極まってきたためか証的にドンピシャな人が近頃多くて、なかなかいんちょうも五臓六腑をタイムリーに提供してくれるなぁ~…と感心しきりです(笑)
癪狂と書いてしまいました。「テン狂篇」でしたね。
失礼いたしました。
しむしむさん
いえいえ。(笑)
五臓六腑の解説は、狙ってるつもりもないんだけど、ちょうどいい時期に来るんですよね~・・・。