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前回までのお話・・・
「肺」って何ですか?(その12)
「大腸」って何ですか?
☆「大腸」のカタチ
↑これが、東洋医学の言う、「大腸の腑」の形であります。
「また・・。ちょっとテキトー過ぎない?」
と思う人もおいででしょう。
しかし、これでよいのです。いつも述べているように、これはこれで意味があるんです。
さらに参考に、ここで「小腸の腑」の画像も出してみましょう。
↑↑「小腸の腑」はこんな感じとなります。(笑)
ちなみにこの2つの図は、中国、明の時代の大名医、張景岳(ちょうけいがく)の代表的な著作、
『類経図翼(るいきょうずよく)』
からの引用です。
この時代では既に、中国医学界は、西洋医学的な写実的な解剖図とも接触していたはずです。
・・・にもかかわらず、こういった表現を変えなかった、というところに大きな意味がある、と思います。
(日本との対応の違いも含めて、ネ。(苦笑))
2つの図を見比べた感じでは、
1.両方とも管空状になっている
2.両方ともウネウネと曲がりくねっている
3.大腸の方が曲がりくねり具合がゆるい
4.大腸の方が太い
・・・ぐらいがすぐに見て取れます。
1.については、飲食物の通り道だからです。
飲食物はここをゆっくりと通過しながら、大事な大事な「気血津液(きけつしんえき)」のもとを体に取り込まれる訳です。
2.については、もしここがストレートになってたら、すぐに飲食物が通過してしまいますが、ウネウネしていることで、あえて飲食物を留める構造になっています。
「脾胃」で吸収したにもかかわらず、さらに十二分に、「気血津液のもと」を取り出す必要がある訳です。
カテゴリ「脾胃について」参照
3.については、口から入った飲食物は、「脾胃」、「小腸」であらかた栄養分を吸収し尽くされている訳ですから、「大腸」にはそんなに長く留める必要はない訳です。
なので「小腸」よりも短く、太くなっています。
・・・ということで、コレ、とっても簡単でしょ!?
東洋医学における「内臓の形態」に対する認識が、このようにシンプル極まりまないものになったのは、ある意味当たり前です。
だっていじくれないんだから。
麻酔なんてないし。
でも逆に言えば「形態面」に対してはこの認識でも、「機能面」さえキチッと理解しておけば、大概のものには対応できた、ということです。
東洋医学はそういう情報の宝庫なのであります。
人体に対する侵襲性を極力低く調整できるなら、それに越したことはないですよね。
次回からは、ちょっと今回の補足をして、その「機能面」のお話。
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