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これまでのお話・・・
「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)
さあどんどんいきます!!
☆「三焦」は”気血水”、特に”気と水”が移動するスペースである
(中国明代、張景岳『類経図翼』より)
図にすると、こんなことになっております。
図で見たら、まさに「三焦」=「全身」であります。
またこの図は、「三焦」が皮膚と臓腑をつないでいること、形のはっきりしない膜状の組織だ、ということも表現しようとしている図、と考えて下さい。
この図から、三焦は「気・血・水」の流れるスペースそのものである、と考えることが出来ます。
・・・しかし、”三焦は全身です。”と頭ごなしに言われましても、具体的に何をしてるのか、もうちょっと細かく分からないと、イマイチ手の出しようがありません。
この図の中で興味深いのは、「中焦」の部分に何やら最も多くの文字がツラツラ書いてあり、上焦、中焦、下焦の中では、特に「中焦」との関わりが重要っぽい、ということが分かるのが一つ、
また、背中側の意味深い位置に「腎の臓」だけが記載されていて、「三焦」と「腎」の関わりが強調されているということが、興味を引きます。
これらのことは、「三焦の腑」とは全身である、と言いつつも、特に「脾胃」、それから「腎」と深く関わる事を暗示しています。
・・・以前説明したように、「脾胃」の働きといえば、消化吸収の要として、飲食物から”気と血のもと”を取り出し、全身を栄養することがメインテーマでした。
カテゴリ 「脾・胃」 参照
そして、「腎の臓」の働きと言ったら、「尿」を中心として、発汗、排便といった、人体の「余分な水分排出機構」に大きく関わりつつ、
親からもらった先天的な生命力を秘めた「生殖」「成長」に関わる重要な臓だ、というお話もさせていただきました。
カテゴリ 「腎・膀胱」 参照
そして「三焦の腑」はこの「脾胃」「腎」と大きく関わりながら、皮膚における汗腺と臓腑をつなぎ、「気、血、水」、とりわけ「気と水の通り道」として、
発汗、排便、排尿がスムーズに行われるための”大前提(インフラ)”となっているのです。
上下水道がなかったら、トイレも台所もないですからね。
・・・私の知り合いの信頼できる漢方薬の先生に言わせると、この「三焦の腑」のことを「三焦空間」と呼び、このスペースをしっかりと広げ、
スムーズに流通させてやることによって、体内の余分な水分や滞った気血を「より」速やかに除去できる、という考え方もあるそうで、
これは我々鍼灸師にとっても、大変参考になる考え方だと思います。
・・・長くなっちゃったんで、次回に続く。
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