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これまでのお話・・・
「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)
「三焦」って何ですか?(その3)
「三焦」って何ですか?(その4)
「三焦」って何ですか?(その5)
「三焦」って何ですか?(その6)
・・・ギュンギュンいきます!!!
☆「三焦」という文字の意味(続編)
「三焦」をなぜそう名付けたのかは、ホントのホントは、名付けた人に聞いてみないと分かりませんが、タイムスリップは出来ませんので(笑)、
推測で考えるしかない訳ですが、「三」については、そのまんまながら、「上焦・中焦・下焦の”三”」という意味でしょう。
これは、「上・中・下」という”空間を網羅する”、という意味のみにとどまらず、「天・地・人」という大宇宙を、人身という小宇宙になぞらえて考えた、
実は非常にスケールの大きい考え方が背景にあるのだろうと思います。
・・・ちなみに『老子(ろうし)』の中に、
「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ずる」
という、超有名な一節がありますが、神話的な考え方の中では、天、地、人の”三つ”があって初めて万物が生じる条件がそろうのだ、という考え方があり、
これは「三」こそが宇宙創造、万物の大本だという考え方であり、「三」の重要性、神秘性の淵源の一つなのです。
〇
・・・で、「焦」に関してなんですが、これは、「生きている」ということは結局は、生命の炎によって「人間」という”カタチ”が美しく燃えていること、
輝いていること、煌いていること、という考え方があったのではないかと思います。
父母の精(つまり水)から生じた生命は、はじめ若々しく輝きながら成長しますが、徐々にやつれ、縮み、しぼみ、最終的には燃え尽きる、という、
絶対的な自然の摂理を「焦」という文字で表現したのだろうと思います。
・・・ちなみに、とある密教の経典では、生から死へのプロセスを考える場合に、この「焦」というプロセスを非常に重要視しているものもあるそうです。
ただ、焦げて、最後には燃え尽きるからって、生命とは最終的には儚く、ネガティブなものである、と捉えるのではなしに、
その「焦げていく」時間をどのように楽しんで生きるか、そう考えればよいのだと思います。(笑)
そのための超重要ファクターの一つが、「心身の調和がとれて、健康でいること」なのだと思います。
「父母のお水」から始まって、徐々に母の子宮内でカタチをなし、生まれた後は成長してカタチが極まると、今度は徐々に焦げて、最後は燃え尽き、天地に帰る”生命”というものを、
「もともとそういうものである。」
と、まず肯定した上で、
「ではその、肉体を持った有限の時間の中でどのように生きたらよいか。」
ということを、「心身一如」「天人合一」という哲学に基づいて、主に身体面から説いたものが、東洋医学なんだと思います。
〇
・・・まあ、上中下と「三分割」することによって、生命に理論的な細かさを与えながらも、空間的に、最後はひとくくりにする、また、時間的には生命の「終わり方」と「始まり方」をも、
同時に表現する意味で、「焦」の字を使って「三焦」と言ったのではないだろうかと思います。
「終わり」は「始まり」・・・。
「下」は「上」で「上」は「下」・・・。
そして、「中」の重要性・・・。
「如環之無端」ですね。
「如環之無端」という言葉 参照
「三焦」というネーミングには、こういった深い意味があるのではなかろうかと、今のところ個人的には思っております。
もちろん僕自身、もっと勉強が進めば、この理解が変わってくる可能性もありつつ、です。
続く
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今回も興味深い記事をありがとうございます。これは、教科書に載っている三焦の説明だけでは三焦という概念を正しく理解することは難しそうですね…むしろ教科書の外に理解するヒントがあるような気がします。
「三」について
こういった考え方をすることがなかったので、もっと勉強していきたいです。
「焦」について
人間はこの世に生を受け、命の炎を燃やして輝きながらどんどん成長していきますが、同時に生まれた瞬間から死に向かって焦げ始めている、とも考えることが出来ます。この「輝」と「焦」という二面のうち「焦」を重視しつつ、それでいてなお、より良く生きる方法を模索する、という考え方…昔の人は偉大ですね。これも陰陽なのでしょうか?
ぐっちさん
感想、ありがとうございます!
また、スタッフブログの方にも、古い記事にコメントいただきまして、ありがとうございます。
> むしろ教科書の外に理解するヒントがあるような気がします。
この医学は、そういうことがたくさんあると思います。ぜひぜひ研究されて、また色々、分かったら教えて下さい。
> この「輝」と「焦」という二面のうち「焦」を重視しつつ、それでいてなお、より良く生きる方法を模索する、という考え方…昔の人は偉大ですね。これも陰陽なのでしょうか?
そうですね・・・。
それが、当時の彼らなりの視点で、徹底的に自然を観察した結果なんだと思います。現代の我々からすると、羨ましく思える面もありますね。