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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)
「胆」って何ですか?(その9)
では、続きいきます!!
◆「胆の腑」と「胆汁」と「黄疸」
このテーマは面白いので、もう少し書き足しておきましょう。
「黄疸(おうだん)」という症状があります。
僕も、短い臨床経験の中で、重篤なものから、比較的軽度なものまで、何度か診させていただいたことがあります。
西洋医学的には、
「ビリルビン(胆汁色素)が血液中に過剰に増加して、白眼や皮膚、体液が黄色く染まった状態」
と定義され、正常な新生児でも一過性に出ることがありますが、病的なものでは肝臓、胆嚢、膵臓の病変などで出ることがあり、
内臓にガン等の重篤な病変がある場合もあるので、注意を要する、といった説明がなされています。
・・・まっ、ビリルビンちゅーのは、胆汁が黄色いののもとになる色素のことで、これが、何らかの原因で全身に漏れ出しちゃって、
過剰になると、色んなところが黄色く染まっちゃうよ、っちゅー話です。
で、これ、東洋医学ではどうなんでしょうか。
そもそも”黄疸”という言葉自体、もとは東洋医学の言葉であり、当然、約2500年前、『黄帝内経(こうていだいけい)』の中にすでに出てきています。
そのあと、後漢の時代の『金匱要略(きんきようりゃく)』という本に至っては、”黄疸”のためにわざわざ一章さいて、細かく分類し、治療法を指摘してくれています。
その後もずーっと研究は続き、様々な書籍で触れられており、今日でも、東洋医学ではこの黄疸というものを分類し、治療しています。
まあ簡単に言うと、東洋医学の言う”黄疸”は、「肝の臓」「胆の腑」「脾の臓」「胃の腑」あたりの病変(とりわけ、胆汁の外溢)ととらえ、
邪気としては主に「湿熱」の存在が考えられています。
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?(その10)
「湿熱」について
燎原書店『症状による中医診断と治療 上巻』 参照
そして、黄色い色そのものが明るいか暗いか、黄疸以外にどんな症状、所見が出ているかによって「陰黄」「陽黄」といって、黄疸自体を陰陽に分けています。
サスガ東洋医学は、何でも陰陽に分けて考えますね。(笑)
・・・とまあ、このようにしてみると、東洋医学サイドから見ても、「胆汁」の巡りがうまくいかなくなった場合、「黄疸」という病変がある、
という認識は持っていていいと思いますが、それ以上に「黄疸イコール胆の腑」ではなく、他の臓腑や、邪気の存在も意識して、
黄疸そのものの陰陽も考えて治療することが大事なのです。
だから、”黄疸だから〇〇湯(漢方薬)!”という発想は間違っており、場合によっては大変危険なのです。
もしこういう、重篤な症状を呈している状態で、鍼灸なり、漢方なり、東洋医学にかかろうと思ったら、キチッと勉強されて、
そういうことを分かっておられる先生にかかられることを強くおススメします。
なんか話が逸れたけど、続く。
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