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ちょっと前に、
「”中医学”ってどうなんですかねえー?」
という記事を書いた。
鍼灸学校教育では、中医学というものに対して、何やらトンチンカンな批判をする教員がいまだに跋扈しているのが現状と聞きます。
(ろくに勉強したこともないだろうにねえ。。。)
ですので、学生さんに対しては、まず中医学に対する誤解や偏見を解くところから始めなければいけないのが、なかなかのジレンマだったりします。。。
まあ、こういう
”まだまだ受け入れられていない学問である”
という事実、現実を通じて、僕らが基本に置いていて、しかも今や世界中の東洋医学教育のベースラインとして定着しつつある
「中医学」
というものを、批判的に眺めてみるというのも、引きの視点で見れば、面白い。
自分が医学のベースに置いているものが、ありとあらゆる批判に、果たして耐えうるものなのか、ここを疑ってみるのも、正しい姿勢だと思う。
それこそ、極端な懐疑主義者やヒステリックな意見も含めて、だ。
”本気”であればこそ、そういうものにも向き合っていきましょう。
・・・ほどほどに。(笑)
〇
かなり前、前回の話とはまた違う先生に、絡まれたことがある。
(笑・・・なんか、よく絡まれるでしょ?まあ僕が生意気そうなんでしょうネ。小さい頃から、慣れてます。)
いきなり、
「中医学を鍼灸の分野で使うのは間違ってる!」
というご意見。(苦笑)
いつものように、僕が、
「ほう、それは何故ですか?」
と問うと、
「あれは漢方薬を中心にまとめられた理論でしょ?だから鍼灸には使えない。」
と仰る。
そこでさらに僕が、
「でも、本によっては鍼灸の配穴についても言及されていますよね?」
と言うと、
「確かに。しかしその配穴がおかしい。あれのベースはほとんどが元代以降の歌賦(※)がもとになっている!要は特効穴の羅列みたいなもの。あれでは無理がある、医学と言えない。」
と仰る。
※歌賦(かふ)というのは、元代以降盛んに著された、鍼灸の有名古典に出てくる、いわゆる”このツボはこれに効く”ということを歌のようにしてリズムよく並べたもの
・・・この先生の仰ることは、一理あるようで、やはり事実誤認に基づいている。
そもそも、漢方薬を中心にまとめられた医学、と仰るが、理論の大本になったのは
『黄帝内経』
つまり”鍼灸の”聖典だ。
そして、大前提として、中医学の基本原則は「整体観」と「弁証論治」だ。
「弁証論治」って何ですか?
「整体観」って何ですか? 参照
ある症状と、ある経穴を直接的、短絡的に結びつけている記載よりも、
「まずは整体観に立脚し、証を弁えて、論理的に治療しましょう」
という記載の方が大前提であり、「証」や「東洋医学的な生理観」についての詳述が中心です。
だからまずは、「証」に合致した配穴が先であり、「症状」に対する特定の配穴の指示なんてのは、枝葉末節の話。
だから、この先生のような批判は全く当たらない。
部分的に当たってるとしても、全然本質的な批判でない。
膨大な中医学の「ある部分、枝葉」のみを見て、”木を見て森を見ず”の見地から、揚げ足取り的に一生懸命批判している姿。
枝葉末節への批判をもって、全部がダメだ、みたいな考え方、物言いは、バカがよくやるやつ。
・・・まあ、上記以外にも、この業界にはまだまだ、そういう誤解や偏見、批判のための批判みたいなのが多々あります。
鍼灸治療そのものすら、国民に大きく誤解されている現状がある中で、その業界の中に、身内同士で、さらにこういう偏見や誤解が渦巻いていたりします。。。
こりゃーなかなかの難事業ですな。(苦笑)
でも、鍼はスゴイです。
そこはハッキリしてます。
毎日、実感してます。
その一点が、いつもブチキレかける僕を救ってくれます。(苦笑)
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