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疲労と東洋医学 4

2014.04.26

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これまでのお話・・・

疲労とは何か

疲労とは何か 2
疲労とは何か 3


では続きいきます!

 


ここまでで、疲労に対する、西洋医学の現状、中医学の考え方、蓮風先生の考え方を紹介しました。


・・・では、僕はどう考えているのかを述べて、まとめにします。


こうやって、中医学の教科書や、西洋医学の認識、先輩の認識を通じて、その上で自分はどう考え、それを患者さんの前でどう実践するのか、

それをまとめ、実践で運用できるようになること、これが我々鍼灸臨床家にとっては一番重要です。


単なる受け売りヤローになってはいけない。


言行不一致もダメ。





まあ、僕としては、「疲労」ときたら何でもかんでも弱り(正気の虚)が中心、という考え方には懐疑的です。



ただ、中医学では”疲乏”とか、”虚労”と言われるように、疲労については「正気の虚」が中心であるという考え方も大変重要です。



要は、その「正気の虚」を回復させる手段として、肝の臓を上手に調整することが近道になる場合がある、ということなんだと思っています。


だから場合によっては疲労を

「気の不通、つまり実」

ととらえた方がやりやすい場合がある、という考えです。


とはいってもまずは、疲労する疲労する、と患者さんが訴えてきても、本当にそうかどうか、よくよくその患者さんの生活ぶりや、

その患者さんの考え方や性格にまで目をやる必要があると思います。



その上で、一人一人個別に、”その人の言う”疲労を東洋医学的に弁別することが一番重要だと考えています。


この時に、精神疲労なのか肉体疲労なのか、あるいはそのバックボーンとなる、その人のものの考え方や、良かれと思って実践していることの間違いにまで、意識を置く必要があると思います。

(これはなかなか難しいんですが。。。)



そのように考えると、鍼灸院の外来レベルで出会う「疲労」を訴える患者さんに対する臨床としては、肝の臓や心の臓を意識した治療が、

即効で、あるいは徐々にでも、効を奏することが多いようには思います。


外来の鍼灸院限定で、しかも肉体労働をしている方の極端に少ない、「現代の東京」という土地柄かもしれませんが。



中には大変難しいケースもありますけどね。



エネルギーの無駄遣いを如何にやめさせるか、とかね。


どうやって気付かせるか、とかね。


タイミング、とかね。



・・・まあ、もっと勉強します。(笑)




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この記事に関するコメント

“疲労と東洋医学 4” への5件のフィードバック

  1. 各務 より:

    本日、代表の患者さんで15才の女の子が2診目で来られました。
    主訴は子宮頸がんワクチン接種後の、膝痛、腰痛、息切れ、動悸、倦怠感、目に白いモヤがかかる、などなど様々な状態を抱えています。
    西洋医学では自己免疫性脳症と診断され、ステロイドの大量投与による治療を受けましたが、良くなりません。
    脈舌ともによく、後渓に古代銀鍼で翳す治療で、代表も手応えを感じて、数回で治ると宣言していました。
    ほんし

  2. 各務2 より:

    途中で誤送信しました。
    つづき。ちなみに初診時点でシャワーだけでも疲れてしまうという状態です。
    本日2診目で来られ、治療翌日は身体が少し軽かったが、今日はワクチンを受けてから一番しんどいと仰っていました。
    これをどう切るのか、と思っていました。
    脈舌は初診の頃と同じでともに問題なし。
    治療は同じ後渓翳しです。
    治療後、その患者さんの付き添いで来ているお母さんに言った言葉で、一気に心を捉えていました。
    「娘さんは、色々な強い治療を受けたけども身体は問題ない。でも、心や、もっと深い魂に深い傷を負っている。それを僕が癒してあげるから、頑張って来てくださいね」と。
    興味深い症例です。
    よくあるのは、正気の度合いが負荷試験や問診事項ではかなり低いと判断できるが、体表観察ではそうでもない、というパターンは多いのですが、そういったものの多くは肝鬱を治す治療でよくなっていくことがほとんどです。
    今回の症例では、肝鬱を治しても悪化するという場合の治療方法で、それが魂に問題がある、としている点が興味深いです。
    あんまり纏まってない文章を長々とすみません。
    疲労という繋がりでコメントさせて頂きました。

  3. いんちょう より:

    各務先生
    貴重な情報、どうもありがとう。
    > 「娘さんは、色々な強い治療を受けたけども身体は問題ない。でも、心や、もっと深い魂に深い傷を負っている。それを僕が癒してあげるから、頑張って来てくださいね」と。
    蓮風先生ならではの声かけですね。
    > よくあるのは、正気の度合いが負荷試験や問診事項ではかなり低いと判断できるが、体表観察ではそうでもない、というパターンは多いのですが、そういったものの多くは肝鬱を治す治療でよくなっていくことがほとんどです。
    そうですね。その逆もありますけどね。
    > 今回の症例では、肝鬱を治しても悪化するという場合の治療方法で、それが魂に問題がある、としている点が興味深いです。
    そうそう、心と魂の問題は、解釈論はともかく、臨床論を論理的に明文化することが難しいと思います。
    ただこれらが関わる「疲労」も意外とあるんじゃないか、と思います。
    ・・・であるからして、肝は罷極之本だから、という風に解釈するのが一番楽で、コンセンサスを得やすいワケよ。(笑)

  4. ムスタファ より:

    脈舌ともに問題なしで自覚症状ばかり・・・
    思春期15歳の女の子・・・
    子宮頸がんワクチン接種は単なるトリガーってことでいいんでしょうか?

  5. いんちょう より:

    ムスタファさん
    お久しぶりです。
    コメントありがとうございます。
    > 子宮頸がんワクチン接種は単なるトリガーってことでいいんでしょうか?
    そもそも僕の患者さんでないので、この症例に関してはコメントしかねますが、一般論から言えば、こういう風に、西洋医学的な処置の後から何らかの症状が出てきた、という場合、その処置そのものによるものなのか、あるいはその処置を受けた時期に患者さんが抱いた精神的苦痛によるものなのか、はたまた別の原因か、判断は難しいというか、一人一人、ケースバイケースになると思います。
    この患者さんのケースに関しては、蓮風先生が仰ったように考えた、ということでしょうね。
    西洋医学の処置(手術や投薬や化学療法その他)といったものが、東洋医学的にはどのような変化を患者にもたらしたかというのは、一例一例、慎重に検討すべき問題であると考えます。
    もし、例えば「子宮頸癌ワクチン」イコール「東洋医学的にはこういう薬!こういう意味!」ということを言おうと思ったら、むちゃくちゃ大規模な患者数を相手に、膨大な時間と手間をかけて統計データを集積しないと言えないと思いますし、言ったところで、所詮は仮説にすぎず、結局は現場レベルでは一例一例、出来る範囲で東洋医学的に解析する必要が出てきますから、同じことと思います。
    という訳で、西洋医学は西洋医学の立場で徹頭徹尾、東洋医学は東洋医学の立場で徹頭徹尾、患者さんのために、それぞれが出来る最大限をやる、というのが今のところの最良の結論じゃないかな、と思っております。

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