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これまでのお話
「衛気(えき)」って何ですか?
「衛気」って何ですか? その2
「衛気」って何ですか? その3
「衛気」って何ですか? その4
「衛気」って何ですか? その5
「衛気」って何ですか? その6
「衛気」って何ですか? その7 参照
では続きいきます!!
ここまで書いてきたことは、
◆衛気の基本的な働き
◆皮膚の西洋医学(解剖学)的構造と機能
◆衛気の「衛」という文字の字解き
◆そこから派生して、「気」という文字の字解き
でした。
最近、蓮風先生のブログ『鍼狂人の独り言』でも、最近、”衛気”についての話が出てきていますね。
蓮風先生ほどの先生がこれについて語って下さっているのであれば、私ふぜいから何も申し上げることはないのですが、一応ここまでの話をまとめると、
1.人体を養い、生命活動を正常たらしめる「気」には、働きによってさまざまな分類があるが、その中の重要なものの一つに「衛気」というものがある。
2.「衛気」は、飲食物と、呼吸によって取り込んだ天空の清気とが原料となり、主に「腎の臓」の働きが中心となり、主に下焦において作られる。
3.作られた「衛気」は、その字の如く、体表面と、体表面から少し離れた部位とを巡り、城壁の外を守る兵隊のように、様々な外的刺激から人体を守る。
4.また、皮脂の分泌や、発汗の調整など、皮膚の生理的な働きも、一部担う。
ということです。
・・・で、臨床的に大事なこととして、「衛気」という一番浅い部分に鍼でアプローチすることで、臓腑など、人体の一番深いところにアプローチできる、という仮説。
これ、実際に試してみると、確かにそういう場合が、大いにあるようです。
(ただもちろん、上手に出来れば、の話ですよ。)
これはどういう訳かというと、今のところの私見ですが、
まず一つには、人体の一番浅い部分と、一番深い部分は、部位的に「深浅」という陰陽をなしているから、浅い部分の気を動かすことが、そのまま深い部分の気を動かすことに繋がる、
という発想と、
もう一つは、「衛気」を操作するときは、皮膚に触れませんので、患者さんが身構えない(身構えるスキを与えない)ために、
余分な緊張ナシに気を動かすことが出来るので、転んだ時に受け身を取らないとか、ノーガードで死角から殴られたようなもんで、
非常に大きな衝撃(気の動き)を与えることが出来る、
という2点から、非常に大きな気の動きを、深い部分に与えることが出来るんじゃないかな、と愚考しております。
(繰り返しますが、正確な証と病因病理を踏まえて、技術的に的確にやれれば、です。)
まあしかし、「衛気」の操作を目的とした翳す鍼、皮毛に触れるだけの鍼をやるにしても、必ず的確に弁証し、「補瀉」を明確にし、施術後の脈診所見、舌診所見、
その他体表情報の変化等々から、その鍼が確かに効いたのかどうか、明瞭に評価できないのであれば、やるべきでないでしょう。
・・・また、蓮風先生が繰り返し、強調して書いておられるように、日々の飽くなき鍛練、勉強、その上での確固たる心持ちがあってこそ、
そういう治療が出来るのだと思います。
これらが揃わないのであれば、単なるカッコつけ、自己満足治療、ということになるでしょう。
衛気シリーズ、とりあえずここまでで一区切りとします。
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