東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「左肝右肺」に関して 5

2014.12.14

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これまでのお話・・・


「左肝右肺」に関して
「左肝右肺」に関して 2 
「左肝右肺」に関して 3 
「左肝右肺」に関して 4   参照



 

では続きいきます。

 

 

◆そもそも「左右」とは何か


 

東洋医学(というか東洋哲学)は、何でも陰陽に分けます。

 

 


上下や、前後や、左右も。

 



上下の場合、上が陽、下が陰です。

(動的な天(上)と、相対的に静的な地(下)、と考えたら分かりやすいですな。)

 


前後の場合、後ろが陽、前が陰です。


(これは人体で考えれば、相対的に堅くて強い背中が陽、脆弱で柔らかい腹部が陰です。)

 


・・・では、左右はどうか。

 



これは、「左が陽、右が陰」なんです。

 


なぜなら、まさに前々回述べた、後天八卦図のように、南面(南を向く)した場合に、左手側(東)から太陽が上り、右手側(西)に太陽が沈むからですな。

 

 

日出ずる方角は東(左手側)です。

 

 


日出ずる左側は相対的に陽が盛ん、日沈む右側は相対的に陰が盛ん。

 



また、日本語でも語源的に「火だり」「水ぎ」なんていう噂も。。。

 



これは、以前
ひな祭りという記事や、日本人の自然信仰という記事に少し書きました。

 



またかつて、スタッフブログにも書かれていますね。 
初詣 参照

 

 

ご参照いただければ、と思います。

 

 

 


◆「左肝右肺」の考え方が活きる時

 


つまり「左肝右肺の論」というのは、東洋医学の診断学上、陽である左側に肝の臓が、そして、陰である右側に肺の臓が、診断ポイントとして配置されている論なわけです。

 



ではここで、「肝の臓」「肺の臓」を比較して、陰陽で分けると、どっちがどうなんでしょう。

「肝」って何ですか?(その13)
「肺」って何ですか?(その12) 参照

 


これはまあ、肝と肺の「何をもって」陰陽で斬るかによって違ってくるのですが、あまり細かく言うとどんどんややこしくなるので、基本的には五行で考えたら、

木に属す肝が相対的に陽、

金に属す肺が相対的に陰、

と言えるんですね。


(春秋戦国時代の「陰陽主運説」という考え方によれば、五行は土を真ん中に、木火が陽、金水が陰です。根本幸夫『陰陽五行説』参照

 


だから、

木の”曲直”の性質を持つ肝の臓は、肺と比較すると機能的には相対的に陽であり、

金の”従革”の性質をもつ肺の臓は、肝と比較すると機能的には相対的に陰である、

と、一つには考えることが出来る。

(ただし、いつでも必ずそうではないことを付言しておきます。)

 



だから前回お話した、肝の臓は右4葉、左3葉だから、形態的に右に偏って存在しているから、肝の臓が病的な状態になった時、人体の右に影響が出やすい、

 

というのは、東洋医学における解剖学、つまり「形態」を考えた場合にそのようになりやすいのであって、「機能」を考えた場合には、左右が逆になることがある、

 

という風に、「一応は」理解してよいと思います。

 

 



ただ、それだけでは、まだ不十分です。

 

 



続く

 

 




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