東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「鍼灸」の有効性

2010.02.14

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今日は、少し真面目に「鍼灸の有効性」について考えてみたいと思います。(笑)
 

僕は、これまでの自分自身の経験から、「鍼灸は大変よく効くものだ」、という認識を持っています。

(しかも、「あらゆる病に効く」という認識です。)
 

しかし、これはあくまで「僕個人の経験上」の話であり、尊敬する色々な先輩から、これまで様々な技術、方法論を教わってきて、それを実際に実践してみての見解であり、
 
必ずしも「一般的」ではないと思います。
 

つまり、いい先輩に恵まれなかった鍼灸師の中には
 
「鍼灸を実践してみたけど全然効かなかった。出来るようになんなかった。」
 
と吐き捨てて、やめてしまった先生もいらっしゃることでしょう。
 

そのためか、日本の医学界、医療業界では、なかなか鍼灸の有効性を広く認め、一般的に認知させる、という活動が盛んになってきません。

(もちろん、一部の先生方は一生懸命活動されておりますが。)
 

僕は
 
「鍼灸はあらゆる病に有効な、れっきとした医学なんだ。」
 
という認識を、日本全国、果ては全世界の病気に苦しむ人々みんなに気づいてほしい、と願っています。
 

ではどうすれば、そうなるのか、という問題ですが、これが実はヒジョーに難しいことだ、と思います。
 

現代は、「科学万能」と言われるぐらい、みんな科学文明の恩恵にあやかって日々の生活を営んでいます。
 
 
僕も例外ではありません。
 

電池式の目覚まし時計で起き、コンセントに繋がったテレビやインターネットで情報を得て、ガソリンで動くバイクで往診に行き、院内が寒くないようにガスファンヒーターと加湿器を使い、
 
暗くないように照明器具を使い、患者さんがリラックスできるようにとCDをかけて治療しています。
 

これらは全て現代科学文明の恩恵にあやかっている姿であり、その利便性たるや、否定のしようもございません。
 
 
むしろ大感謝であります。
 

「東洋医学」というものは、これらがこの世に存在する、かなり以前から行われてきたものであり、なかなか「現代科学的な手法」で有効性を証明するのが難しい面があるようです。
 

なぜなら、漢方薬にしろ鍼灸にしろ、「東洋医学的な治療」というのは、患者さんの「個体差」というものを非常に意識して行う治療であり、
 
地域によって、季節によって、またその患者さん自身の特徴によって、「同じ病気であっても」治療法が変わるため、

「人の数だけ病気と治療法が存在する」

ということになり、

「~病には~という薬がよく効く」
 
とか、

「~病には~というツボに鍼すればOK」

とかいう話には、どこまでいってもならないんです。
 
 
そのため、治療者自身の技術力(診断能力)に効果が左右されてしまう面があることが否めません。
 

じゃあそういう良い症例を集めて、「数」でものを言ったらどうか、というと、仮に

「〇〇病の患者10万人に鍼したら9万人に有効だったから鍼は有効だ。」

と言ったとしても、最終的には結局、それって
 
「誰が」「どこに」「どういう考え方で」「どんな」
 
鍼をしたかが問題になってしまうので、そのデータを出した術者や方法論に対する評価は一定程度上がったとしても、「鍼そのもの」の有効性を証明するのはなかなか難しい、
 
となってしまいます。
 

言わば、東洋医学の医者というのは、医療人でありながら、一点モノの作品を作る「伝統工芸人」のような側面がある訳です。
 
 
ですから、高い治療実績や効果を安定的に出せる臨床家のことを指して「名人」と呼んで、特別視したりする訳です。
 

でもその先生からしてみたら、
 
「別にただ普通に東洋医学を勉強して、一生懸命治療してるだけなんだけどなあ・・。」
 
となるんだと思います。
 

近年ではようやく日本でも諸外国でも、大きな病院の中で「鍼灸」や「漢方」が実践されることが増えてきましたが、まだまだこれからの段階であり、
 
なかなか「患者さん数万人を一貫した手法で一遍に治療してデータを出す」ということは、やりにくい状況にあります。
 

よって、
 
「そんなに効くと言うなら、データを見せなさい!」
 
と言われても、

「それは今やっているところです…。」
 
となってしまいます。
 
 
残念ですが。
 

・・・しかし!東洋医学は中国で2500年以上、日本でも約1500年、患者さんから支持され続けた、歴史ある伝統医学であることは間違いありません。
 

しかもその有効性は、僕の短い経験からも明らかです。
 
 
こうした現状から、結論として、我々現代の鍼灸臨床家は、日々コツコツと、一生懸命、患者さん一人ひとりの治療にあたるしかないようです。
 

もちろん、「僕ならすべて治せる」なんてことは、全く思いませんが、「東洋医学があらゆる病に有効な治療法である」ということは、僕の経験から見ても、
 
尊敬する先輩たちの仕事を見ても、明らかです。
 

患者さんには、悩んだりあきらめてないで、是非一歩を踏み出してほしいと思います。
 

「東洋医学」は、必ずあなたの力になれる筈です。
 
 
 
 
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この記事に関するコメント

“「鍼灸」の有効性” への2件のフィードバック

  1. みかん より:

    東洋医学の認知度、低いですね。しかもちょっと近寄りがたいイメージが付いてたりして。
    そう言いつつ私自身、東洋医学をちゃんと学習し始めて10カ月弱たってようやく、試してみる気になっていんちょう先生の治療に通っているわけですけど(^^;)
    本当に鍼って、東洋医学って、すごいですよね
    その力に救われてる患者のひとりとして言いたいですね!ホント、これを知らないのはもったいないと思います。
    でも患者さんにとってははじめの一歩までが、遠いんですよね。その感じはよくわかるので難しいな。

  2. いんちょう より:

    みかんさん
    コメント、ありがとうございますm(__)m
    まあ現状では、東洋医学というものは、「知らなきゃ損するもの」みたいな世界になってしまっています。
    僕としても「鍼灸」をそのようにしておくのは大変もったいないと思いますね。
    まだ見ぬ、悩める人のために、これからまだまだ頑張ろうと思います。

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