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2010.03.27
これまでのお話
鍼灸には保険が効かない!?(その1)
鍼灸には保険が効かない!?(その2)
鍼灸には保険がきかない!?(その3)
鍼灸には保険が効かない!?(その4)
鍼灸には保険が効かない!?(その5)
ここまで、日本における鍼灸を取り巻く保険の現状、歴史、アピール方法、海外の鍼灸事情について、甚だ簡単ではありますが、書き連ねてきました。
(分かりにくくなかった?ちょっと心配・・・。)
ということで今日は番外編というか、過去の記憶編にします。(笑)
こういうのをテーマに書いていて、患者さんから
「なんか最近のブログ、難しい話してるナー。」
とか、
「要は単に保険使えないってことでしょ?ならただそう書けばいいじゃん!くどいよー。」
とか思われやしないかと、内心ビクビクしながら書いてます。(苦笑)
・・・でもね、これは大事なことなんです。
僕は清明院のHP上でもこのブログ上でも、日々の臨床でも、盛んに東洋医学の素晴らしさをアピールしていますが、コレは逆に言うと、
「そうせざるを得ないと思った現状」
があるからであります。
初めからみんな東洋医学の素晴らしさが分かってたら、こんなにあの手この手でアピールする必要もないんです。
・・・初めてこの業界に入った時、とある病院の「整形外科のリハビリ室」というところに勤めたんですが(給料は月11万!常に餓死寸前でした(笑))、
そこの院長先生から、何人かまわりに他の先生がいる時に、
院「おい、お前将来はどうしていきたいんだ?」
と聞かれ、当時、東洋医学への理想に燃える僕は、
竹「ハイ!鍼の医者になりたいと思っています!!」
と答えました。
(美しいっしょ?コレを即答だよ?この状況でなかなか言えないセリフだよね。(笑))
・・・すると、
院「?・・・鍼なんかでどうやって食ってくんだ?(笑)」
と笑われました。周りの先生達にも失笑されました。
院長曰く、
院「お前なあ、日本は国民皆保険の国だぞ?知ってるか?鍼なんて仮に自費でやったって、単価も低いし、同意書を使って、保険でやったらもっと二束三文だし、
これからはその同意書すらも俺ら(医師)からは出なくなるぞ?」
当時ケンカっ早かった僕のコメカミが、「・・ミシッ」と音を立てます。
でもさらに院長は続けました。
院「そりゃあまあ”鍼の名人”なんて言われるようになりゃあ、そこそこ食えるかも知んないけど、そうなる頃にはもういいオッサンだぞ。若いうちにしっかり稼いでイイ女でも捕まえろ(笑)」
竹「(明らかに不愉快な顔しながら)・・・そうですか。じゃあどうしたらいいと思います?」
院「柔整(柔道整復師)とれ柔整。そんで接骨院やればまだそこそこ稼げる。あいつらの方がまだ独立して商売できる。頭は悪いけどな。ははは(笑)
俺が言うんだから間違いない、そうしとけ!ははは(笑)」
・・・その時、周りにいた柔整師の先生達も、なぜか一緒になって笑っていました。
当時「美しい」(笑)ココロを持って、理想に燃える僕には、到底理解出来る状況ではありませんでした。
(まあ、今でも理解したくありませんがね。)
当時の僕がこの時何を思ったかは、言うまでもありませんが、この時期の色んな感情が、今の僕の仕事に生きている面は多分にあると思います。
(そういう意味では必要な時期だったんだね。)
上記の会話、皆さんはどう思いますか?
これが一日何百人も患者さんの来ている、地元では有名な医者の言葉ですよ?
まあしかし、コレが現実です。 現実なんです。
いかに医療従事者といっても、「食っていく」とか「家族を養っていく」ということは生易しいことではありません。
でも、そのためなら何でもアリ、ではないでしょ?とりわけ、医療を真剣にやろうと思ったら、ねえ?
患者さんが、プライドも意地もなくした、食えてりゃ別にそれでいいや、という考え方の医療従事者に、どうしてかかりたい、自分の体をまかせたいなんて思うんでしょうか?
しかも、保険が使える=食える、保険が使えない=食えない、あるいはろくに食えない、だからやめとけ、という、制度に依存しきったような短絡的な考え方は、
真面目にやってる鍼の先生方、あるいはその患者さんへの冒涜でしかありません。
「病める患者さんをいかに救うか。」
白衣着てて、この部分を大事にしないなら、医療やってる意味なんてなくないですか!?
他にいくらでも稼げる仕事なんてあるよ。
・・・まあ確かに、今にして冷静に思えば、あの院長のおっしゃったことは、事実を言っているに過ぎない、とも取れます。
しかし、考え方が現実的過ぎるように思います。
だから言うんなら、現状を述べた上で、
「・・・そのぐらい大変な業界だけど、志を高く、頑張れよ!」
で、いいじゃないですか。
別にねえ、鍼医者目指して、もし失敗したって、人間そう簡単に死にゃあしませんよ。体とか、割と丈夫だし。
それに費やした時間だって、無駄になんかなる訳ないし。
このように、僕がこれまでにしてきた経験、苦い思い出は山ほどあります。
でもまあそれが今に繋がってると思うので、ちょいちょいこのブログで紹介していこうかな、と思ってます。
・・・まあ、ちょっとカタイ話が続いていたんで、今日はあえて番外編にしてみました。(笑)
保険が効くか効かないか、という問題は、「こんな考え方を生むぐらい」重要なんだ、ということを分かっていただきたかったのです。
だからこのことは大事なので、正しく理解し、それぞれにイイ方法を考えましょう。
(次回に続く )
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診療再開!!
自分は接骨院に助手として勤務しているときに、柔整に行くか鍼灸にいくかを迫られて、最終的に本科にいくことを決断しました。
柔整の保険適用が苦しくなっていっている反面、それでもまだ現状として柔整のほうが鍼灸より「飯が食える業界」である姿を目にして、「自分の決断は正しかったんだろうか?」と恥ずかしながら思ってしまうことがあります。
あ摩指師、柔整の資格を持ちながら、それでもあえて鍼灸一本で勝負している先生には本当に頭が下がります。
まだまだ未熟ですが、必ず「あの時鍼灸を選んでよかった」と思える自分になりたいですね。
12さん
コメントありがとうございますm(__)m
> あ摩指師、柔整の資格を持ちながら、それでもあえて鍼灸一本で勝負している先生には本当に頭が下がります。
いえいえ。趣味みたいなもんなんで。(笑)
> まだまだ未熟ですが、必ず「あの時鍼灸を選んでよかった」と思える自分になりたいですね。
一生懸命やってれば必ずそうなりますよ。頑張ってください!
しばらく見過ごしていたうちに完結してましたか…(笑)」と言ってのけるかも知れないけど(笑))
素晴らしい話です。
ある意味この業界は負けず嫌いじゃないと務まらない、逆風だらけの世界だから、逆にまとまるのは難しいのかしら?
…なんて、邪推したりします(笑)
でも鍼一本で食っていく苦労ってやっぱりありますよね。
(院長は「いや、完全に趣味
「もっと楽な道もあったかも知れない」
…とうちのスタッフである若い子たちも思ってるんじゃないかしらと心配することもありますが、幸いにも実は結構叩けば響く人材が揃っていたので大助かりです。
そんな連中とワイワイやりながら、鍼灸が保険適用の日の目を見るまで頑張りたいと思います。
政治的なことはうちのボスに任せてですな…(笑)
しむしむさん」と言ってのけるかも知れないけど(笑))
> (院長は「いや、完全に趣味
・・・まあね(笑)
> 政治的なことはうちのボスに任せてですな…(笑)
しむしむさんのボスの動きはとてもイイですね。期待したいです。