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2010.10.15
このテーマを題名にすること自体、実は勇気がいることです。
なぜならばコレは実際に、厳然と「ある」からです。
僕はこれまで、自分自身の臨床経験を通じて、まざまざとこのことを思い知ってきました。
薬は毒にもなりますよね。
同様に鍼灸も、扱い方を間違えればとんでもないことが起こります。
だから「正しい鍼灸」を勉強する必要があるんです。
・・・コレは、考えてみれば当然の話で、その患者さんがなぜこのような症状を持つにいたったか、ということを、我々はいつも「東洋医学的に」理解し、
治療している訳ですから、当然、治す方向性と反対のことをやれば、「悪化」することもある訳です。
しかし、人間は基本的には常に”陰陽バランス”を取ろう取ろうとしていますから、それを強引に崩す、ということは並大抵の力では無理です。
きちんと病的反応の出ているツボに、「きちんと」治療とは逆のことをしなければ、そうそう悪化するものではありません。
つまり、治療するにしても、悪化させるにしても、「気」を動かす、相当な「ウデ」が必要だ、ということです。
巷には、
「鍼やお灸をして、〇〇病がよくなった!」
という話はよくありますが、悪くなったという話はあまり表には出てきません。
まあこれは当然と言えば当然ですが、そういうことは実際に起こり得るんです。
今日の蓮風先生のブログに、先日行われた「(一社)北辰会夏季研修会」での1コマが動画でアップされています。
(夏季研修会については、以前このブログでも報告しました。)
患者さん達は、普段我々の行っている勉強会の様子を知ることは少ないでしょうから、これは大変興味深い映像だと思います。
「鍼狂人の独り言」10月15日公開映像
この映像には映ってないけど、このベッドの真横に僕は居ました。
一部始終を見ておりました。
相当な技術と自信と信念がなければ、これを実演してみせることは出来ません。
まーなかなか、素人の方がこの映像を見ても、何をしたかはよく分からないとは思いますが、これはサスガの超絶テクニックです。
武術に「活殺一体(かっさついったい)」という言葉がありますが、鍼もまさにそういうことなんですね。
活かすことと殺すことは表裏一体だと。
鍼を持つ者の一人として、身が引き締まる映像です。
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診療再開!!
「活殺一体」…」
気胸とは違う「悪化させた」体験を私もしました
(過去形ってことで)
仰向けでの曲池・曲泉の組み合わせで患者がベッドから起きれなくなったことがありました。
手足の緊張が抜けないな…と余計に打った鍼で
「あの…手足に力が入らないんですけど
と逆に起き上がれなくなった患者さんの姿を見てサーっと血の気が…。
足三里を揉んで何とか起きれるまでになりましたが、曲げるって字の組み合わせの威力と恐ろしさを教えられた事件でした。
しむしむさん
勇気あるコメント、ありがとうございます!(笑)
> 仰向けでの曲池・曲泉の組み合わせで患者がベッドから起きれなくなったことがありました。
曲池・曲泉とは、興味深い配穴ですね。
・・・ブログにも書いたとおり、「悪化させる」ことは並大抵では出来ない訳ですから、そこはプラスに考え、字解きだけではなく、もっともっと配穴の意義、根拠を明確に出来れば、上記の配穴は、逆に劇的に効かすことも出来るものだと思います。
なにせ「活殺一体」ですからね。
まーお互い、頑張りましょー!!