東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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水と熱

2012.08.19

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「水と熱」、一見、相反するこの二つ・・・。


コレが複雑に絡んで、色々な病気を引き起こします。


適正量を超えて、水分を摂っている人は、少なくない。


体の中に、処理しきれない、「余分な水」が生じれば、その「余分な水」があるところには、「気」「血」も停滞してきます。


水は、スラスラとスムーズに流れてないと、汚れてきます。


そうすると、体としては、ますます処理しにくくなります。


いったん水自体の絶対量を減らして、処理能力(自浄能力)に余裕を作るか、そこにキレイな水を集めて、一気に大水で押し流すしかないです。


自然界でいうと、ドブ川の、流れの端っこの方の、ゴミがたまった汚い水のようなもんです。


人体の場合、汚い、余分な水の停滞が長引けば、そこは熱をもつことがあります。

 

これを「鬱熱」と呼んだりします。


汚い水が熱をもつと、煮詰まっていって、ますますドロドロになります。


カレーのようなもんです。


(汚いけど。)

 

これを「痰」と呼んだりします。


その段階になると、この、汚いカレーの熱を冷まそうと、薄めようと、生理的で、キレイなお水がそこに集まってきます。


それで冷やし、流すことが出来ればいいけど、冷やせなかったら、もっともっと強大な汚いお水と熱の塊を成していきます。

 

そこには、「血」も停滞してきます。

 

これを「瘀血」と呼んだりします。

 

「気の停滞」「邪熱」「湿痰」「瘀血」これらが結びついて、大変頑固な、熱くて汚い、ヘドロの塊を形成したりします。


この病理産物の形成の流れを、東洋医学では、「ガン」なんかの考え方に応用します。


最近、ガンの患者さんを診る機会が多くあります。


単純で基本的な話なんだけど、水と熱、その割合、双方の勢い、位置、深さ、それをキチッと踏まえた上で鍼で上手に「気」を動かす、

 

ということが、とても重要だと思います。



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この記事に関するコメント

“水と熱” への2件のフィードバック

  1. ムスタファ より:

    このテーマはすごく初心者にはわかりやすい例えで助かります。
    >いったん水自体の絶対量を減らして
    これはわかります。直接的に水を瀉す、もしくは虚の臓腑の補法で水の流れを作る(排出する)ということで。
    >そこにキレイな水を集めて、一気に大水で押し流す
    これはどういう意味ですか?

  2. いんちょう より:

    ムスタファさん
    コメント(というかご質問)ありがとうございます。(^v^)
    > >そこにキレイな水を集めて、一気に大水で押し流す
    > これはどういう意味ですか?
    そのままの意味です。その部位の物理的空間的なキャパを考え、当該患者における臓腑の生理機能を勘案した上で、そこに余裕が出来るように持っていく、結果的に大量の生理的津液がその部位に向かう、という考え方です。
    平たく言えば、前後左右上下の気血津液の遍在のバランスをとる、ということでしょうかね。

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