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昨日のブログ(「鍼じゃヘルニアは治らねえよ」)といい、こういうのは鍼師からしたら嫌な話だけど、そういう声や現実から、目を背けていてはしょうがない。
キチッと向き合っていきましょう。
というわけで、今日は第2弾。
こないだ、とある呑みの席で、酔っぱらいが、
「俺は鍼灸なんて信じてねえから!」
と、突っかかってきた。
まあその場でいきなり飛び掛かってもよかったんだけど(笑)、そこはいい大人。
(まあ、僕は飲んでなかったし。)
「・・・へえ、何でですか?」
と問うと、
「背中が痛くて、病院に行ってもはっきりしないんで、近所の接骨院に行って鍼してもらったけど、そこの説明にも納得できないし、効果もない!だから俺は鍼灸なんて信じない!」
と、大変下品な、でかい声で、なんやかんやとまくしたてている。
赤い、不っ細工な顔して。
僕は内心、
「つーか、あんた誰だよ。その議論以前に、まず無礼にもほどがあるだろ。。」
と思いながら、黙って聞いていた。
こーゆー場は、気分悪いから、すぐに帰ってもよかったんだが、まあ、さらっと受け流して(ほぼ無視して)その場は終わったんだが、後から考えてたら、
だんだん腹立ってきたんで、ちょっと反論でも書いとこうかな、と思う。
(笑・・・まあ、こんなん相手にしても、とも思うが、腹立ったから仕方ない。)
そもそも、
自分が実際に受けて効かなかった→だから鍼灸を信じない
という考え方自体は、一定、筋が通っている。
その人が実際に受けた上でそう感じたんだから、気の毒だが、仕方ない面はある。
そういう人は、症状を取るために、粛々と鍼灸以外の治療法に活路を見出す、というのが普通だろう。
しかし、
自分が実際に受けて効かなかった→だから鍼灸医学、東洋医学は信じるに値しない程度のものだ!
と考えて、貶めるようなことを周囲に言うのは間違っている。
まして鍼灸師に言うなんて、ケンカ売ってる以外にどう取ったらいいのか、理解に苦しむ。
こういう人というのは、そもそも「鍼灸治療」というもの(前提)に対して、おそらく最初から事実誤認をしている。
鍼灸治療というのは、普通、「その先生個人の考え方に基づいて」なされているものである。
現代日本においては、東洋医学は、ある症状には、こう考えて、こういう鍼をしなさい、などという、西洋医学みたいなガイドラインなんていうものは存在しない。
ちょっと不勉強なんで分からないが、韓国や中国、全世界でも、それはそうなんじゃないだろうか。
各先生が、ある意味では好き勝手に、古典に基いたり、自分の師匠に教わったり、自分が独自に考えたやり方でやって、それなりに効果を上げている。
清明院(僕自身)もそう。
だから、
ある鍼灸院の鍼を受けて効かなかった
↓
「その先生のやり方、考え方、手法」が自分には効かなかった(合わなかった)
という理解が正確なんであって、
ある鍼灸院に行って治らなかった
↓
鍼灸治療では僕のこの症状は治せない
↓
鍼灸治療では他の人のこの症状も治せないはずだ
↓
鍼灸治療では〇〇は治らない
↓
したがって鍼灸治療は信じるに値しない、インチキ医療だ!
という理解(というか決めつけに基づく論理展開)は、正当でないと思う。
しかも何回かしか会ったことのない、鍼灸という仕事を誇りにして生きている事を伝え聞いているであろう人物に会ったときに、冒頭のような言葉が出るのは、
おそらく後者のような理解(というか誤解)を、固定観念としてお持ちなんじゃないだろうか。
(・・・ま、どーでもいいけど。)
それより何より、いくら年長者であっても、あんまり知らない人に対して、その人の生業を馬鹿にしたような言い方が出来てしまう、無礼千万な人間性に、
一大人として、無性に腹が立った。
ああいう人間は、知らず知らず無礼な態度、言動で周囲の人を怒らせ、それが自分に跳ね返り、ストレスになり、勝手に病気になっていくのだろう。
なんやかんや言いながら。
議論をするにしても、不毛になりやすいというか、議論したくない人間だ。
完全に論破されてても、どうせ最後は感情的になり、もの別れに終わったりするパターンだろうし、完全論破してねじ伏せても、何ら考え方、生き方は変わらないだろう。
坂本竜馬は言う。
議論などは、よほど重大なときでない限りしてはならぬと言い聞かせている。
もし議論に勝ったとしても、相手の名誉を奪うだけのことである。
通常、人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えぬ生きものだし、
負けたあと持つのは負けた恨みだけである。
『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)より
この考え方に則って、あんなんでも「一応」知り合いなんで、関係悪化させないために、今後もシカトしようと思います。
・・・はー、しっかし、久々腹立ったわ。
東洋医学とか鍼灸治療というのは、数千年、当たり前にあり続ける、言いかえれば患者の支持を受け続ける、最古の医学、医術なんであって、
そもそも信じるとか信じないとかの対象ではないと、「僕は」思っています。
つまり東洋医学、鍼灸は素晴らしいのは常識であり、あとはその先生のやり方、考え方、手法が、その患者さんに合うか合わないか、だけの話なんです。
自分がどんな経験をしたかしらんけど、人様を貶めることはできません。
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院長の怒りが、ブログの長さに反映されてましたね(笑)。赤い、不細工な顔してって、最高〜(爆)これ、世界発信だからスッキリしますね!
先生本当に腹がたったんですね(笑)
なんて空気が読めないんだ!
でも、何かそのおじさんの気持ち、分からなくもない・・・。
私自身、鍼治療で病気が治らなかったことに加えて、かかっていた先生の「どうだ!鍼凄いだろう!どうだ!俺の鍼は本物だ!」みたいな態度に疲れて治療をやめたので、私もいつか鍼治療はそこまで良くないよーって誰かに言いそうです。
病気が絡むと、感情的になって、無性に誰かにぶつけたくなるから、その親戚の方が治療が上手くいかず、傷ついて、酒が入って、つい先生にぶつけてしまった気持ち、分からなくもないです。
まぁ、誰も得しないんで、そんなことはするべきではないし、私もしませんが(笑)
菜飯さん
コメント、ありがとうございます!
> でも、何かそのおじさんの気持ち、分からなくもない・・・。
> 私自身、鍼治療で病気が治らなかったことに加えて、かかっていた先生の「どうだ!鍼凄いだろう!どうだ!俺の鍼は本物だ!」みたいな態度に疲れて治療をやめたので、私もいつか鍼治療はそこまで良くないよーって誰かに言いそうです。
そうですか。。
残念ですね。
> まぁ、誰も得しないんで、そんなことはするべきではないし、私もしませんが(笑)
鍼灸師、あるいは鍼灸治療の社会的な評価がなかなか上がらないのは、一つにはこういう背景がある、ということは重要だと思います。
菜飯さんのご病気がよくなられることをお祈りします。
ココロさん
コメント、ありがとうございます!
いやいや、これぐらいであれば、大して怒ってませんよ。
もっとヒドイこと言われたり、悔しい経験、山ほどあります。
でもそういうのばっかり書いてたら、愚痴ブログみたいになっていくので、書きませんがね。。。
鍼灸、なかなかの難事業です。(苦笑)
いつかきっと、先生が、その親戚の方を
飄々と治してしまうような気がしますし、
期待しています。
こたさん
コメント、ありがとうございます。
> いつかきっと、先生が、その親戚の方を
> 飄々と治してしまうような気がしますし、
> 期待しています。
そうですね、それが一番ハッピーエンドだと思います。(笑)