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これまでのお話
「訪問鍼灸マッサージ」の現実
「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その2
「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その3
では、続きいきます!!
今日は、
4.鍼灸施術においては、同一部位への施術で、病院の治療との併用が不能
について考えてみたいと思います。
これもおかしな話なんですよねー。。
現在、医師が同意書を書けば、鍼灸治療に保険が適用される疾患は、
神経痛・・・例えば坐骨神経痛など。
リウマチ・・・急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの。
腰痛症・・・慢性の腰痛、ギックリ腰など。
五十肩・・・肩の関節が痛く腕が挙がらないもの。
頚腕症候群・・・頚から肩、腕にかけてシビレ痛むもの。
頚椎捻挫後遺症・・・頚の外傷、むちうち症など。
以上の、わずか6疾患という、鍼灸が有効である疾患、症状の現実と、かけ離れたような設定になっています。(苦笑)
ちなみにWHO(世界保健機構)では、鍼灸治療の適応症としては以下の通りです。
そして、実際はWHOが認めている疾患「以外」にも、さらに無限の可能性を秘めているのが鍼灸医学だ、と、僕は思っています。
それは何も僕だけではなく、僕の友人の先生や、先輩、後輩の臨床でも、現実に証明されています。
そういった世界基準や、現場の実際とかけ離れた、日本の制度。
鍼灸以外にも、いたるところで目に付きます。
・・・まあともかく、現行の日本の医療制度では、なぜか、医師が上記の疾患で、その患者さんを治療をしていた場合、我々は保険では、その部位に治療できない決まりになっています。
(しかも、なぜか鍼灸ではダメで、マッサージであればOKなのです。。。)
たとえば、腰が痛くて歩けないお年寄りから、往診での鍼灸治療の依頼があったとします。
・・・で、同意書を書いてもらって、ほぼ毎日ご自宅まで行ってあげて、一生懸命治療したとします。
しかしその月に、たった一回だけ、そのお年寄りが車椅子で整形外科に行って、腰に貼る湿布をもらってきたとします。
そうすると、僕らの治療の方は、保険請求できなくなります。。。
たとえ、湿布よりも鍼がよく効いて、腰痛が改善していたとしても、です。
そういう、訳の分からない制度です。
(これじゃー誰もやらねーわけだー)
だから、もし鍼灸の免許しか持っていない場合、この往診事業をやるのは、非常に大変だと思います。
(それでも、保険による訪問鍼灸をやっておられる先生も中にはいらっしゃいます)
小泉総理の時、規制緩和で、鍼灸学校は全国に、雨後のタケノコのように爆発的に増えました。
(それまでの約3倍、毎年約1000人の卒業生だったのが約3000人に増加。)
一般の方はあまりご存知ないでしょうけども、この時、按摩マッサージ指圧師と、鍼師、灸師というのは、実は別の資格で、鍼師、灸師の学校は増えたけど、
マッサージ師の学校は増えていません。
これには色々な理由があるそうですが、ここではあえて触れません。
ですから、鍼灸のみの資格だと、往診事業も難しい、自由診療で食っていけるだけの学術を身に着けないといけないけど、研修、インターン制度があるわけでもナシ。
だから、鍼灸師が柔道整復師の免許を合わせて取って、街中によくある「鍼灸整骨院」を開業し、保険を使ってどうにか経営する、というケースが非常に多いのです。
話がそれたけど、もうちょい続く。(苦笑)
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柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ指圧師の3つの国家資格のうち、鍼灸師を単独で持っていると「そんなんでやっていけるの?」とか「変わってる」という風潮が強い気がします。
それだけ鍼灸業界の人間が世間に対していい加減な事をしてきた、と言う事なのでしょうか。もちろん日本の歴史の中で不当に扱われた事もありましたが、それだけのせいに出来ない部分があるのでは…と思います。
ぐっちさん
コメント、ありがとうございます。
> 柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ指圧師の3つの国家資格のうち、鍼灸師を単独で持っていると「そんなんでやっていけるの?」とか「変わってる」という風潮が強い気がします。
同感です。僕のように、持ってて使わない、というパターンもありますが。。。(苦笑)
> それだけ鍼灸業界の人間が世間に対していい加減な事をしてきた、と言う事なのでしょうか。
確かにその面もありましょうが、そう悲観的になることもなく、もちろんいいこともたくさんしてきていると思います。
ただ、いかんせんアピール不足の感は否めないと思います。
一般人が鍼灸に関して目にするとしたら、芸人に罰ゲームでお灸すえたり、コンビニに置いてある『ツボの本』ぐらいなもんです。(苦笑)
正当な東洋医学、鍼灸医学を、あの手この手でアピールする努力が、もっともっと、鍼灸師全員に必要だと思います。
僕も何とか色々やってはいますが、まだまだ努力不足と思っています。
ですので、こういう業界に対する意見は、自戒の念も含めて、いつも書いています。
・・・ま、頑張りましょう☆