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最近、いわゆる「極論本」がチョイチョイ話題になる。
「癌と闘うな」
「病院にかかると死ぬ」
「健康診断は受けない方がいい」
「薬は百害あって一利なし」
といった類の論調。
・・・まあ、あまりにも、患者さんや、そのご家族の意向を無視したような、どう考えても不必要と思われるような治療を重ねた結果、
どうにもならなくなってしまい、病院から見離された患者さんを目の当たりにすると、こういう考え方になびかないでもないが、
しょせん、極論は極論。
「中庸」を忘れてもらっちゃ困る。
『中庸』の名言
『中庸(ちゅうよう)』の定義づけ
中庸の学 参照
〇
少し話が違うかもしれないが、時には、キツイ西洋薬でもって強引にその場の症状を抑えるという方法が、局面を打開する場合がある。
「その場しのぎ」が、「その場だけじゃないしのぎ」になる場合がある。
僕は、アトピーなどの皮膚疾患が、ある時期、何かをきっかけに激烈に悪化したときなんかは、皮膚科受診(ステロイドの使用)を勧める場合もあるし、
疼痛疾患などで夜も眠れないとか、七転八倒して叫びだすほどの疼痛であれば、強力な鎮痛剤の使用もやむを得ないケースがある、と考えている。
どういう場合に、対症療法を優先すべきか。
そして、どういう場合に、西洋医学による処置を優先すべきか。
こういう診断学が、もっと発展すればいいのに、と、思わなくもない。
もちろん、我々東洋医学にも、入院施設があって、24時間体制で3食管理しながらあらゆる治療をやらせてくれるのであれば、
上記のような症状にも東洋医学で十分に対応できるのかもしれないが、現状、我々に提供出来る医療体制の、
現実における限界点の問題がある。
激烈な症状そのものが、患者の不安感に繋がり、その不安感が二次的、三次的な症状を生み出してしまうとともに、
もともとの症状をも、多分に悪化させるというケースがある。
不安と焦りと病 参照
そうであれば、とにもかくにも、まずは症状そのものを何とかしないと話にならない場面があるのだ。
もちろん中庸を弁えた上でだが、ある意味「極論」を取った方がいい場面というのが、臨床現場には厳然とあるのだ。
しかし、だからと言って極論そのものを声高に叫ぶのは、僕的にはあまりいい感じがしない。
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