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これまでのお話
「伝統」とは何か。 4 参照
では続きいきます。
◆続、易の三義
中村天風先生と並んで、近代日本における東洋学の大家と言われる安岡正篤先生の『易と人生哲学』や、『易経講座』の中に、
易の三義について書いてあります。
(本によって書いてあることが微妙に違ったりします。。。(^_^;))
安岡先生は、易について、
「民族が極めて長い歳月を通じて得た統計学的研究とその解説」
と端的に述べ、その上で、易の三義である「変易」「不易」「簡易」を説きます。
(因みに後漢の時代の大儒学者である鄭玄は、”簡易”を筆頭に置いています。意味が深いように思います。)
ともかく、まず第一の「変易」ですが、これは読んで字のごとく「変わる」「変化」という意味です。
『易経』を英語で言うと『The Book of Changes』なんですが、自然界、人生というのは常に変化してやまないものなんですね。
自然界の四季、人生における生老死、水が潤す、火が燃え移り、焦がす、なんかのことですね。
『易経』は、その「変化」について書かれた書であると。
ですから「易」という字の意味は「変化」なんだと。
ただその根本には「不変なるもの」がある。
まあ自然界で言えば、春の後に冬が来ることはないとか、水には火が付かないとかです。
要は「原理原則」というものがある訳です。
変化するものの中の変化せざるもの、これを「易」のもう一つの意味、「不易」と言います。
安岡先生は、「不変」がなければ、「変化」という意識が生じることはない、と説きます。
人間の知恵が発達すると、変化のうちにある、不変の真理を探究し、それに基づいて、変化を意識していく。
そして、変化の原則に従いつつも、自ら変化していく、となります。
しかし、その宇宙万物の変化たるや無限、無窮であり、その意味では、その造化の働きは簡単、明瞭であると説きます。
(ここが分かりにくい!(笑))
ここを竹下的に簡単に説明しますと、まあ要は、変化してやまない自然界、人生、万物の変化(変易)の中に、一定不変の原理原則(不易)を見出し、
それを限りなく簡明に示した(簡易)ものが『易経』であり、その三つの意味が「易」の字義である、というワケです。
(僕はそう考えました(^_^;))
で、これを「伝統」と絡めて考えてみますと・・・、それは次回。(笑)
続く
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