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私ごとですが、小さい頃、スキー教室なるものに通っていたことがあります。


山と温泉しかない群馬にとって、スキーは、ほぼ唯一といっていいレジャーなのです。（苦笑）


まあさておき、そこで先生からよく言われたこと。

「出来るようになってきた時が、一番ケガしやすいから気をつけろよ！」

という言葉。


妙に印象に残っています。


ある程度の斜面に慣れ、スピードに慣れてくると、つい無茶したくなります。


自分よりももっとカッコよく滑ってる先輩の真似がしたくなるんです。


また、自分と同じレベルの仲間を出し抜きたくなります。


まあそういう勝ち気な部分を持った人の方が、慎重過ぎる人よりは上達が早いという面はあります。


・・・しかし、あまりこれをやると、大概転倒してケガします。


場合によっては、大ケガです。


再起不能になることもあります。


今になって、鍼灸も近いものがあるなあ、とよく思います。


東洋医学には、「中工（ちゅうこう）の害※」という言葉がありますが、脈診、その他に慣れ、「鍼で気が動き、病が治る」ということに慣れてきた時・・・。


（※中工の害・・・東洋医学の大古典『難経』に出てくる言葉で、半人前の医者が診立てを誤って、かえって害をなすことを言う。）


これ、非常に危ないと思います。


スキーなら自分がケガするだけだからまだしも、医療は患者さんの体がかかっています。


自分が診れている範疇での、追える範疇での、的確な診断、治療が大事なんです。


そしてその「診れている範疇」を常に押し広げていく努力。


これをせずして、鍼をもってはダメです。


絶対にバチが当たると思います。


自戒も含め、スタッフにもよくよく注意しておかなくては。



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