東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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刺激量の問題 ④(置鍼か単刺か。)

2019.06.15

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これまでのお話し

 

刺激量の問題 ①  

刺激量の問題 ②    

刺激量の問題 ③          参照

 

 

 

◆置鍼か単刺か。  つづき

 

 

前回お話ししたように、北辰会方式はキホン一本鍼。

 

 

刺激は少なく、効果は大きく、一本一本の意義を明確に、説明を丁寧に、慰安でなく、徹底した治療のための鍼を、ということあたりを追求していった結果として、

 

私がたどり着いたのは、北辰会方式でした。

 

 

・・・でもこの一本にも、また色々ある。

 

 

単純に証の虚実に合わせて、随証的に補か瀉か、という問題以外にも、置鍼するのか、単刺なのか、速刺速抜なのか、手技を加えるのか、などなど。

 

「弁証論治」って何ですか?

証を絞り込む

「虚実」って何ですか? 

補瀉               参照

 

 

刺激量の問題 ②で述べたように、刺さないで触れるのみとか、翳すのみ、というパターンもある。

 

 

北辰会方式では基本的には江戸期の杉山流で言われるような手技だったり、中医学で言われるような複雑で芸術的な補瀉手技を加えず、四診の結果、

 

よーく吟味して一穴を選んだ後、そこに目的の刺入深度まで独特の刺鍼法(撓入鍼法)で刺鍼したら、あとはほとんど、置鍼するのみです。

 

 

これは、術者間でのバラつきを出来るだけなくし、医療としての定量化を図る、という狙いがあります。

 

 

手技に拘っていくと、当然ながらよりエレガントなテクニックの追求合戦になっていき、手先の器用な人とそうでない人の間で、大きく治療効果の分かれる治療方式になってしまいますよね。

 

 

それでは結果的に使い手の範囲が狭まります。

 

 

みんなで共有する治療方式としては、結果的に価値の低いものになってしまいます。

 

 

他にも、このことの背景には、老子の言う「無為自然」的に、気を動かす治療上、あまり作為的に手技を加えない方が、かえって患者さんの「治る力」は大きく動く、

 

という蓮風先生の御考えもあるようです。

 

「老子」という人物

「無為自然」を含む記事 参照

 

 

いずれにせよ、結果的に置鍼が基本です。

 

 

でも、置鍼にも置鍼時間があるし、置鍼せずに「単刺」という手法を用いる場合もある。

 

 

また長くなってしまった。。。(^^;)

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 49

2016.04.22

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉 

補瀉 46 北辰会における補瀉

補瀉 47 北辰会における補瀉 2

補瀉 48 北辰会における補瀉 3          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆北辰会の補瀉は、何故ほとんど手技を使わないのか その3(練達自然と無為自然)

 

 

前回、北辰会がほとんど補瀉手技を使わないのは、老子の「無為自然」という考え方に基づいている面がある、というお話をしました。

 

 

しかし、鍼灸治療においての「無為自然」というのは、素人が、ただ何も考えず、ワケも分からずする、という意味ではありません。

 

 

徹底的で的確な診察診断(四診)と、徹底的な学術の鍛錬、修行を踏まえた上で、「無為」を志向しよう、ということなのです。

 

 

ですから老子ではなく荘子の言う「練達自然」を踏まえての、「無為自然」です。

 

 

修行、練習を十分にやった上での自然、これを「練達自然」と言います。

 

(因みに練達自然については、『荘子』養生主篇 第三の庖丁のお話を参照してください。)

 

 

荘子についてはこのブログでも以前紹介しました。

 

「荘子」という人物

『荘子』の渾沌のお話   参照

 

 

ここを変にカン違いして、

 

「北辰会の鍼は手技を使わないから、手指の不器用な俺に向いてるわーー(*‘∀‘)」

 

とか、浅薄かつ短絡的に考えた人は、まあドボンです。(笑)

 

 

失敗のマザーです。(笑)

 

 

結末は見えていると言ってもいい。(゜レ゜)

 

 

蓮風先生は常々、

 

「鍼をするには指の力が重要なんだ!」 

 

と仰り、弟子と指での押し合いをよくやっています。

 

 

また過去には、 ”硬物通し”と言って、堅いものを捻鍼で貫く練習を重ね、ついには鹿の頭蓋骨を刺し抜いたという逸話もあります。

 

 

このように、十二分に修行したうえでの「無為自然」なのであって、ただ適当にやるのとはワケが違います。

 

 

ですので、鍼を練習し始めたら、まずは今生体に気が集まっているのか散っているのか、そういう「鍼先の感覚」というものをしっかりと認識できるようになることがまず第一歩で、

 

次に、捻鍼や雀啄を加えるとそれがどうなるか、とか、そういう練習を重ねることが重要で、そこで身に付いたものは、決して無意味ではありません。

 

 

むしろ非常に大事なことです。

 

 

今年の関東支部の実力強化合宿「順雪会」でも、硬物通しの練習をしました。

 

 

こういうことを大事にする姿勢を忘れないことは、非常に大事です。

 

 

蓮風先生や、北辰会のそれ以外の幹部の先生方の臨床を見ていても、刺鍼後に微妙に手技を加えている場合は、実際にあります。

 

 

もちろん理想は「無為自然」であるけれども、臨床ではどんな場合であっても、そうやって気の動きを絶妙に調整(補瀉)することが出来るかどうか、

 

これが重要なのです。

 

 

ただその手技を加える際(瞬間)に、作為的にやるのではなく「体が勝手にそう動いた」、その結果として、気が正しく動いた、

 

そういう世界に至ることが重要なんだと思います。

 

 

鍼に限らず、多くの、その道のプロ、一流の仕事というのは、そういうものだと思います。

 

 

簡単ですが、北辰会の補瀉は以上です。

 

(医易学的な補瀉に関しては、長くなるんで、そのうち気が向いたら書きましょう。)

 

 

・・・まあ、臨床家は結果責任、どんな美辞麗句、理想論を述べたとしても、治せなかったらそれは単に「ヘタ」だっちゅうことです。

 

 

蓮風先生のお父様である和風先生が、よく仰っていたそうです。

 

「治せる者が医者なんだ、治せない者は医者ではない。治せないなら、医者を辞めた方が人助けだ。」

 

と。

 

(キビシー( ゚Д゚))

 

 

 

 

さて、いよいよこの補瀉に関して、私なりの、今現在における考え、結論を述べて終わりたいと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 48

2016.04.21

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉 

補瀉 46 北辰会における補瀉

補瀉 47 北辰会における補瀉 2          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆北辰会の補瀉は、何故ほとんど手技を使わないのか その2(無為自然)

 

 

補瀉という考え方は、『黄帝内経』の中に貫かれ、数千年に渡る鍼灸医学の中にずーっと貫かれていると言っていい、とても重要な考え方です。

 

 

蓮風先生もかつては、この考え方の淵源は、「孫子の兵法」で有名な『孫子』の虚実萹がもとになっているのだと認識しておられたようです。

 

孫子の兵法 参照

 

 

すなわち、戦(いくさ)です。

 

 

病を、邪気と正気の戦ととらえ、

 

正気を集める、すなわち味方の兵を集めて援軍を送るのが補法、

 

邪気を散らす、すなわち敵軍を積極的に蹴散らすのが瀉法、

 

という考え方です。

 

 

これにも、もちろん一理ありますし、このことは、北辰会が少数鍼治療であることの理由でもあります。

 

(鍼をたくさん打って、むやみに戦線を広げずに、一極集中で確実に勝っていく方法、という意味で。)

 

 

しかし、諸子百家の勉強を進める中で、『老子』77章に、

 

「天の道は余り有るを損じて、而して足らざるを補う。」 

 

とあることに、思うところがあったそうです。

 

 

蓮風先生はこのように、東洋医学は人間学であるから、鍼を持つ者は、あらゆる宗教、哲学、諸子百家思想に、人間理解の論理を学ぶべきだ、

 

と、若い頃から繰り返し説いています。

 

 

老子の思想の根幹部分は何と言っても「無為自然」です。

 

「老子」という人物 参照

 

 

『老子』37章にこうあります。

 

 「道常無為、而無不為」

 

(道(タオ)は常に何事もなさないが、それでいて全てを成し遂げている)

 

「道教」って何ですか?(その16)

「道家思想(どうかしそう)」って何ですか?  参照

 

 

東洋医学は、「整体観」といって、人体も含めて、この自然(宇宙)は完璧に整った統一体である、という考えに基づいています。

 

「整体観」って何ですか? 参照

 

 

人間が生理的で健康な状態、というのは、完璧に整った状態、完成品と定義しているわけです。

 

 

そして、その完璧なバランスが崩れてしまっているのが、我々の言う「病」であるわけで、もともと完璧な統一体(整体)であるからこそ、

 

そこには「治る力(正気)」が備わっている訳なので、鍼灸や漢方薬で「気」を動かし、崩れた人体のバランスを整える(完璧に近づける)ことで、

 

その「治る力」を最大化せしめるのが「治療」なのだ、という考えなのです。

 

 

そして、もともと完璧な自然、整体である人体の「治る力」をより最大化するには、あまり人為的で、作為に満ちた鍼をするよりも、

 

自然に逆らわないように、作為を排した、無為自然的な鍼をした方が、より大きな気の動きを得ることが出来るのではないか、

 

と考えるに至ったようです。

 

 

これが、現在では手技をほとんど使わない、大きな理由の2つ目。

 

 

ただ、無為自然というのは、ただ何も考えずにボケーッと鍼をすることではないし、北辰会は、補瀉における手技を全く否定しているわけでもない。

 

 

 

その話を次回。

 

 

 

続く

 

 

 

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気付いたらそこに鍼が。

2013.05.26

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あれこれ考え過ぎて、頭でっかちな鍼になると、うまくいかない。

(さらに…)

「アンチエイジング」とその周辺

2012.03.22


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近年、女性週刊誌や、美容業界をにぎわす、「アンチエイジング」という言葉・・・。

これは日本語で言うと、「抗老化」「抗加齢」だそうです。

「老化に抗(あらが)う・・・。」

「加齢に抗(あらが)う・・・。」


・・・なんか、あまりいい響きではないように思うのは、僕だけでしょうか。

「アンチエイジング」という、横文字の耳触りの良さ、スタイリッシュさに、騙されてやしないでしょうか。


常に本質を、考えよう。

これは、食生活や生活習慣の改善はもちろん、エステやサプリメント、果てはホルモン療法等、様々な手段で、要は若返ろう、という考え方です。


アンチエイジングを専門にうたった医療機関や、アンチエイジング専門医を名乗る医師もおり、学会もあり、多くの著名人が提唱し、現在その注目度は非常に高く、

 

経済効果から見ても、数千億円市場とも、数兆円市場とも言われるそうです。

もちろん、男女問わず、中年期に差し掛かってきた方が、自分の年齢、老化というものに敏感になり、様々な方法を使ってでも、いつまでも若々しくいたい、と思う気持ちはよく理解できます。

そのために、生活習慣を見直したり、栄養学の観点から、食事療法をやったり、っていうのはいいことだと思います。


しかし、骨粗鬆症にならないためのホルモン注射をしたり、顔の皮膚をしわをのばすためにボトックス注射をするというトコまで行くと、

ちょっと行き過ぎでは、と思ってしまいます。


そう思ってしまうのは、保守的なんでしょうかね・・・、でもきっと違和感を感じるのは、僕だけではないはず。


そこで、今度はアンチ・アンチエイジング」とでもいおうか、「ウェルエイジング」とか、「ウィズエイジング」とか、「グッドエイジング」という考え方が出て来たようです。

(以前からあった考え方のようですが、アンチエイジングブームを受けて、強調されてきだした、ということだと思います。)


これは、加齢とともに、ありのままを受け入れて、その年だからこそ持てる感性で、楽しく、はつらつと生きたらいいじゃないか、という考え方です。

僕としてはこちらに一票、という感じです。

若さって、見た目だけじゃないでしょ、中身も大事でしょ、というか、「考え方」でしょ。

近年、「美容鍼灸」というものが一大ブームみたいになってますが、本来、鍼で、東洋医学でお手伝いできるのは、どちらかというと

 

「”アンチ”・アンチエイジング」

 

の方なんじゃないかな、と思っています。

 


「心身一如」「無為自然」ですからね・・・。

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ラッシュ!!

2011.11.02


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今日のラストはなかなかのもんでした・・・。

(さらに…)

小手先の医療

2010.11.02

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ふと思う。

・・・そもそもなんで、「分ける」のか。

東洋医学では、この全宇宙、当然人間も、「気」で出来ている、という自然哲学を肯定しながら、それを「陰陽」→「五行」と分け、

「五臓六腑」というものを想定し、「十二経絡」というものを想定する。

その12の経絡のそれぞれをさらに4つに分類して考える。

つまり48パターンの経絡の分類をした上、さらに細かい分類をも示唆している。

そして、それだけにとどまらず、8つの「奇経八脈(きけいはちみゃく)」というものをも想定し、

さらにそのそれぞれに、総数においては360以上もの「経穴(けいけつ)」というものの所属と性質を想定する。

西洋医学でも、現代自然科学に「一応」基づき、人体を60兆の細胞からなる、人類の進化の結晶と考え、内臓、筋肉、骨、神経などの、

 

形態や機能の似通った「組織」「系」に分割して理解する。

そして、それらの”形体的異常らしきもの”「病気」とし、その”異常らしきもの””正常らしきもの”に変化させることを以て「治療」と呼ぶ。

両者とも、その認識の上で、実際に病める人間に立ち向かい、それなりの成果をおさめている。

まあともかく、根本哲学は違えども「分ける」ということに関しては共通している訳だ。

・・・ところで何故分けるのか。

 

分けないと分からないからだ。(笑)

 

じゃあなんで分かりたいのか。

 

単なる知的好奇心??

それもあるだろうが、やはり一つには、病める人を治したいんだ、という、医療を志す者の「希求」に応えるためではないか、と思う。

医療を志す者が「患者を治したい」と思う、ということは、とても自然なことだと思う。

(考え方によっては、これが過ぎると傲慢な勘違いを生むのかもしれないが。)

その願いに応えるものが「医学」なのだとすれば、必然的に「医学」においては、人体を「分ける」ことによって病を説明しなくてはならない、となる。

そしてそれを学び、実践するものは、それに対して深い理解をしていなくてはならない。

一面、医学において人体を「分ける」ということの意味は、人体という自然現象を「理解する」ことへの医療者側の欲求の充足ではないだろうか。

そして、何の分野でも、そういうことをやってるのは人間だけだ。

それは、老子の言う「無為自然」には反しないのか。

反しない。(と思う。)

じゃあ何で反しないのか。

こうやってこの問題を考えていくと、なかなか、難しい・・・。(苦笑)


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