東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「春」と「木」と「風」と「肝」

2011.02.08

立春を過ぎれば、

「暑さ寒さも彼岸まで」

なんて言葉が、患者さんとの会話の中に混ざるようになってきて、ぼつぼつ春到来の予感でございます。

立春!!
三寒四温
ちょっとした養生法 参照

 

今日はえらく寒いし、夜には関東でも雪が降るなんて言ってるけど、昨日やおとといなんかは、意外と寒くなかったですよね。

 


また、昨日はけっこう風が吹いていましたが、その風の冷たさ、吹き方が真冬のそれとは随分違ってきたなあ、ということに、敏感な人は気付いたことでしょう。



春→夏→秋→冬→・・・
という季節の循環は、昔からある程度一定であります。

 


東洋哲学では、この「四季」の循環に応じて、人体にどういう影響が起こるかを、非常に理論的に考察しています。

 


なぜならこれは日本人、中国人が農耕民族であったからではないか、というのは、多くの学者さんが指摘するところです。

 


・・・という話を、このブログでも何度か書いています。

雨はなぜ降る?
「東洋医学」と「数学」
「清明」について    参照

 


・・・農耕民族にとって、その年の気候の変化をなるべく正確にうかがい知る、予測する、ということは、その年の収穫の多い少ないを決定づける事項であるため、

 

まさに死活問題であったワケです。

 


まーそれはともかく、1年のうちで「春」という時期は、五行で言うと「木(もく)」に分類され、自然界は樹木が青々と、伸び伸びと繁茂し、

 

また新芽が芽吹く時期でもあります。

 

 


人体も同じように、伸び伸びと繁茂するように気が伸び伸びと動いてくれればなにも問題は起こらないんですが、そうもいかない人にとっては「肝の臓」の働きが必要以上に高ぶりやすく、

 

肝の臓の不調を起こしたり、木の性質を持つ邪気である「風邪(ふうじゃ)」という邪気に侵されやすい時期となる、と考えます。(苦笑)

カテゴリ 「五行」
小麦アレルギー
「花粉症」について(その2) 参照

 


・・・ですのでもともと運動不足や仕事のストレスから「肝の臓」の働きが昂っていることが多い現代人は、この時期、

「肝の臓の働き高ぶり過ぎ病」

とか、

「風邪(ふうじゃ)に侵された病」

になってしまうことが多いのです。


(長くなっちゃいそうなんで今日はこの辺にしときます・・・。)

 

 


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「清明」について

2010.04.06

昨日、4月の5日から二十四節気(にじゅうしせっき)でいう「清明(せいめい)」に入りました。

 


「清明」という時期は、1年の中でも、

「万物がすがすがしく、明るく、美しい頃」

などと定義されています。

(イイネ~♪)

 


別に、ここからとった訳でもないんだけど、当院の名称は「清明院」ですから、何となくこの時期は、ゲンがいいような感じがしますね。(笑)

 


なんかキャンペーンでもやろうかな♪

(笑・・・冗談です。ちなみに清明院の名前の由来については当院の名前の由来参照)

 


二十四節気の中では、「春分」とか「冬至」が有名で、みんな、”何とな~く”知ってますよね?

(全部言える?)

 


・・・そこで、この「二十四節気」ってそもそもいったい何なんでしょうか?

 


1年を24の時期に分けたもの、と言えば簡単ですが、その歴史は?意味は?なにやら気になります。

 


Weblio辞書によれば、「二十四節気」というものの起源はやはり古代中国にあるようです。

 


紀元前、殷(いん)の時代や周(しゅう)の時代に起こり、徐々にまとまっていき、春秋戦国時代頃にはほぼ現在に近い概念でまとまったようです。

 


何で出来たか、と考えれば、ごく単純に言うと、農耕をやる(やらせる?)のに便利だったからではないでしょうか。

 


農耕民族である古代中国人にとって、季節を正確に知る、ということはまさしく死活問題だった筈です。

 


ですから大自然のあらゆるものの変化、とりわけ太陽と月の運行をよ~く観察する中で、必要に迫られて生まれた概念こそが

「二十四節気」

ではないのかな、と、個人的には考えています。

 

(専門家の方、お詳しい方、もしこの理解が間違っていたらご教示ください。)

ちなみに、二十四節気は月ではなく太陽の運行をもとに考えられた「太陽暦」を24に分けるものだそうです。

(月の運行をもとにした「太陰暦」では、農耕には使いにくかったのか・・・。)

 


これの日本においての扱いというのはどうかというと、当然日本は中国とまったく同じ気候ではありません。

 


ですので日本人得意の「アレンジ」を加えて採用しています。

 


例えばうなぎの土用、豆まきの節分、仏事のお彼岸なんかは「雑節(ざっせつ)」といって、日本独特のものだそうです。

 


古くは飛鳥時代には、すでに大陸から朝鮮半島を通じて伝わってきたらしいのですが、徐々に徐々改良され、現在に至るようです。

 


これも調べだすとキリがないので、この辺にしますが、まあともかく、二十四節気によると、毎年4月5日から15日の穀雨(こくう)になるまでは清明1日目、2日目、・・・と数えるそうです。

(だから今日は清明2日目だね。)

 


まあ現代人はみんなが農業やる訳じゃないから、知らなくても普段の生活で困ることはないかもしれないけど、こういうのを詳しく調べていくと、

 

昔の人の賢さ、細かさにはホント驚かされます。

 


何でも電化製品がやってくれて、簡単に情報が得られる今の時代も、善し悪しだな~・・なんて、思うこともあります。

 


と言いつつ、今まさにPCに向かっています。(苦笑)

 

参考サイト 国立天文台 こよみ用語解説のページ

 

 


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ちょっとした養生法

2010.03.31

いや~しかし最近(この3~4日)、異常な寒さですね!

清明院の患者さんでも、

「ここ何年か出ていなかった腰痛が久しぶりに出た!温めると楽。」

・・・とか、

「5年ぶりにカゼひいた!鼻水が止まらない・・。」

とかおっしゃった方がおられました。

以前にも書いたけど、一体、

「暑さ寒さも彼岸まで」

という言葉はどこへ行っちゃったんでしょうか・・・。

まあとかくこういう、時知らずな寒さや暑さがあった時は、体調を崩すことが多いです。

しかしこういう時ほど、「養生(ようじょう)」がモノを言う時もありません。

では、具体的に何をすればよいかというと、それは患者さんによって違うので何とも言えません・・・。(笑)

まあしかし、そう言ってしまっては元も子もないんでネ、参考までに多少の注意点は書いてみましょう。

くれぐれも注意していただきたいのは、ここで紹介する養生法はあくまで参考です。

本来、養生法というのは、患者さん一人一人に合わせて個別に指導されるべきものです。

ですので、実際にお体を調べれば、もっと的確で効果的な養生法を指導してあげられる、ということを前提に、お読みください。

まずこの時期、「春」と言う時期は、こないだも書いたけど、ある意味、1年のうちで最ものぼせ易い時期になります。

(やや語弊がある気もするけど、極端に言うとネ。)

つまり体の「上下のアンバランス」が起こりやすい時期、とも言えます。

またこの時期は、年度末~年度初めの時期ですから、お仕事をされている方なんかは、何かと飲み会の増える時期でもあります。

(歓送迎会ネ。)

・・・ということは、

暴飲暴食+上下のアンバランス

というパターンから、何らかの病になる可能性が高い、ということなんです。

 

(実際に多いパターンです)

今回のブログの冒頭に紹介した腰痛、カゼも、「暴飲暴食」「上下のアンバランス」を起こしていたものに、ここ何日かの「冷え」が重なって起こったものでありました。

・・・ということは、事前に

「上下のアンバランスを整え」、

「飲食を控えめに」

していれば、外界がいかに寒くなろうが、高確率で病気知らず、未然に予防することが出来ます。

ここで、「飲食を控えめ」は簡単(分かりやすい)ですが、「上下のバランスをとる」には一体どうしたらいいんでしょう。

これ、一番いいのは「足を使った軽い運動」です。

散歩とかね。

ただ、これを言うとたまに患者さんに、

「ええ~、そんな時間ないよ~!」

とか、

「無目的にただ歩くのって、超苦手なんですけど・・・。」

って言われちゃいます。

(苦笑・・・都会人のサガなんでしょうかネ?)

そんな時は、せめてもの方法として、「青竹踏み」で足の裏を刺激することをお勧めしています。

これなら簡単に出来るし、時間もお金もかかりません。

しかもこれ、大概の患者さんは、やらせてみると右と左で痛み方が違います。

なのでそういう方にはその「左右差」が整うまで踏んでもらいます。

その左右差が整うまで踏むと、面白いことに、それだけで”のぼせ”がかなり引きます。

それが色んな症状の予防になるんですね。

東洋医学に基づいた、ちょっと工夫した養生法です。

だまされたと思って、やってみて下さい。

意外と効果てきめんな筈ですよ~。

(笑・・・ホントにだまされたりして♪)

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三寒四温

2010.03.04

いや~、せっかく暖かくなってきたと思ったら、先週末ぐらいからまた寒くなっちゃいましたネ・・。

 


ところで昔から、この時期のことを「三寒四温」と呼んでいます。

 


これは、朝鮮半島や中国北東部でも同じような現象があるらしく、3日寒い日が続き、その後4日は暖かい日が続く、
という、7日間周期の独特な現象なんだそうです。

 


これが大体お彼岸(春分の日)ぐらいまで続くので、「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もあります。

・・・ところで我々東洋医学を実践する者にとっては、この時期はやっかいです。

 


なぜなら、人間の体には、暖かい日には皮膚がゆるんで、汗や水蒸気を発散して体にこもった余分な熱を発散し、寒い日には皮膚を緊張させて、

 

熱(陽気)を漏らさないようにするという、いわば

 

「自ら陰陽バランスを調節する」

 

霊妙で重要な働きがあるのですが、これがあまりにも頻繁に、交互に行われると、この働きがついていけず、病になることがあります。

 

 


しかも、春先という時期は気が上にのぼせ易い時期でもあります。

 

これについてもそのうち解説しようと思いますが、この時期によく問題になる「花粉症」なんていう病気は、その典型例です。

 


要は、寒いなら寒いまま、暑いなら暑いまま、であれば、体の調節機能も余裕で対応できるけれども、
これがあまりにも「頻繁で極端」だと、

 

ついていけなくなる人が出てくる、ということです。

 


これの治療を考える上では、発散できずにこもってしまった「熱」にとらわれたり、発散しすぎて冷えてしまった「寒」にとらわれ過ぎると、


治療した翌日の気候いかんによっては、症状を悪化させることがあります。

 


そこで、こういう不安定な時期は、あまり極端な治療はあえてせずに、治療した翌日が暑くても寒くても、患者さんが上手に、スムーズに対応できるような治療を考えなくてはなりません。


(もちろん患者さん一人ひとりに合わせて個別にね。)

 


ここら辺が、この時期のあらゆる病変に対する治療の、難しくもあり、面白いところでもあります。

 


・・・ところで、全然話変わるけど、もう終わっちゃったけど、「ひな祭り」ってなんでしょうかね?

 

 


次回はそのお話。

 

 

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