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第50回 日本伝統鍼灸学会学術大会に行ってきました。

2022.11.13

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10.29(土)~30(日)に行われた、第50回 日本伝統鍼灸学会学術大会に行ってきました!

 

 

 

鍼灸界では、(公社)全日本鍼灸学会に次いで大きい学術団体であるこの学会も、コロナ禍によってなかなか対面開催出来ずにいましたが、今回は対面での開催ということで、久々に参加してきました。

 

(参加申し込みされた方には、アーカイブ配信もあるようです。)

 

 

(一社)北辰会からは29日(土)に、

 

藤本新風代表が実技講演「気・意識と臨床」にて古代鍼に関する講義と実技披露、

 

坂井祐太先生が学術部セミナー「伝統鍼灸の確立に向けて―伝統鍼灸の過去・現在・未来―」

 

奥村裕一学術部長が一般発表の座長として、それぞれ登壇されました。

 

 

そして、初日終了後の50周年記念式典、懇親会では、藤本蓮風会長の著書『経穴解説 増補改訂新装版』が特別賞を受賞されました!!

 

 

2007年に初版が出たこの本は、それまでに数年かけて行われてきた、蓮風先生の人気講義「北辰会方式常用兪穴講義」を纏めた内容であり、北辰会方式の臨床家のみならず、

 

東洋医学独特の概念である「経穴」というものの存在を意識して鍼灸治療を行う、全ての鍼灸師にとって、絶対に外せない本だと思います。

 

 

現在、韓国語に翻訳されていますが、英語版、中国語版その他、全世界で読まれるようになってほしい本だと思います。

 

 

また今回、要請があり、私も実に2015年以来7年ぶりに、30日(日)「学生セミナー」にて実技講演をしてきました。

 

 

大会テーマは「氣と意識―伝統鍼灸の本質に迫る―」ということで、私からは北辰会方式において古代鍼ともう一つの”刺さない鍼”として、打鍼術を披露しました。

 

 

「心持(こころもち)の大事」「三清浄(さんのすまし)」と、術者の意識、内面の問題を非常に重視する夢分流打鍼術。

 

 

 

時間がなくて、なかなか難しかったですが、久々の会場での実技講演、楽しかったです。

 

 

2名のモデルの学生さん、大変有難う御座いました。

 

 

1人目のモデルさんは非常に経過が長い症状であり、その場で劇的に、とはいきませんでしたが、脈や腹など、身体所見に関しては変化がよく、継続していけば良くなっていくだろうという手応えは感じました。

 

 

2人目のモデルさんも、主訴は背部の突っ張り感で、骨の変形も自覚しており、経過は長かったのですが、治療後の変化はまずまずあり、治療した日の夜に以下のような感想を頂きましたのでここに報告します。

 

 

本日はありがとうございました。
 
気が廻り、背中の張りがすっかり取れました。まだ、気が廻っていて気持ちが良いです。
 
 
 
 
 
・・・まあ、個人的にはもっと動かせたなあとか、ああしとけば、こうしとけば、というのはあるので、まだまだ精進が必要ではありますが、ひとまずはうまくいったかな、って感じですかね。
 
 
 
まあ、僕はどこへでも、呼ばれるうちは出ていこうと思っています。
 
 
 
50年目の節目の大会に寄せていただき、関わった全ての先生方に感謝します。m(__)mm(__)m

 

 

 

 

 

 

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10.30(日)第50回 日本伝統鍼灸学会学術大会に登壇します!

2022.10.16

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来たる10.30(日)に、前日の29日(土)から2日間に渡って行われる、第50回 日本伝統鍼灸学会学術大会に登壇します。

 

(50回記念大会とはキリが良いですね。なんか良いことありそう☆)

 

 

鍼灸界では、(公社)全日本鍼灸学会に次いで大きい学術団体であるこの学会も、コロナ禍によってなかなか対面開催出来ずにいましたが、今回は対面での開催ということで、久々に参加致します。

 

(大会ページにはあまり書いてないけど、アーカイブ配信とか、リアルタイム配信はあるのかな・・?? 恐らくあるんじゃないかと思います。)

 

 

(一社)北辰会からは29日(土)に、

 

藤本新風先生が実技講演「気・意識と臨床」にて古代鍼の実技披露、

 

坂井祐太先生が学術部セミナー「伝統鍼灸の確立に向けて―伝統鍼灸の過去・現在・未来―」

 

に登壇されます。

 

 

そして、初日終了後の50周年記念式典、懇親会では、何か良いことがあるかもしれません。笑

 

 

今回、私も実に2015年以来7年ぶりに、30日(日)「学生セミナー」にて実技講演いたします。

 

 

大会テーマは「氣と意識―伝統鍼灸の本質に迫る―」ということで、私からは北辰会方式において古代鍼ともう一つの”刺さない鍼”として、打鍼術を披露いたします。

 

 

「心持(こころもち)の大事」「三清浄(さんのすまし)」と、術者の意識、内面の問題を非常に重視する夢分流打鍼術。

 

 

これは蓮風先生も数十年に渡って、叫び続けてきた内容です。

 

 

今回は不肖私から、私なりの考え方と実践をお伝えできれば、と思っています。

 

 

意欲的で気合の入った学生の皆様に会えることを、今から楽しみにしております。

 

 

 

 

 

 

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8.27(土)、Dr’s Prime Academiaで喋ってきます。

2022.08.23

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今日は告知です!!

 

(笑・・・休む暇もなくいきます!!)

 

 

今週末、8.27(土)の18時半から、医師、医学生のための勉強会「Dr’s Prime Academia」にて喋らせて頂きます!!

 

(後述しますが、私の講義は鍼灸師、鍼灸学生その他の方の、録画版の視聴はOKです!)

 

 

内容は東洋医学における「腹診」の話を中心に、「腹診と打鍼」の実技動画もお見せします。

 

 

 

 

東洋医学の「腹診」は、西洋医学の内科における「腹部診察」とは、まったく異なる世界です。

 

 

東洋医学では、患者さんの腹部(特に腹壁の浅い部分)を丁寧に触診することによって、五臓六腑や気血津液その他、東洋医学独特の生体観において、「なにがどう」おかしくなっているのかを、判断していくわけです。

 

 

数千年の伝統を持つ東洋医学では、そこから得られた所見をもとに、患者さん1人1人の病態を考え、鍼灸を配穴し、漢方を処方するのです。

 

 

また、これまでに何度も書いていますが、この「腹診」というものは、とりわけ日本において非常に重用され、発展してきた診察法です。

 

「腹診」を含む記事 参照

 

 

西洋医学的な腹部診察と、東洋医学的な「腹診」の違い、その二者にどういう違いがあるか。

 

 

また、東洋医学の腹診と言っても、そのやり方、考え方には色々なバリエーションがあります。

 

 

今回は、そういった話を中心に、我々北辰会がベースに置いている、江戸期に興隆した「夢分流腹診」の考え方を中心に説明し、実際の腹診と打鍼の様子を動画でお見せしたいと思います。

 

 

なかなか貴重な機会だと思いますので、全国の医師、医学生の皆様、お申込みはこちらからぜひ!!

 

 

なお、Dr’s Prime Academiaは、医師、医学生限定の勉強会であり、内容もそれにアジャストした内容になっているのですが、私の講義に関しては、

 

多くの鍼灸師の方や鍼灸学生の方から「視たい!」という要望をこれまでに多数頂いたため、別途こちらから申し込んでいただければ、

 

特別に後日、録画版を視聴できるということになりました。

 

 

東洋医学で救われる可能性のある患者さんのため、一生懸命やりますので、皆様ぜひ、御視聴下さい。<m(__)m>

 

 

 

 

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ⑦

2019.02.02

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これまでのお話し

 

「腹哀」という経穴 ①  

「腹哀」という経穴 ②  

「腹哀」という経穴 ③     

「腹哀」という経穴 ④     

「腹哀」という経穴 ⑤         参照

 

 

 

◆『吉田家腹診秘録』ではどうか。

 

 

前回、鍼灸師なら知らない人はいない「夢分流腹診図」において、腹哀穴が位置する「肺先」と呼ばれる部位について、竹下の妄想を少しだけ書きました。

 

 

ああいった妄想関係の話は、実はまだまだ至る所に無数にあるんですが、あまり書くと頭のおかしいやつだと思われそうなので、少しにしておきます。(苦笑)

 

 

しかし、それで臨床をやった結果、うまくいくことが意外と多いということも付言しておきます。

 

 

・・・ところで、蓮風先生が2004年に出版した『鍼灸医学における実践から理論へ パート3』の中で取り上げた、江戸期の腹診書の中に『吉田家腹診秘録』という書物があります。

 

 

これを見ると、蓮風先生の本では、腹部陽明経よりも「内側に」反応のある腹証ばかりが紹介されていることに気付きます。

 

 

陽明経よりも外、とりわけ腹哀穴に相当する部位に反応のある方剤では、呉茱萸湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯の二方剤の腹証だけです。

 

 

呉茱萸湯『傷寒論』に出てくる処方で、中焦をガッツリと温める、現在でも比較的使われる処方です。

 

 

当帰四逆加呉茱萸生姜湯『傷寒論』に出てくる処方で、処方構成は当帰四逆湯+呉茱萸+生姜ですから、簡単に言えば血虚+寒邪+寒飲の者に用いる薬で、

 

中焦を温める働き+補血作用を期待した方剤です。

 

(あまりにも簡単に説明し過ぎで、湯液家の先生方から怒られそうですが。。。(;’∀’))

 

 

中医学ではどちらも「温裏剤」のグループですね。

 

 

温裏する必要があるような場合に、心窩部から季肋部にかけて反応が出てくる部位であると、『吉田家腹診秘録』の著者は認識している、ということです。

 

(因みに、柴胡剤のグループでは、心下は少し下目に、季肋部は少し内側目に描かれているのも興味深いところです。)

 

 

図では、呉茱萸湯は左右対称に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯の方は右のみに出ています。

 

 

吉田家腹診秘録「呉茱萸湯」

 

 

吉田家腹診秘録「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」

 

(↑↑呉茱萸湯の左右対称については、”此の毒左右同”と強調しています。)

 

 

あと、季肋部において陽明経よりも若干外に反応が記載されている処方は「葛根湯毒と陽明の合併の図」、「太陽と少陽の合病の図」、

 

「十棗湯」「桂枝人参湯」「小柴胡湯」「大柴胡湯」「柴胡加桂枝湯」「桂枝加大黄湯」では、脾募よりもやや外側に反応が出ることが記載してあり、

 

これらも場合によっては勘案するべきでしょうね。

 

(細かい解説は煩雑になるので、ここでは避けます。<m(__)m>)

 

 

また上記方剤の多くで、「右側」が強調してあったのも興味深いところです。

 

 

夢分流腹診図においても、右の「肺先」の下外側にのみ「膽」の診処が存在しており、ずいぶん前に書きましたが、五藏六府の中の「胆の腑」の特殊性を考えると、

 

そこに一番近いところに「腹哀穴」が存在していることは、偶然でないと思います。

 

「胆」って何ですか?(その12)    参照

 

 

 

もうちょっと続く

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ⑥

2019.02.01

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これまでのお話し

 

「腹哀」という経穴 ①  

「腹哀」という経穴 ②  

「腹哀」という経穴 ③     

「腹哀」という経穴 ④     

「腹哀」という経穴 ⑤         参照

 

 

 

◆「肺先」の意味。(竹下の妄想(笑))

 

 

夢分流腹診図

 

 

腹哀穴は、日月穴、期門穴(旧説の位置)と縦に並んでおり、鍼灸師とってあまりにも有名な「夢分流腹診図」においては「肺先」と呼ばれる部位の真下あたりに位置する。

 

 

『針道秘訣集』には、「肺先」の説明として、

 

「ここに邪気往するときは息短く喘息、痰出(い)で肩ひじの煩い出る。」

 

と書いてある。

 

 

蓮風先生の『弁釈針道秘訣集』では、

 

「喘息はむしろ脾募に出る、風寒邪が入ると心下に出る、肝の相火、肺先から心下の邪が結びつくと呼吸困難を起こす。云々・・・」

 

とある。

 

 

蓮風先生らしく、原著に書いてあることをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ず実際の現代の自分の臨床と照らし合わせて考えておられることがよく分かるのですが、

 

まあ、「肺先」というぐらいで、臨床的には呼吸器の病変を反映するんだなと、簡単に理解できます。

 

 

ここで当然、じゃあ「先」ってどういう意味??と気になる。

 

 

「先」を軽く字解きすると、諸橋徹次『広漢和辞典』によれば、

 

①すすむ、すすめる

②さき

③むかし、以前

④死んだ、亡くなった

⑤祖先

⑥さきだち、さきがけ

⑦てびき、紹介

⑧さきぶれ

⑨まず、さきに

⑩さきんずる

⑪先生

⑫碁などで、相手よりも先に碁石を下すこと

⑬姓

 

と、非常に意味が多いが、個人的には④の「死んだ、亡くなった」という意味が気になる。

 

 

白川静『字通』によれば、上記以外の意味では

 

①死者

②追い越す

 

という意味があるらしいが、これも個人的には①「死者」が気になる。

 

 

夢分流の創始者である夢分斎先生も、首を絞めたり、口鼻を塞いで、呼吸を止めてしまえば、全く健康な人であっても即座に死ぬ、なんていうことは当然知っていたはずだし、

 

呼吸機能そのものが弱ければ、全身の気血の状態が悪くなり、全ての病気にかかりやすく、治りにくくなる、つまり死に近くなる、ということは当然知っていた筈です。

 

 

僕的には、かねてから、この「肺先」というエリアは、その呼吸機能(肺の臓の生理作用)に大きく関わるエリアであり、そこに「先」という文字をあえて入れたのは、単に

 

「ここは肺の臓の先っぽらへんを示すよん」

 

という意味”以上の”意味が込められている気がしてならないのです。

 

 

「腹哀」という経穴 ③で、小田規矩之介先生の見解として述べたように、腹哀の「哀」の字が「商」に通じ、西方、太陰(経絡で言えば脾肺)を示すということとも繋がって、

 

夢分斎先生禅僧であったことも考えると、西方浄土、この世とあの世の境目、順逆を分ける重要な診どころとして「肺先」「腹哀」を意識して診てしまうのです。

 

 

ある種の重症疾患や難治性の疾患で、肺先に邪が出ていた場合、治療によってその邪が下外方に移動するか、変わらないか、上内方に移動するか、

 

沈んでいくかは、けっこう重大な問題なんじゃないかな、な~んて、以前から妄想しています。

 

 

・・・とまあ、今日の話は、全くの妄想であり、読者の皆様のご批判を頂ければ幸甚と思います。

 

 

割かし、僕の臨床感覚というのは、そういうのが至る所にあります。

 

 

 

もうちょっと続く

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ⑤

2019.01.31

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これまでのお話し

 

「腹哀」という経穴 ①  

「腹哀」という経穴 ②  

「腹哀」という経穴 ③     

「腹哀」という経穴 ④         参照

 

 

◆夢分流腹診で言うと「肺先」に位置する。

 

 

前回、「腹哀」穴のすぐ上には「日月」穴と「期門」穴があり、これらは「膈」と大きく関わる経穴である、という話をしました。

 

 

「膈」については北辰会でも非常に重視していますが、『経方医学』で有名な、京都の江部洋一郎先生の考え方も参考になりますので、興味のある方は読んでみるといいと思います。

 

『経方医学4』小柴胡湯のところに詳述されています。)

 

 

夢分流の腹診では、「腹哀」穴の位置は「肺先」と呼ばれます。

 

 

夢分流腹診図

 

 

さて書こうかな、と思ったら時間が無くなったので、また今度。(゚∀゚)

 

 

 

続く

 

 

 

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鍼灸医学史研究発表会に参加してきました!!

2019.01.15

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1.13の日曜日は、北里大学白金キャンパスで行われた、「第6回 鍼灸医学史研究発表会」に参加してきました!!

 

 

何回目からだったか忘れましたが、ここ数年は毎年参加させていただいております。(笑)

 

 

今回は13時から17時の間に豪華5題!

 

 

最初は日本内経医学会小林健二先生「電脳医学古典の世界」

 

 

小林先生は、鍼灸に関わる貴重な古典の多くをテキスト化し、しかもそれを簡単に検索、コピペ出来るようにしたり、目次を付けて下さったりしている、もはや神のような先生です。

 

 

この先生の御努力によって、論文を書く人は非常に助かっているでしょうし、何かについて調べる時にも、デスクの周りを本だらけにすることなく、サクサクと目的の個所を探すことが出来ます。

 

 

まさに「ひとり大学院」のような先生です。

 

 

今回も凄い内容のお年玉を下さいました。<m(__)m>

 

 

二人目は佐橋桂郎先生「モグサ工場に突撃!」という、ライトなタイトルの御講演。

 

 

日本製の、品質のいいモグサを作る工場も、近年需要の低下等の理由によって閉鎖が相次ぎ、中国の企業に買収されるなんていう現象も起こっているようで、

 

日本独自の高品質のモグサが危うい、ということが分かりました。

 

 

お灸自体は世界に広まってきている筈なので、中国に市場を独占されることの無いように、販路拡大をしないといけませんね。

 

 

また、モグサの原料となるヨモギの収穫時期について、ちょっと興味深いことがあったので、調べてみたいと思います。

 

 

三題目は岡山の吉備国際大学孫基然先生による「考古学上の発見と気の思想の新認識」

 

 

今回、この講演が一番面白かったですね。

 

 

我々が医学の根底に置いている「気」という概念。

 

 

僕もこのブログ上で、これまでに色々書きました。

 

カテゴリ 「」 参照

 

 

まあ、上記に色々書いた内容が恥ずかしくなるほど、孫先生は研究の幅も深さも圧倒的です。

 

(笑・・・まあ、俺のは俺ので、あれはあれで過去の記録として、いいと思っているけどね☆)

 

 

僕はこの日、会場にいらっしゃった松田博公先生と、お酒の席でたまに「気」の哲学的な話になることがあるのですが、松田先生の話にも難しくてついていけないところがあるのに、その松田先生をして、

 

「孫先生の研究量はすごすぎる!!」

 

と言わしめていました。

 

 

この「気」というたった一語から、トンデモナイ壮大な世界に繋がっているんだということを改めて実感しました。

 

 

4題目は神戸の長野仁先生による「新出の『松岡意斎書』による『意仲玄奥』の再検討」

 

 

長野仁先生はもはや言わずと知れた、大浦慈観先生と並ぶ、日本の鍼灸医学史研究のトップランナーです。

 

 

『松岡意斎書』というのは、日本の幕末の考証学で有名な森立之(1807-1885)の曾祖父である森中虚(共行、嘉内 1670~1748)の弟子が書いた書だそうで、

 

「松岡意斎」というのはあの「御薗意斎」のことです。

 

(鍼博士になってから”御園”姓を名乗るようになったとか。)

 

 

『意仲玄奥(いちゅうげんおう)』というのは、森家の4代目である森中虚が書いた書で、森家の初代である森宗純の師匠である「御薗意斎」”意”と、

 

森家の二代目の「森仲和」”仲”を取って、このタイトルが付けられているそうです。

 

森立之という人物   

御薗意斎という人物     参照

 

 

近年、長野先生たちによって、『鍼道秘訣集』以外ではなかなか知ることの出来なかった夢分流打鍼術の流れ、伝承の過程が、徐々に明らかになってきています。

 

 

まだまだ新事実が出てくるかもしれません。

 

 

大変な歴史ロマンですし、その研究から何か、現代の現場の医療に活用できる技術や考え方が隠れているかもしれませんね☆

 

 

最後は内経医学会会長の宮川浩也先生による「”第25回あはき師国家試験 問題93 心下付近に結ぶ経筋はどれか”を考える」

 

 

国家試験というのは、毎年数問は「物言い」のつく問題というのが出ます。

 

 

回答が複数あるんじゃないかとか、問題自体がおかしいんじゃないかとか。

 

 

宮川先生から見て、この問題はおかしい!と思ったようで、実に3年かかって、この問題のおかしさを指摘して下さいました。(笑)

 

 

僕個人的には、手三陰経の経筋は賁(心下:横隔膜)に連なる、と、ぼんやりと認識していたので、大変いい勉強になりました。

 

 

やはり経絡の流注を掘り下げることは、そのまま配穴のヒントになりますので、我々鍼灸家にとっては極めて重要ですね。

 

(特に”膈”に絡む流注は。)

 

 

また、宮川先生の漢字研究の進め方が少し分かって、それが勉強になりました。

 

 

漢字は「形」と同時に「音」も大事ですね。

 

 

特に、僕らが扱うのは数千年前の中国の文献な訳ですから、そういうところに十二分に注意を払わないと、思わぬミスや誤解に繋がりますね。

 

 

・・・しかしまあ、チラッと話が出ていましたが、「歴史言語学」「音韻学」ってのも、これまた奥が深そうですね。。。(苦笑)

 

 

今回、飲み会にも参加させていただいて、孫先生に質問攻めさせていただけたのも良かったです。

 

(笑・・・向こうは迷惑だったかもしれませんが)

 

 

色々、研究材料を頂いたので、暫くは復習しようと思います。<m(__)m>

 

 

新年早々、自分の勉強不足を痛感し、有難い経験をいただきました。

 

 

 

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いよいよ明日!!(゚∀゚)

2018.12.15

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あっという間に、明日は年末恒例のイベント「北辰会関東支部主催代表講演」のお時間です。(゚∀゚)

 

12.16 東京衛生学園特別講演会!!  参照

 

 

しかも明日のテーマは1日通じて「打鍼・腹診」です!!

 

「夢分流」を含む記事

「打鍼」を含む記事    参照

 

 

今年は伝統鍼灸学会でも「打鍼」が一つの大きなテーマでした。

 

 

WFAS以来(まあそれ以前から)、

 

「日本の鍼灸とは何ぞや??」

 

というテーマがそこかしこで叫ばれています。

 

WFAS(世界鍼灸学会)に行きましょう!!

WFAS前日!

WFAS、行ってきました!!     参照

 

 

これの具体例の大きなものが「腹診・打鍼」でしょう。

 

・・・さーて、今年最後の大仕事。

 

(実は来年に繋がる可能性のある大仕事的なものがもう一つあったりするんですが。。。)

 

 

色々、いいこと喋りまっせ~~(゚∀゚)

 

 

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腹診における逆証所見 6

2018.12.13

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これまでのお話し

 

腹診における逆証所見 1

腹診における逆証所見 2

腹診における逆証所見 3

腹診における逆証所見 4

腹診における逆証所見 5

 

参照

 

 

さて、続きいきましょう。

 

 

1.煩渇吐逆腹脹(はんかつとぎゃくふくちょう)

 

黄疸煩渇、吐逆腹脹+不眠、煩躁熱渇するものは2、3日で死す。

 

(浅田宗伯(1815-1894)『先哲医話』に福井楓亭(1725-1792)の言として紹介)

 

 

2.凸臍移動臍(とつさい いどうさい)

 

水腫で腹滿し、凸出するもの、臍を按じて、あちらこちらに移動するもの

 

(原南陽(1753-1820)『叢桂亭医事小言』)

 

水腫の腹、按じて臍が左右に移動するもの

 

(畑金鷄(1767-1809)『金鷄医談』)

 

 

1.黄疸+煩渇、吐逆不眠+煩渇は、何度か診たことがありますが、実に可哀想な状態です。

 

 

鍼しても、薬入れても、まさに焼け石に水、といった感じで、非常にキツイ思い出がよみがえりますね。

 

 

でも、鍼して、その場だけでもスーッと一時的にでも楽になる感覚は、亡くなる寸前の患者さんにとって、大きな救いになるのはなるようです。

 

 

まるで神仏にでも拝むかのようにして、感謝して頂いたことを、今でも鮮明に覚えています。

 

 

2.の臍の位置が不安定になるパターンも、たまに診ますが、これに関しても、最近、(一社)北辰会奥村裕一先生が最近の研究論文で深く掘り下げて下さいました。

 

「江戸期鍼灸諸流派における膏之原・肓之原ー膈膜・募原・心包・三焦との関わりー」2016『伝統鍼灸』43巻1号、および「日本鍼灸古流派の研究―腹診および腹部刺鍼を中心として―」1997『全日本鍼灸学会雑誌』47巻4号

 

 

奥村先生の論文は短い文章の中に、圧倒的な研究量、知識量が凝縮されています。

 

 

何度も何度も読んで、少しづつ理解しましょう。

 

 

また(一社)北辰会では、約40年前の発足以前より、江戸期の夢分流の腹診を参考に、臍には非常に注目しており、以前の蓮風先生の症例でも、

 

事故で意識不明になった患者さんを、臍の際に鍼をして蘇生させた話を聞いたことがあります。

 

 

生命予後に関わるような重症疾患や、ここ一番の時に臍周を使う印象がありますね。

 

 

・・・まあ、人間も、胎児のうちは臍から栄養を受ける。

 

 

人間を果物に例えれば、蔕(ヘタ)のようなものです。

 

 

出生後も、西洋医学的に、解剖学的に何もないから、そこには何もない、とは考えません。

 

 

逆証の患者でなくても、臍が浅いか深いか、歪んでいないか、臍周囲の色や緊張や膨隆の具合などはどうか、これらは東洋医学に非常に大事な所見です。

 

 

 

続く

 

 

 

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12.16 東京衛生学園特別講演会!!

2018.10.19

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昨日、11.24(土)~25(日) 日本伝統鍼灸学会 大阪大会に関して告知しました。

 

 

これを読んだ人は全員来ましょう。(゚∀゚)

 

 

・・・で、告知が続きますが(苦笑)、今日は12.16(日)に開催される、毎年年末恒例の、(一社)北辰会、東京衛生学園特別講演に関して告知します!!

 

 

この特別講演は、かれこれもう10年くらい前から、毎年やっているんじゃないでしょうか。。。

 

 

10年くらい前、ある先生方との呑みの席で、パパっと開催が決まったこのイベント。(笑)

 

 

確か一発目は、北辰会関東支部の設立15周年記念特別講演かなんかだったんですよね。

 

 

以来毎年、藤本蓮風先生をお招きして、普段の定例勉強会とは違う、特別なテーマでの講演会をやってきました。

 

 

去年から、(一社)北辰会の代表が藤本新風先生に代わりまして、今後は新風先生をお招きして行う形になることと思います。

 

 

私はこの講演会に関しては、企画発案者であることもあって、全回で前座を務めてきました。

 

 

今年もやらせていただきます。(゚∀゚)

 

 

今年のテーマは何と、1日通して「打鍼縛り」です!!

 

 

東洋医学は現在、中国が国家主導で推し進めているTCM(現代中医学)をベースに世界中で教育され、広まりつつありますが、日本には、日本独特とってもいい、

 

優れた東洋医学の技術や考え方がいくつかあります。

 

カテゴリ 中医学 参照

 

 

そのうちの一つが「腹診術・打鍼術」でしょう。

 

「夢分流」を含む記事

「打鍼」を含む記事 参照

 

 

今回は午前中に尾崎真哉支部長から「腹診・打鍼の歴史」

 

 

午後一は私から「腹診・打鍼の重要点」

 

 

最後は藤本新風先生による「腹診・打鍼の実技披露」と、日本独自の「腹診・打鍼」を知る上では、この上ない内容になっております。

 

 

そして終了後は忘年会です☆

 

(今年もスペシャルゲストが来ますよ~~!!)

 

 

これ読んだ人は、全員来ましょう。(ΦωΦ)

 

 

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全員ロン毛の講師陣で、お待ちしております☆(*‘∀‘)

 

 

 

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