東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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1月(一社)北辰会定例会東京会場に参加してきました!!

2020.01.28

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1.26の日曜は、高田馬場で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技訓練「腹診、空間診、取穴(天井、申脈)」

 

 

体表観察の中でも難しいと言われる腹診における触り方や手順、空間診における触り方、取穴の繊細さ、少しづつですが皆さんパワーアップしています。(*^^*)

 

 

午後は尾崎真哉支部長による公開臨床「肩こり」

 

 

支部長らしい、非常に落ち着いて、基本を押さえた公開臨床で、皆さん大変勉強になったのではないかと思います。

 

 

北辰会方式では、たとえ主訴が肩こりであっても、肩にたくさん鍼をしたりはしません。

 

 

どういう東洋医学的なメカニズムで肩こりが出ているのかを四診合参で分析し、標本主従を考えて少数鍼治療を行います。

 

 

それがよく伝わったのではないかと思います。

 

 

 

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「体用理論」に関して 2

2019.08.02

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前回のお話し

 

「体用理論」に関して 1     参照

 

 

そもそもこの「体用論」というものの淵源は何なんでしょうか。

 

 

これは、中国哲学の中でも、仏教に由来する言葉のようです。

 

 

岩波の『仏教辞典 第二版』によれば・・・

 

 

◆「体用(たいゆう)」

 

「体」は実体であり本体、「用」は作用あるいは現象、という意味に解されるが、より一般的に言えば「体」は根本的なもの、「用」は派生的、従属的なものを、

 

相関的に意味すべく用いられている概念である。

 

「体用」の概念が仏教に由来するかどうかの議論はすでに南宋の王応麟『困学紀聞』巻一に見える。

 

「体用」を「本・用」とか「本・末」とか「質・用」とかの類似の概念まで広げず、「体用」という語のみの論法、表現のみを問題にすれば、

 

5世紀後半から6世紀に、仏教関係の著作において明白な使用例がみられる。

 

論法としては僧肇(そうじょう 374-414)『肇論(じょうろん)』般若無知論などに見え、表現としては梁代(502-557)の武帝(蕭衍しょうえん)の『立神明成仏義』の沈績の注などにみえる。

 

【用例】「能に体用の事を知るべし。体は花、用は匂いの如し、または月と影の如し。」(世阿弥『至花道』1420年)

 

(引用終わり(抜粋要約 by 竹下))

 

 

なるほど、もともとは仏教の用語な訳か。。。

 

 

花と匂い、月と影とは、世阿弥の表現、サスガ、いいですね。(^^)

 

 

些末な問題ですが、仏教用語として使う場合は「たいゆう」と発音し、それ以外の場面では「たいよう」でいいようです。

 

 

この用語の歴史と理解に関して、東大のチャールズ・ミュラー教授の論文に多岐に渡って詳しくまとめてありました。

 

(いやー、学者さんてのはスゴイね~ そして、これがパッと出てくるネット、素晴らしい。。。)

 

 

ここに、

 

・・・歴史的に見れば、体用は中国に特有かつ典型的な概念で、東アジアに受け継がれてきた三つの宗教「儒教、道教、仏教」のすべてにおいて、

 

哲学的基礎づけを与える構造的枠組みであり、インドやチベットの仏教に対して東アジア仏教を特徴づける第一のパラダイムである。・・・

 

とある。

 

 

・・・うーむ、なるほど。

 

 

この「体用」という熟語そのもののの意味ではなく、「体用」に象徴される考え方(チャールズ先生は”体用パラダイム”と呼んでいる)が、

 

チベットやインドと違う、東アジア独特のものであり、儒、道、仏全てに影響を与えていると。

 

 

とりわけ、これが朱子学理気二元論にも影響を与え、後の朝鮮半島における「四七論争」に連なり、より理解が深まった、というワケですかね。

 

 

16世紀の朝鮮半島における「四七論争」がいかなるものかについてはこちらが参考になったが、うーん・・・まあ、僕がこれをキチッと読めているかどうかは、

 

識者に教わりたいけど、これって要は「理気二元論」「体用」が一元論で語れるか、それとも絶対的な主従や先後などのある二元論か、って話だと思うんですよね。

 

 

僕らからすれば当然、陰陽論と同じ解釈で、

 

「そんなん、二元的一元論でいんじゃね? 場面場面における標本主従じゃね??」

 

の一言に尽きますけどね。。。

 

因みに『理気二元論』に関するこの辺の話は 大濱晧『朱子の哲学』東京大学出版会 に詳しい。)

 

 

ちょっと難しいけど、この辺の話、もうチョイ掘り下げときましょ。

 

(もはや誰もついてこなそうだが。。。(;’∀’))

 

 

 

続く

 

 

 

 

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「温経湯」と「芎帰調血飲」と鍼灸と。  2

2019.07.07

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これまでのお話し

 

「温経湯」というお薬 

「芎帰調血飲」というお薬   参照

 

 

 

◆では鍼灸ではどうか。

 

 

さて、芎帰調血飲的に、肝気を動かして、結果的に血を動かす、みたいなやり方は、北辰会では非常に得意です。

 

 

なんといっても、『黄帝内経霊枢』九鍼十二原(1)の冒頭部分、

 

「・・・余欲勿使被毒藥.無用砭石.欲以微鍼.通其經脉.調其血氣.營其逆順出入之會.令可傳於後世.必明爲之法.令終而不滅.久而不絶.易用難忘.・・・」

 

と、江戸期の医家、後藤艮山(1659-1733)「一気留滞説」を大いに参考にしながら、あらゆる病における「気滞病理学説」を唱え、

 

”鍼でいかに気の停滞をとるか”

 

に腐心してきた北辰会。

 

 

肝の臓を調整する鍼灸の配穴や手法のバリエーションやその詳細については、日本(世界でも、かな?)で一番提示している流派、と言ってもいいんじゃないでしょうか。

 

 

しかし、温経湯に入っている「呉茱萸」という生薬の「暖肝」という方法は、あまりやりません。

 

(・・・というか、それを意識して治療し、よく効いたという症例の話を寡聞にして聴いたことがありません。。)

 

 

「寒滞肝脈」という、寒邪が足厥陰肝経の経脈を阻滞、凝滞させている時に使うわけなので、処方としては大衝や中封にお灸でもするんでしょうか。

 

(選択肢として、ないなあー)

 

 

ですので、実際にやっている、やったことがある、温経湯に一番近い鍼、となれば、打鍼による火曳きの鍼+上腹部への散ずる鍼なんかが相当するかね。

 

 

あるいは、ちょっと変則的だけど、照海にお灸をしてから百会を瀉すとかも、これに相当するものかもしれない。

 

 

北辰会の場合、四診の結果、虚実錯雑、寒熱錯雑でも、そこから標本主従をさらに細かく分析して、どっちに偏ってるかまで考えて詰めて、

 

よりウエイトの大きい方を攻めるのが定石なので、温経湯とビッタンコ、て感じの鍼灸治療はあまりやらないのかもしれませんね。

 

 

「暖肝」、「温肝」、ここはもう少し、実践を通じて研究した方がいいかもしれません。

 

 

漢方の方では、補肝に黄耆、温肝に鹿茸などを使うという考え方もあるようですね。

 

 

生理痛で、鎮痛薬が手放せない人で、疏肝理気する治療でなかなかうまくいかない場合に、温経湯的な考え方が突破口になるかもしれません。

 

 

 

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臨床メモ ③ 不眠

2019.02.18

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眠れない患者さん、よくいます。

 

 

安定剤、導入剤に頼っているケースが大多数。

 

 

暫く使っていると、効かなくなってきたのでと、分量を増やしたり、より強い薬に変えていく。

 

 

雪だるま式に増えていく。

 

 

・・・そうなる前に、鍼灸をお勧めしたい。

 

 

不眠症は、東洋医学では「不寝(ふしん)」と呼んだりする。

 

 

明代の大名医、張介賓(張景岳 1563-1640)『景岳全書』(1624)に曰く。

 

 

不寝はただ邪正の二字すなわちこれを尽くすと知るなり。

 

 

神が安定すれば眠れる。

 

 

神を不安定せしめるものは邪の擾か、営気の不足。・・・

 

 

 

 

と、単純明快に喝破する。

 

 

また、清代の呉鞠通(呉瑭 1736-1820)『温病条弁』(1798)に曰く。

 

 

不寝の原因は甚だ多い。

 

 

陰虚で陽納出来ないもの、陽亢で陰に入れないもの、胆熱、肝気(肝用)不足、心気虚、心陰虚、心血虚、蹻脈不和、痰飲擾心。

 

 

 

 

と、多数のパターンを上げております。

 

 

どっちも正しいと思うが、張景岳先生の「所詮は虚実」という斬り方が個人的には好き。

 

 

標本主従あるけど、心神の関与はあると診た方がいい。

 

 

そして、蹻脈と心神、肝胆と心神に関して、生理と病理を整理するべき。

 

 

その上での「所詮は虚実」

 

 

 

【参考文献】

 

 

『症状による中医診断と治療』燎原出版

 

 

 

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一貫堂医学について 6(温清飲について)

2018.09.14

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これまでのお話・・・

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 1(三大体質五大処方)

一貫堂医学について 2(瘀血証体質について)

一貫堂医学について 3(臓毒証体質について)     

一貫堂医学について 4(解毒証体質について)

一貫堂医学について 5(解毒証体質の続き)   参照

 

 

 

さて、ここまでで、森道伯先生を創始者とする「一貫堂医学」が提唱する「三大体質・五大処方」なるものの基本を説明してきました。

 

 

一応断っておきますが、私は鍼灸家であって漢方家ではないので、漢方薬の処方解説はあくまでも理論面しか出来ませんし、鍼灸臨床に置き換えて説明することしかできません。

 

 

これまでに出てきた漢方薬それぞれ、実際の実践面、臨床面でどうか、というのは、漢方家の先生方にお任せ致します。<m(__)m>

 

 

僕のすべての言説は、あくまでも市井の一鍼灸臨床家の視点からのものであります。

 

 

・・・しかしまあ、いつものことなんですが、こうやって東洋医学の真面目な内容を書いていると、アクセス数が減りますなあ~~。(~_~;)

 

(苦笑・・・みんな、勉強嫌いなのね。)

 

 

・・・でもいいです、めげずに書きます!!<(`^´)>

 

 

書きたいから書く、言いたいこと言う!!(゚∀゚)

 

 

五大処方のうち、前回述べた「解毒証体質」に使われる3つの方剤(柴胡清肝散、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯)は全て、「温清飲」という薬をベースにしています。

 

 

この温清飲は、現代では「アトピー性皮膚炎」の患者さんに使用されていることが多いようです。

 

 

・・・ところが、最初から単純に効いていなかったり、ある程度までは効いていても、途中で効かなくなったり、あるいは途中から悪化していったり、

 

と仰って、清明院にみえる患者さんがチラホラいます。

 

 

これについて、どういうことか考えてみましょう。

 

 

まず温清飲の中身は、当帰・地黄・芍薬・川芎各3.0g、黄連・黄芩・梔子・黄柏各1.5g、だそうです。

 

 

上記の当帰~川芎の部分が四物湯の内容、黄連~黄柏の部分が黄連解毒湯の内容です。

 

 

配合の分量の比率を単純に見れば、「四物湯>黄連解毒湯」と読めます。

 

 

四物湯とは、補血剤(血を補う薬)の代表格で、主に肝の臓の血(肝血)を補う薬だそうです。

 

 

黄連解毒湯は清熱剤(熱を冷ます薬)の代表格で、上焦~下焦まで、三焦に瀰漫した邪熱(実熱)を取り去る薬だそうです。

 

 

ということは、温清飲「肝血虚>邪熱」の虚実挟雑証の場合に使える薬、と考えていいのでしょう。

 

(・・・まあ、そう一概に言えない面もあるかもしれないが)

 

 

だとすると、経過中に「肝血虚<邪熱」のように、主従が入れ替わった時、あるいは「血虚」「邪熱」が解決して、どちらか一方のみの問題になった時、

 

あるいは「陰虚」「気虚」「陽虚」「湿熱」「湿痰」などの、肝血虚や邪熱とは別の病理が主になった時には、サッと方剤をチェンジ(変方)しないと、

 

効かない、あるいは悪化する、という流れになるのは自明です。

 

(または、そもそも最初からこういう診立て自体が出来ておらず、病名や症状のみからテキトーに処方したのであれば、最初からいきなり悪化することもありえます。)

 

 

まあ、臨床上よく見かけるのは、四物湯の成分が中焦を余計に重たくしたり、黄連解毒湯の成分が脾気や腎気を奪ったり、裏の水滞がきつくなって、

 

肌膚に津液が行き渡らなくなり、そのせいで見かけ上は余計に皮膚が乾燥して悪化したり、というようなケースが多いように思います。

 

(熱が取れるはずが、余計に皮膚が乾燥して「なんで??」ってやつね。)

 

 

病気、それも慢性で難治性の病気となれば、こういう、その時々での変化流転は当たり前なので、鍼灸でも、このような失敗をしないために、初診時にキッチリと問診を取っておき、

 

治療に来た現時点での「証」のみでなく、現症に至った「病因病理」をキチンと意識しておくことが大事なのです。

 

「弁証論治」って何ですか?  

再分析(病因病理について)   参照

 

 

とりわけ、皮膚科疾患の場合、中医学でよくいう「皮損弁証」というような、皮膚の状態(乾燥、熱感、発赤、腫脹等々の有無)を意識した診察ももちろん大事ですが、

 

かといって皮膚の状態「のみ」から診たてただけの、場当たり的な処方、処置は実に危険です。

 

 

要は皮膚が「何で」そんな状態になったのか、というメカニズムを考え、時々刻々と変化する患者さんの状態に合わせて、臨機応変に処方、処置を変えていかないと、

 

とてもついていけません。

 

 

アトピーや喘息なんかの場合、そうやって常に先手先手が打てなかったら、普通に負けます。。。(苦笑)

 

 

患者さんから、ヤブ医者!ヘタクソ!アホ!ボケ!カス!!です。。。(苦笑)

 

 

また、この辺の詳しい話は、山口の村田先生のブログが非常に参考になります。

 

(膨大な内容ですが、単語で検索ができるので、漢方薬名や病名で色々検索してみて下さい。あっという間に朝になりますよ。(笑))

 

 

ドラッグストアで簡単に漢方薬が手に入る昨今、ネットで得た情報から、素人考えでサプリメント感覚で服用して大失敗をしていたり、知ったかぶりの西洋医学のドクターから、

 

いい加減な処方を繰り返されて、かえって悪化している患者さんを診ると、実に残念な気持ちになります。

 

 

東洋医学(鍼灸漢方)は医学ですので、それ専門に何年も、何十年も学び、経験を積んだ先生にしか、本当の意味では使いこなせません。

 

 

まずは、せめてそこんところをよくよく理解しましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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「肺胃不和」という証 7

2018.08.27

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これまでのお話

 

「肺胃不和」という証 

「肺胃不和」という証 2 

「肺胃不和」という証 3

「肺胃不和」という証 4  参照

 

 

 

◆「不和」には五種類ある。

 

 

ここまで、僕が臨床上けっこう目にする「肺胃不和」について語ってきました。

 

 

ま、「肺胃不和」という熟語は、『中医弁証学』という本なんかでは「病証」としては紹介されていないのですが、清明院の臨床では「肺胃不和」と証を立てて治療し、

 

うまくいくことは全然普通にあります。

 

(以前チョロッと紹介したね。)

 

最近の症例 ⑤ 慢性扁桃炎、咳   参照

 

 

まあしかし、仮に「肺胃不和」という証が立ったとしても、それで安心はできません。

 

 

今日は最後にまとめとして、それを喋って終わります。

 

 

「〇〇不和」という証は、他にも有名な「肝脾不和」「肝肺不和」「脾胃不和」「肝胃不和」なんかがありますし、似た言い方では「心腎不交」「脾虚胃実」「肝火犯肺」などなど、

 

二つの臓腑にまたがる病(臓腑兼証)、というのはよくあります。

 

 

それどころか、3臓腑、4臓腑にまたがった病というのもあります。

 

 

この時に考えなくてはならないのは、どっちの臓腑がどれくらい悪いか、先に処置するべきはどっちか、という「ウエイト」「優先順位」の問題です。

 

 

肺の臓胃の腑が同時に病んでいて、「肺胃不和」という状況であれば、当然ながら、肺と胃、どっちがどの程度病んでいるか、という考え方は必須です。

 

 

で、これ、大きく分けると5パターンあります。

 

 

つまり不等号を入れて比較すれば「肺>胃」「肺≧胃」「肺≒胃」「肺≦胃」「肺<胃」の5つです。

 

 

この考え方を頭の中で行うことにより、「主従」が明確になり、これにさらに「標本」を考えてタクティカルに治療を進めていくことが出来ます。

 

「標本」を含む記事

「主従」を含む記事    参照

 

 

しかもこのウエイトは固定的でなく、治療効果や患者の養生の状況によって、経過の中で変動してきます。

 

 

それに上手に合わせることが出来ると、治療がスッスッスッといきます。(^^)

 

 

・・・でもこれ、まさに「家庭内不和」と同じで、理論的には簡単でも、実際はなかなか難しかったりします。(笑)

 

 

それを冷静に冷静に、根気よく根気よく、調整するのが我々の仕事だと思います。

 

 

言わば別れそうになっているカップル、夫婦の「仲直らせ屋」みたいなもんですな。(゚∀゚)

 

 

 

おわり

 

 

 

◆参考文献

 

『中医弁証学』東洋学術出版社

『中医病因病機学』同上

『基礎中医学』燎原

『全訳中医基礎理論』たにぐち書店

『基礎中医学』谷口書店

『蔵象学説の理論と運用』創医会

 

 

 

 

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「病理」と「病機」

2016.10.25

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先日告知したように、11.27に、北辰会で喋ります!!

 

11.27、三時間喋ります!! 参照

 

 

今、その内容の細かい部分を詰めている作業中です。

 

 

3時間ももらって、対外的に喋るんだから、せっかくなんで、永久保存版の講義にしようと思っています。

 

(数年前から、北辰会の講義は年に数回しかないので、毎回そういう気持ちでやっています。)

 

 

 

 

ところで北辰会では、中医学の言う「病因病機」のことを「病因病理」と呼んでいます。

 

(これらは、いわば疾病のメカニズムみたいなもんです)

 

 

これに関して、「機」「理」の、字義の違いに触れつつ、こないだ述べました。

 

「理」の意味 5 参照

 

 

要約すると、結局、なぜ北辰会方式では「病因病理」と呼ぶのか、明確な回答は先輩に聞いてもなかなか得られず、

 

「どっちでもエエんちゃう??」

 

とか言われて、

 

「だったら中医学の教科書に合わせて、病因病機と言った方が良いんじゃないすか!?」

 

と思ったりして、ハッキリしないイライラ感みたいなものがありましたが、色々とまとめていると、やっぱり「病因病機」という呼称よりも、

 

北辰会方式では「病因病理」という呼称の方がいい気がしている、という話をしました。

 

 

「病機」というのは読んで字のごとく「病の機序」であり、病のメカニズムのことです。

 

(肝鬱気滞→脹痛、みたいなね。)

 

 

それに対して「病理」というのは、先日書いたように「ある病機の、生理面も含めた、理論的根拠」という意味に解します。

 

(肝鬱気滞を緩めんがための生理的欲求として、甘いものや酒を過食過飲したら、結果として胃熱が生じた、みたいなね。)

 

 

こういう風に、ある症状の背景にある「生理的な欲求」についてまで考えることで、各病機の標本主従が明確になり、病の全体像の「本質中の本質」が把握しやすいのではないか、と考えています。

 

 

具体的に言うと、精神的なストレスの過剰から気機が鬱滞し、肝の臓の病変を起こし(病因→病機)、それを緩めんがために甘いものを過食(病機→生理)した結果、

 

二次的に脾の臓や胃の腑の病変を起こした(病因→病機)という患者がいた場合、肝の病機と脾胃の病機の標本を考えると、本は肝、となります。

 

 

ここで、病因病機のみしか意識しなければ、この症例における時系列的、理論的な標本の判断が難しくなります。

 

 

そして、それが分析出来た上で、四診によって現時点、治療時点における各病機の標本主従を明確にして「証」を弁出して、養生指導も欠かさずに、治療を進めていくのです。

 

 

そうすると、治療の結果、何が動いて、何が動いてないかが分かります。

 

 

因みに、例えば上記のケースで、病因病理の上では「本は肝」であっても、初診時の状況(主訴その他の状況)によっては、「急則治標」で胃の熱から叩く、

 

とかいうケースもあり得るワケです。

 

 

やれ弁証論治派、といっても、ここまで理路整然とやっているところもなかなかないと思いますけどね。

 

 

 

11.27は、イヤというほどこういう話をしてやるうー!!(=゚ω゚)ノ

 

 

 

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全体のバランス

2016.04.29

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 今日、患者さんから、

 

「実はここが辛いんですけど・・・。」

 

と言われた。

 

 

私が説明すると、

 

「実はあとここが・・・。」

 

と続く。

 

 

それでも説明すると、

 

「さらに実はここが・・・、」

 

と始まる。(笑)

 

 

これが患者さんです。

 

 

これでいいんです。

 

 

最初に持っていた症状が変化したから、こういう、「次なる展開」に進むのです。

 

 

ただ、清明院が他と違うのは、メインとなる症状を意識しつつも、そういう諸々の雑多な症状の「本質」を狙って治療を進めていっていることです。

 

 

だから、治療を進めていくと、諸々の不快な症状が一様によくなっていきます。

 

 

これを「本治」と言います。

 

「標本」を含む記事 参照

 

 

 

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やること為すこと弁証論治

2015.09.05

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この一週間、やることが多すぎて、若干、何が何だか分かんなくなりかけました☆

(さらに…)

「切皮痛(せっぴつう)」に関して

2013.10.12

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鍼を刺すとき、全く痛くない(無痛での刺鍼)のがもちろん理想なんですが、毎日毎日やっていると、僕のような未熟者では、

刺すときに若干の痛みを、たまに出してしまう場合があります。(苦笑)

患者さんや、鍼灸学生の中には、

「プロの鍼灸師は、鍼は痛くなく打てて当たり前、鍼してもらって、痛かったらその鍼灸師は下手。」

という認識がよくあります。

ある一定、正しいと思います。

 

「鍼は受けたことはあるけど、痛かったから、二度と行かない!!<(`^´)>」

 

と仰る方がいることは事実です。

鍼灸業界では、常に無痛での刺鍼を実現するために、鍼先の形状や、打ち方など、様々な工夫がなされています。

・・・が、僕は学生時代から、この業界で「名人」と言われるような先生とか、各流派の代表の先生とか、いわゆる有名な先生の鍼を、

片っ端から受けまくりました。

受けてみての感想として・・・、けっこう、皆さん、痛いときあるよ・・・??(爆)

ここで僕が思ったのは、鍼を打つときの痛み(切皮痛)に関しては、もちろんないのが理想なんだが、それより重要なのは、

「キッチリ効かすこと」

「キッチリ患者さんを納得させること」

です。

僕が受けまくった有名な先生方は、たとえ鍼が多少痛くても、キッチリ効果や治療方針に関して実感、納得でき、満足できました。

たとえ、全く無痛でカッコよく刺鍼できたとしても、それがまったく無効だったら、医療としては無価値です。

ゼロ意味です。(笑)

単なるパフォーマンスというか、特技披露です。(゜レ゜)

ですので、鍼は

「痛く無くて、しかも効く」

が理想だけれども、特に

「効く」

「治療方針や治療内容を明確にさせる」

ということからは、決して目を離してはいけない、ということです。

鍼は患者さんを気持ちよくさせるのが目的ではなく、病気を治療するのが目的です。

主従を見失ってはうまくない。

 

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