東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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なぜ「おかゆ」なのか。(その2)

2012.01.10


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前回のお話・・・

なぜ「おかゆ」なのか。 参照

前回、お粥の種類も、いろいろあるよ、というお話をしました。

お粥の「濃さ」も、全粥から三分粥まであり、上澄み部分の液体を「重湯(おもゆ)」といいます。

(興味深いネーミングです・・・。)

炊くモノの種類も、黒米、赤米、粟(あわ)、稗(ひえ)などなど、色々あり、「ナニで炊くか」に関しても、ほうじ茶、緑茶、牛乳などなど、

実にたくさんの種類があります。

我々東洋医学をやるものならば知らない者はいない、聖典のひとつである『傷寒論(しょうかんろん)』という書物の中に、

「桂枝湯(けいしとう)」

 

という、これまた超有名な薬が出てきますが、その薬の説明のところに、

桂枝湯をのませた後は、”熱希粥(ねつきじゅく)”・・・つまり、「熱くて薄いお粥」をのませて、薬の効果を助けるといいよ、

という一文が出てきます。


このように、お粥はお粥でも、熱いおかゆ、薄いおかゆ、トッピングを何にするかなどなど、目的によって微妙に使い分けるのです。

ちなみに1月15日、小正月には小豆粥(あずきがゆ)を食べますね。

また、お粥は必ず体にいいかというと、必ずしもそうではないようです。

流動物であるので、体が弱って食欲がない時に食べやすいという利点、またトッピングによって、足らない栄養を補うことが出来るという利点はありますが、

栄養価としては白米よりも低いし、腹もちも悪いし、噛まずに食べてしまうと、かえって消化に負担をかける側面もありますので、注意が必要です。

いいことばかりではないのですネ。


お粥については、まだ書きたいことがあるので、気が向いたらこの話、続きます。(笑)

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なぜ「おかゆ」なのか。

2012.01.07


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今日は、「人日(じんじつ)の節句」七草粥を食べる日です。


このことについては、ちょうど1年前に、このブログに書きました。

なぜ七草粥を食べるのか 参照

今年は清明院も正月飾りをしましたが、正月って、興味深い風習がたくさんあります。

その中に、人々の健康と大きく関わるモノもあります。

というか、広い意味で「健康」をとらえれば、風習というモノのすべてがそう、といっても過言ではないです。

・・・まあさておき、七草粥の内容と概要については、上記に書きましたので、読んでいただくとして、今日は、

「じゃあ、なんでそもそも”お粥”なのか」

考えてみたいと思います。

七草がイイのであれば、そのまま食えばいいじゃん、とか、おひたしとかでいいじゃん、とか、お腹を温めるならスープじゃダメなの??

とか、こういった「風習」というものに、疑問はつきません。

もちろん、ジャンクフードを食べてるよりは、上記でもいいと思いますが、あえて薬草を「お粥」に入れることに、どんな意味があるのかは、少し気になるところです。

清明院にも、暴飲暴食から下痢や便秘、腹痛などになってしまった患者さんが多くみえます。

僕も場合によっては、治療した後、1、2日はこの”お粥”をすすめることがあります。

このお粥にも、色々と種類があります。

 

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「桂枝湯」という薬

2019.04.09

20190303_194251.JPG

 

 

 

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

 

参照

 

 

前回書いたように、葛根湯は、桂枝加葛根湯麻黄を加えたもの。

 

 

で、桂枝加葛根湯は、桂枝湯葛根を加えたもの。

 

 

今日は

 

「そんじゃ桂枝湯は?」

 

というお話。

 

 

・・・これこそ、まさに漢方薬の王様みたいな薬です。

 

 

出典はもちろん漢代、『傷寒論』でありまして、『傷寒論』のド頭に出てくるのが桂枝湯です。

 

 

また、北辰会会員の必携の書である『袖珍中医四部経典(※)』にも収録されている、清代の名医、呉鞠通の著書『温病条弁』も、ド頭に出てくる方剤はこの「桂枝湯」なのであります。

 

((※)・・・『黄帝内経素問』『黄帝内経霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『温病条弁』がすべて簡体字で収録されている、何とポケットサイズの書。)

 

 

数千年の風雪に耐えてきた名方ですね☆

 

 

『傷寒論』中の桂枝湯掲載の条文を全てここに拾おうと思うと、あまりにも長くなるのでやめますが、これ自体にもとにかく非常に多くの使い方があり、

 

バリエーションも非常に多くある、漢方薬の王様です。

 

 

『金匱要略』にも、栝楼桂枝湯、白虎加桂枝湯、枳実薤白桂枝湯、鳥頭桂枝湯、柴胡桂枝湯と、様々なバリエーションや使い方が紹介されています。

 

 

・・・まあー、それだけ奥が深い薬なので、あまり簡単に語るのは語弊があるのですが、最もポピュラーな使い方は、カゼの初期に使う場合です。

 

 

しかし、麻黄湯とは違って、桂枝湯の場合は汗があります。

 

 

外から邪気が入ったことによって、体の表面における気血の流れのバランスが崩れて、本来出てはいけない汗が、ダラダラと出てしまっている状態です。

 

 

そこで、気血を調和させて、気の流れをよくし、結果的に邪気を散らし、汗を自然に止める薬、という理解が、最もポピュラーでしょう。

 

 

また、以前書いたように、桂枝湯は、服用した後に熱くて薄いおかゆ(熱稀粥)をすすれ、と書いてあることも有名ですね。

 

『傷寒論』の時間指示と電話 参照

 

 

映画『レッドクリフ』で、感染症にかかった兵士に桂枝を煎じて飲ませているシーンがありましたが、三国志の時代から使われる、超有名な方剤です。

 

(映画の中でも孔明が言っていたけど、ああいう重篤な感染症が桂枝湯で治るというワケではないよ。)

 

 

この桂枝湯の様々なバリエーションについても、いつか気が向いたら書きましょうかね。

 

 

 

 

 

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『傷寒論』の時間指示と電話

2017.06.23

20170219_181447.jpg

 

 

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清明院では、カゼひきさんをよく診ます。

 

 

最近も、よく診ています。

 

 

年々、カゼひきさんへの治療効果が、少しづつですが、上がっているように感じます。

 

 

嬉しいことですし、ありがたいことです。

 

 

でもこないだは、自分がカゼひきさんになってしまいました。(苦笑)

 

久々に風邪をひく 参照

 

 

カゼの治療が分かってきたかなーと、気を緩めると、スキが出来ると、ヤられる。

 

 

鍼の神は厳しいです。(苦笑)

 

 

・・・ところで、清明院では、治療に来た患者さんが、症状が出ていようといまいと、カゼの初期であると判断し、

 

治療をしたら、翌日や、場合によってはその日のうちに、電話していただくことがあります。

 

 

治療後すぐに電話してもらうケースでは、大体目安は2時間後です。

 

 

以前は、キッチリ治せたかの確認で、どんなカゼでも2時間後に連絡をもらっていましたが、最近では自信がある場合は翌日に、

 

再感していないかの確認電話をしていただくことが多いですね。

 

 

・・・さてここで、何故「二時間後」なのか。

 

 

それは、『傷寒論』の太陽病上篇、桂枝湯のところに書いてあります。

 

「・・・ 温覆令一時許.遍身漐漐.微似有汗者益佳.不可令如水流離.病必不除.若一服汗出病差.停後服.不必盡劑.若不汗.更服依前法.・・・」

 

まあこの条文は要は、薬を服用してから「一時(2時間)」おきに発 汗の有無を確かめ、発汗していなければ投薬を継続する形で、

 

太陽病の場合は4時間で1日分を服用させましょ、という理解に繋がる内容です 。

 

(上記は安井廣迪先生の解説を参考にさせて頂きました)

 

 

・・・で、その後は、やや間隔を開けて3 − 4 時間おきの服用とし、発汗すれば服 用を停止すると。

 

 

他の処方もこのようにして使用すると、効果がよりよいと 。

 

 

これを鍼に置き換えて考えると、二時間後に電話してもらって、発汗に限らず、どのような変化が起こったか確認、ということになるのです。

 

 

それにより、自分の鍼の威力や、効果の及ぼせた範囲、自分の診たての正確さもよく分かります。

 

 

このように、治療と、その後の変化については、古人が非常に詳細に観察して下さっているところなので、現代でも十分に使える知見が沢山あります。

 

 

以前も紹介したように、桂枝湯の後のおかゆ(熱希粥)とかね。

 

「おかゆ」を含む記事 参照

 

 

やったらやりっぱなしはダメ。

 

 

僕ら鍼灸院が、サクッとカゼを治す。

 

 

これ、重要重要。

 

 

超重要。

 

 

『傷寒論』『温病学』、鍼灸学校、鍼灸師の必修科目にするべきです。

 

 

 

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