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2009.12.08
今日は「副作用」のお話し。
「副作用」を調べますと、(公社)日本薬学会のサイト様のこのページよると
病気の治療に関わる主作用に対し、それとは異なる別の作用や有害である作用のこと。
一般的には主作用以外の作用でも患者にとって不都合でない場合は副作用と呼ばないことが多い。
病気の予防、診断、治療に通常用いられる用量で起こる好ましくない反応を有害反応(adverse reaction)と呼ぶ。
医薬品添付文書では副作用の項目に有害反応が記してあり、一般には副作用と有害反応は同じ意味として扱われている。
(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)
とあります。
・・・なぜ、今日はこんな当たり前みたいな疑問を書いたかというと、先日患者さんから、
「漢方薬には副作用がないんですよね?」
という言葉を聞いたからです。
まあコレ、良く聞く言葉なんですが、僕は大体、
「ん~ないわけじゃないんだけど、要は西洋薬よりも体に優しいものが多いんですよ~。」
なんて答えることが多いです。
・・・しかしこれもねー、正確に答えようとすると、
「東洋医学には、もともと“副作用”という考え方そのものがないので、漢方薬を飲んで症状が変わらない、あるいは改善しないで、不快な症状が現れた場合は、
最悪、”間違った処方”である可能性もあります。
また、最初の症状が良くなって、別の症状が出てきた場合は、初診の時とは体の状態が変わったということですので、別の処方に変えてもらう必要があるかもしれません。
また、副作用と似て非なる考え方で”瞑眩(メンケン)”なんていうものもあります。云々・・・」
となります。
・・・なんか、小難しい感じしちゃいますよね!?
(苦笑・・・僕が患者さんなら、説明中に寝てしまいそうです。。。)
ですので、上に書いたような、ちょっとぼかしたような答え方をすることが多いんです。
(そもそも、薬に関して口出しできる権利は我々鍼灸師にはありませんし、業務範囲外になります。)
東洋医学ではいわゆる診断名のことを「証(しょう)」といいます。
この「証」は同じ人の同じ病気でも、その場、その時の体の状態によって変わってきます。
東洋医学の医者はその「証」を東洋医学独特の「診察法(四診術と言われます)」によって絞り込み、よし、現段階ではこれで間違いない!と思われる処方をします。
このように、「証」を考えて、論理的に治療を進めるやり方を「弁証論治(べんしょうろんち)」といいます。
要するに、その時その瞬間の患者さんの状態に合わせて、病全体の成り立ち、仕組みを意識しながら、東洋医学の世界観の中で論理的に治療を進めていくわけですね。
漢方薬にしても鍼灸にしても、たまにステレオタイプ的に「副作用がない」と言われる所以は、漢方薬、鍼灸を用いる際の土台となる、東洋医学自体に
「副作用という“考え方”そのものがない」
からなのであって、決して、
「東洋医学なら、鍼灸でも漢方でも、どんな治療をしても悪化しない」
とか、
「どんな治療内容であっても、体の害にならない」
訳ではないのです。
漢方でも鍼灸でも、「証」を間違えて処方、施術すれば、悪化することもあるし、体の害になることだって当然あります。
また、主訴(メインの症状)は取れたけど、他の症状が出てきてしまった、なんてこともあり得ます。
ちなみに余談ですが、たまにまことしやかに言われる
「漢方には即効性がない」
というのも、大きな間違いで、キチッと証にあった漢方薬を飲めば、飲んだその場で症状が楽になるなんてことはざらにあります。
(もちろん病気や症状によりますが)
中国の古典では、生半可な知識、経験の医者が治療にあたり、患者さんを悪化させてしまうことを、
「中工の害(ちゅうこうのがい)」
といって、キツく戒めています。
・・・ですから、漢方だから、鍼灸だから無条件にいい!というわけではなく、正確に「証」が立てられる先生が使うから、これらの効果が最大限発揮でき、その結果、
「東洋医学っていいもんだよね~。効くよね~(^O^)/」
となるわけです。
一般にしばしば言われる、
「漢方薬は副作用がないからいいんだけど、即効性がなくてね~・・。」
とかいう風に、漢方薬を間違った理解で位置づけてしまうのは大変もったいない話だと思います。
(副作用がない=×、即効性がない=×ですね。。。)
これを言うなら、
「間違った認識が蔓延しているんで、もっと漢方薬をビシッと使いこなせる先生が増えてくんないかな~」
と、現状を憂うのが正確な認識だと思います。
なにせ、シップやうがい薬、ビタミン剤等のサプリメントと同等に扱われる時代ですから・・・(苦笑)
ちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたが、僕も、今よりももっともっと、「鍼灸をビシッと使いこなせる」先生になりたいと思っています。
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