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前回のお話
「四逆散」というお薬 参照
この「四逆散」という薬を何でこんなにフィーチャーするかというと、蓮風先生の話の中によく出てくるんですね。
蓮風先生の実技デモなんかで、刺鍼しながら、
「この鍼は四逆散の効果を狙っています。」
とか、よく出てくるんです。
そして、私自身の臨床上でも、そういう考えで鍼をすることが少なくない。
ですので、この薬について深い理解をしておくことは重要です。
・・・という訳で、前回は和田東郭先生の解釈と症例を紹介しましたので、今日は他の先生の見解を見てみましょう。
現代でもコンビニで売ってる”浅田飴”で有名な浅田宗伯先生(1815-1894)は、このように述べています。
『傷寒論』の四逆散の条文は、熱厥(熱がこもったことによって気が巡らない状態)の軽いやつのことを言っています。
四逆散の状態は、真武湯の状態に似ています。
『傷寒論』の中の、四逆散が出てくる章である、「弁少陰病脉証并治」というところは、少陰病の色々なパターンを示しています。
熱邪が内に籠って、うまく発散出来ずに、結果的に四肢が冷えるときは、水気までもが籠ってしまって、気血の滞りを助長するので、
下痢になったり、咳が出たり、動悸が出たり、小便が出にくくなったり、腹痛になったり、渋り腹になったりするわけです。
ここで、咳とか動悸とか小便の症状は真武湯に似ています。
腹痛とか下痢は四逆湯に似ています。
ただ、渋り腹の症状のみは、真武湯とか四逆湯の状態では出ない症状なんで、渋り腹があれば、熱厥と考え、
四逆散だと判断していいのです!
考えてみると、四逆散とは四逆湯と同じく、手足逆冷を治す薬です。
ただし、四逆湯は寒厥を治し、四逆散は熱厥を治す。
同じ四肢逆冷でも、その原因が違う時に使い分けるのです。
そして、四逆散は大柴胡湯の応用バージョンなんで、邪を散らし、気を通じさせる効果がメインなのです。
『傷寒論識』より抜粋意訳 by竹下
と、長々と述べております。(笑)
まあ、四逆散は真武湯とか四逆湯とかと似てるけど、原因が違うんだから、誤診するなよ!ってことです。
四逆散は熱、四逆湯は冷えね。
四逆散は気の停滞の実、四逆湯は陽気の虚と。
「四逆散」というお薬 3 に続く。
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「少陰病、二三日已まず。四五日に至って、腹痛し、小便利せず、四肢沈重疼痛し、自下利す。その人或いは咳し、或いは小便利し、或いは利せず、或いは嘔する者は、玄武湯これを主る。」
の中の「腹痛し」という言葉通り、真武湯にも渋り腹は十分に考えられると思う。
真武湯には、筋膜痙攣を抑える芍薬が配合されているので渋り腹にも有効のはず。
実際の臨床でも真武湯証で渋り腹の所見は何度も経験したこともあります。
四逆散は、やはり気滞から生じた三焦を構成する筋膜の痙攣から起こった症状に対して用いる方剤であり、その痙攣が起こった部位によって多彩な症状が出現するということ。
真武湯は腎陽虚のために水湿を運化できず蓄積した虚寒+水滞によって生じた症状に用いる。
それと四逆散が熱厥に対しての方剤とするなら、傷寒論中の他の柴胡剤には大抵含まれている黄ゴンがなぜ配合されていないのだろうか?
その辺りまで考えると四逆散とその他の柴胡剤の違い、四逆散の新たな一面が見えるかも!
廣田漢方堂薬局さん
連続コメントあざす!
読んでくれているようで、うれしいです☆
>真武湯にも渋り腹は十分に考えられると思う。
いやいや、これはまあ、『傷寒論識』の浅田宗伯先生の言だから、僕がそう考えてるわけではないので、まあそう焦らず。。。(苦笑)
僕もこれ最初に読んだとき、正直、
”うーん、ずいぶん言い切るなあー、浅田先生。。。”
と思いましたけど、これからいろんな人の見解を紹介していって、最後にまとめますよ。
でもまあ、実際の現場での四逆散という方剤の使い方や生の声については、漢方家の立場から、三知郎先生のブログでぜひ補足しといてくださいね~~\(^o^)/
漢方鍼灸に興味、理解のある読者みんなが勉強になることと思います。
厳密にいうと、真武湯の中の芍薬は筋膜緊張を緩める側面を出すというよりも、どちらかというと腸管内にたまっている水湿を利小便させるために使っているのではないかと思っているんですがね。。。
『神農本草経』には芍薬の効能として「利小便」と書いていますので。。。
これ案外知らない人多いよ。
四逆散については有くんのブログで、四逆散が完結したら、また僕の店のブログで考察かけときますわ。。。
廣田漢方堂薬局さん
はーい!
是非宜しくお願いしますね~~(*‘∀‘)
漢方薬の臨床的な使用方法とかは、僕に書ける内容じゃないんで、
今後もミチローさんにお任せします☆