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これまでのお話
では続きいきます!!
ここまでで、四逆散という超有名な薬に関して、和田東郭、浅田宗伯の見解を示しました。
さて今日は、また違う人の見解を見てみましょう。
今日は目黒道琢(めぐろどうたく 1739-1798)先生です。
まあこの先生は、和田東郭や荻野元凱と同時代の東京(江戸)にいた、超秀才、研究熱心バリバリ!みたいな先生です。
彼が言うには、
四逆散の状態とは、みぞおちが常に痞え、両肋骨下が、ガチガチに張って凝り、左脇腹が特に甚だしく、みぞおちの凝りがきつすぎて、
胸の中までも痞え感、膨満感を感じ、何となく胸中が不快で怒りっぽく、或いは肩とか背中が張って、或いは背中のみぞおちの裏あたりが張ったりします。
これらは、肝鬱(肝の臓の機能亢進)の症状です。
こういうものに、四逆散を使うといいです。
最近、肝鬱の人が多いので、四逆散の合う人が極めて多いです。
和田家(和田東郭の一派の事と思われる)では、慢性症状の病人を百人治療すれば、五、六十人は此の方に加減して用いると、
弟子が言っています。
水分の動きが強い証は、山薬、生地黄を入れると有効という。
私も、よく四逆散を用いて、いい成果が上がってます。
また、疝気(急性の腹痛)にも、四逆散の適応症が多いです。
『餐英館(さんえいかん)療治雑話』より抜粋意訳 by竹下
・・・だそうです。
同年代(5つ下)の和田東郭のやり方を参考にしているあたり、この時代は和田東郭がかなりリード的な存在だったようですね。
肝鬱(精神的なストレスによって、肝の蔵の機能が更新している病態)は、現代人にも非常によく見受けられる病態です。
これに対して、応用的に四逆散を使っていたのですね。
しかし、和田東郭の患者100人中5,60人は四逆散加減だったとは、興味深いところです。
江戸の平和に思える町民文化は、意外と人間関係によるストレス社会だったのでしょうかね。。。(苦笑)
肩こりと東洋医学 7 参照
「四逆散」というお薬 4 に続く
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