東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「尺膚診」について 3

2015.09.11

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これまでのお話

「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2
                            参照

 



では続きいきます!


 

◆『黄帝内経 素問 平人気象論』における尺膚診の記載

 


さて、本日は我々のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』です。

 



『黄帝内経』は、ザックリいえば約2500年前くらい、春秋戦国時代に複雑な経緯で纏まり始め、前漢の時代(BC206~8)にはその原型は編纂されていたと言われ、

 

『素問(そもん)』81篇、『霊枢(れいすう)』81篇、合わせて162篇からなる大著であり、ここに書かれた内容、理論が、

 

その後の東洋医学(中国伝統医学)の基本になっております。

 

(専門的な詳しい考証に関しては真柳誠先生の『黄帝医籍研究』汲古書院がいいと思います。)

 


言わずと知れた、東洋医学をやるものにとって、必要不可欠な、聖典のような本です。

 



この中の、『素問』の18篇目である”平人気象論(へいじんきしょうろん)”という篇の中に、尺膚診に関する記載が出てきます。

 



因みにこの、”平人気象論”という篇名の意味ですが、”平人”というのはいわゆる健康な人のことを指し、”気象”というのは

”気(ここでは脈の打ち方を主に指す)”



”形象(けいしょう・・・ここでは脈の形)”

のことであり、健康人と病人の脈の打ち方を主に比較検討した篇だから、”平人気象論”と言います。

 


ここに、

尺熱するを病温という。尺熱せず、脈が滑は病風という。

とか、

臂(ひ・・・前腕のこと)に青脈が多いのを脱血という。

 

尺が緩で脈が渋なものは解㑊(異常な疲労感)という。

とか、

尺が渋で脈が滑は多汗という。

 

尺が寒で脈が細は謂うなれば後泄(下痢)という。 

 

脈も尺も(粗い感じ)で常に熱きものは熱中という。

 


てな具合に、脈の打ち方(脈診情報)と合わせて、前腕の状態から、病態を把握する方法があったことが書かれています。

 



『黄帝内経』の中の尺膚診の記載は他にもあります。

 




続く

 




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