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・・・「気」「陰陽」ときて、今日は「経絡」について書こうと思います。
「陰陽って何ですか?」のところでチラッと述べましたが、「経絡」というのは、ごく簡単に言えば
「体を流れる”気”の主な通り道」
です。
その通り道の上にあって、「気」の流れを調整するのに役立つ点を「経穴(けいけつ)」というわけですね。
・・・まあ最近、コンビニに売ってる本なんかで、『〇〇に効くツボ大事典』とか、『~ツボダイエット』とか、
ヒッジョーに、ある意味安っぽく、ある意味キャッチーに、経絡や経穴が扱われています。(苦笑)
どこそこのツボを押せば、間違いなく〇〇の病気が治る、とか、どこそこのツボを押せば、間違いなく痩せる、とかが、もし本当ならば、僕らはとっくに億万長者です。(苦笑)
この世に病気の人なんか、いなくなりまっせ?
我々、真剣に、医療として、東洋医学をもって病気と向き合おうとしている者にとっては、「経絡」や「経穴」というものがあまり軽々に扱われるのは心外です。
これまで、このブログで、古代中国の自然哲学では、この世のすべてのものは「気」から出来ていると考え(気一元論)、その「気」を「陰陽」の2つに分け、
それらがうまいことバランスをとることによって、あらゆる自然現象の「変化」を説明、理解したんだよ(太極陰陽論)、というお話をしました。
その「自然現象」には当然、人間のあらゆる活動(食べる、寝る、排泄するetc..)も含まれます。
これら一つ一つについても、東洋医学では細かく細かく、微に入り細に入り、説明されています。
どのように細かく説明されているかと言うと、人体のあらゆる器官(内臓、皮膚、骨や筋肉、目や耳などの感覚器)と、「経絡」というものを上手に結び付けて、
体の表面に出ている(というより体の表面からうかがい知ることのできる)様々な情報を、これでもか、と言うぐらい詳細に観察し、
そこから体の内部の機能(何が起こっているのか)を予測して、ひとつひとつ説明しています。
これは「蔵象学」とも言われ、昔から中国にある、「表をもって裏を知る」という、大変優れた考え方です。
『黄帝内経』はもちろん、有名な『管子』にも書かれているこの考え方は、現代でももちろん通じるものです。
・・・このことをもっと活用することが、実は現代の医療においても大変重要なんじゃないかと僕は思っています。
過剰、あるいは不必要な検査等によって患者さんにかかる肉体的、精神的、経済的負担を考えた時、このような考え方を最大限活かせば、
患者さんの負担をかなり軽減してあげることが出来ます。
もちろん、医療費削減にもつながるでしょう。
まあ、話がちょっとそれましたが、まとめますと・・・
1.東洋医学の言う「経絡」というものは、「人体における気の主な通り道」
2.人間の正常な状態(「陰陽」のバランスがとれた状態)を保つために必要不可欠なもの
3.経絡上にある特異な反応点である「経穴」を鍼や灸で刺激することによって、結果的に「気」の流れが調えば、体全体の気の流れの「陰陽」のアンバランスが調って、
正常な状態に近付くため、病気を治す力が最大化する、というわけです。
・・・簡単でしょ?(笑)
これが大まかに言った場合の、東洋医学の疾病観です。
このように、ごくシンプルな疾病観を持ってるから、逆に、どんなに複雑怪奇な病にも対応可能なんです!
病人における体全体の気の「陰陽」のアンバランスというのは、その人のもともとの体質や、病気の種類によっても違います。
また、時期によっても、地域によっても、さらには同じ人の同じ病気であっても、その場その時によって、違ってきます。
(ここらへんが難しいところなんです。)
「東洋医学」というのはそういう難しいことを、非常に分かりやすく、きれいに分類し、整理整頓して、実際に医療を行う者のため、ひいては患者さんのために、
極力運用しやすいような形で、何千年もかけて、上手にまとめてくれてあります。
・・・まあ、やればやるほど、勉強すればするほど、考えれば考えるほど、コレ(東洋医学)最初に考えた人って、一体何者だ!?凄すぎる!!と思います。
先人のそういった苦労には、ほんとに頭が下がります。
「経絡」って何ですか?(その2) に続く
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