東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「肝」って何ですか?(その5)

2010.05.06

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)

「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)


 

◆肝は筋(きん)と関係が深い(補足)

 


これは上記(その3)で述べたんですが、今日はもう少し詳しく説明してみましょう。

 


・・・まあコレは、結局のところは(その3)で言ったように、筋を養っている主なものが「血」であり、それをためこんで配分調節しているのが肝だから、という話な訳です。

(笑・・簡単に言い過ぎでしたかね?)

 


ここで注意したいのは、いつも言うように、「筋」と言っても、西洋医学の言う「筋肉=muscle」と、東洋医学の言う「筋」は違うよ、ということです。

 



ここは大事なトコなんで、今日はここをちょっと説明しておきましょう。

 



以下の説明では、キチッと区別するために西洋医学の言う筋肉に関しては”筋肉”、東洋医学の言う筋に関しては”経筋(けいきん)”と表記します。

 



混乱しないでネ。(*^_^*)

 


東洋医学では経絡(けいらく)とよく似た考え方で、「経筋(けいきん)」というものの存在が考えられています。

 


この「経筋」に関する「経筋学」というのは、西洋医学の言う「解剖学的、組織学的な筋肉学」とは”全然”違います。

 


そもそも人間の動作、というのは、一つの筋肉の収縮のみによって起こっている訳ではございません。

 


ある動作にかかわる、あらゆる筋肉が同時多発的に収縮、弛緩しながら、なめらかな人間の動作を、とても巧妙に作っています。

 


そしてその動作には、一定のパターンがありますよね?

 



例えば肘や膝を、いつも曲げる方向とは反対の方向に自由自在に動かせる人間はいませんよね。

 



無理に曲げようとすれば当然「骨折」です。


(笑・・ちなみにこの仕組みを利用して考え出されているのが、格闘技の”関節技”です。)

 



その、動作のパターンを考えて、あらゆる筋肉を一まとめにして、言わば、

「運動機能のパターン別のグループ分け」

をしたのが、東洋医学の言う「経筋」というものです。

 


このグループ分けは、全部で”12パターン”ありまして、実は「経絡」と同じ数でまとめられています。

(経絡については以前、
「経絡(けいらく)」って何ですか?で少し述べましたのでご参照下さい。)

 


しかもその流れ、要は12経筋それぞれが受け持つエリアも、12経絡のそれとかなり似ています。

 


こう考えることによって、内臓の機能と運動器の機能の関連性を見出すことが出来、

「人間のからだのしくみ」

というものを考える場合、非常に全体に統一性が出てきて、色々考えやすい訳です。

 



西洋医学が人体を細胞に分け、果ては遺伝子、原子、電子まで、何しろ「分割」しまくろうとするのに対して、東洋医学は一応、

”理解するために”

分割はするけども、必ず最終的には常に「一つ」にまとめようと考えます。

 

 

局所の異常であっても、それはあくまでも分割不能な「全体」の不調和の結果なんだ、という考え方です。

 

 

これが徹頭徹尾貫かれていることが、東洋医学の最大の特徴であり、長所であり、ある場面においては短所でもあると思います。




なぜ、東西でこのような違いが生じるかについては、いつかまた述べましょう。

(苦笑・・・コレがなかなか大変なテーマなんだけどね。。でも僕なりの考えはあります。)

 


・・・まあとにかく、この「経筋」というものがスムーズに、異常なく動くために必要不可欠なものが「血」であり、それを蔵してて、

しかも全身への配分を調節しているのが「肝」なんだから、「肝は筋と関係が深い」と言える訳です。

 


今日の話に対して、意地悪な質問をするとすれば、

「へえ~、じゃあ東洋医学って、医者が分かりやすく人間の体を理解するために考えた、あいまいな仮説の集合体ってことですか?」

という質問が浮かびますが、この質問に対しては、僕なら、

「そうです。それが何か?・・・じゃあ西洋医学はそうじゃないんですか?2者の違いを分かりやすく説明して下さい。」

と、”意地悪な”逆質問をしますね。(笑)

 


・・・まあ、ていうのは、究極、あいまいな仮説の集合体であるのは、西洋医学も東洋医学も「同じ」ではないでしょうか。


(竹内薫氏の『99.9%は仮説』っていう良い本がありましたね)

 

 

西洋医学で出来ることも、東洋医学出来ることも、限られている。

 



でも、どちらも実際に一定の臨床効果を挙げており、現状ではどちらも限界はあるにせよ、

「病む人体の真実」

の、ある部分は捕まえているんじゃないか、と僕は考えています。

 



次回に続く

 




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この記事に関するコメント

“「肝」って何ですか?(その5)” への4件のフィードバック

  1. しゃ より:

    お世話になっています。
    先日は飛び込みで診ていただきありがとうございました。おかげさまで肩が下がりました。
    経筋と筋肉のちがい、体を使っていると常々考えさせられます
    レッスンで、筋トレするときは「筋肉」を鍛えるつもりでやると効率がいいのですが、
    いざ踊るとなると経筋を意識したほうが動かしやすいですし
    なにより見た目に美しいです。躍動感があって。
    筋肉だけの動きはお人形みたいで無機質だなと思います。
    どちらもそれぞれの美しさがあって、選択は好みに拠りますが
    両者の違いを感じるたびに
    東洋医学は今生きている身体をそのまま捉えようとしているんだな~と思います

  2. いんちょう より:

    しゃさん
    コメント、ありがとう!
    > 両者の違いを感じるたびに
    > 東洋医学は今生きている身体をそのまま捉えようとしているんだな~と思います
    そうですね~。僕もそう思います。「人間は動物なんだから動いてなんぼ」ですな。(笑)

  3. しゃ より:

    先生のブログ、おもしろいですね(≧∇≦)
    頻繁に更新されているんですね!また遊びにきます

  4. いんちょう より:

    しゃさん
    > 先生のブログ、おもしろいですね(≧∇≦)
    ありがとうございます
    > 頻繁に更新されているんですね!また遊びにきます
    ・・・あれ?それを御存じないということは・・!?(苦笑)まあ、ちょいちょい遊びに来て下さい!

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