東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「三因制宜」って何ですか?

2010.06.10

昨日、ご夫婦でドイツに旅行に行かれ、帰ってこられた患者さんが、面白いことをおっしゃいました。

 


「いや~、ドイツの空気は乾燥してて、気持ちよかったよ!ドイツビールがうまいうまい!(笑)昼間っからずーっと飲んでたから、いつもの倍以上は飲んだと思うんだけど、

 

不思議と二日酔いにもなんないし、神経痛も出なかったよ!何でかなあ・・・??」


・・・というお話でした。

 


このご夫婦はお酒が好きなお二人で、飲み過ぎから体調不良を起こすことが少なくありません。

 


どうして、こういうことが起こるんでしょうか?

 


まあ上記のケースでは、「旅行」という開放的な気分の中で、いつもよりもリラックスした状態で飲んでいるから、ということが一つは考えられますが、

 

”空気が乾燥している”ということも見逃せません。

 


東洋医学には「三因制宜(さんいんせいぎ)」という考え方があります。

 

 

この”三因”とは・・・



1.因地制宜(いんちせいぎ)・・・場所によって治療法が変わる

2.因時制宜(いんじせいぎ)・・・時(季節)によって治療法が変わる

3.因人制宜(いんじんせいぎ)・・・人によって治療法が変わる

 

この3つです。

 


これは大変有名な考え方で、”オーダーメイド治療”とよく言われる東洋医学の特長を端的に述べた言葉といえると思います。

 


つまり同じ病気であっても、

 

”場所”により、

”時”により、

”人”によって、

 

治療法が変わる、

 


つまりは自然(外界)の影響を受けて、精神的にも肉体的にも、時々刻々と変化するのが人間なんだから、それをよ~く観察し、踏まえた上で、

 

治療にあたりなさいよ、と教えてくれています。

 


冒頭の患者さんも、日本にいる時は外界の「湿気」の影響を受けて胃腸の働きが弱りやすい傾向ですが、乾燥した国に行くと、湿気の影響を受けない訳だから、

 

少々お酒を飲み過ぎても、体に変調が出なくなる訳です。

 


このように、その患者さんが、

 

1.もともとどういう人で(因人)、

2.しかもその症状がいつから(因時)、

3.どこにいた時から(因地)発症したのか、悪化したのか、

 

ということを、一人一人について考えてあげる必要がある訳です。

 

 


それも、東洋医学の独特の考え方に基づいて、です。

 

 



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