東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「正」と「奇」

2011.01.11

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3月に、(一社)北辰会関東支部定例会基礎コースにて、

「奇経八脈総論(きけいはちみゃくそうろん)」

というテーマで朝から2時間、講義をやらせていただきます。

 



「正経十二経」に対して、「奇経八脈」・・・。

 


・・・まあ、鍼灸師なら誰でも知ってて、しかもみんな興味深いテーマなんです、コレ実は。

 


な~んか、いわゆる「秘伝」的な、秘密がある感じがするんですよね、コレ。(笑)

 


また、興味深いというだけで、意外と細かい内容については全然知らない、という先生が多いのも、事実ではないかと思います。

 


なぜ、みんな興味深いのかというと、ベテランの先生や、この業界で有名な先生の臨床をみると、みんなこの、「奇経八脈」に関係する経穴を多用して、

 

難しい病から簡単な病まで、自在に治療していることが多いんです。

 


(一社)北辰会代表である、藤本蓮風先生の治療も、その点、例外ではないように思います。

 



・・・ということで、僕も学生時代から、これには随分興味を持ちました。

 


何か秘密、タネがあるような気がしてネ。(笑)

 


そして、色々調べました。

 

 

すると、なるほど、確かに謎めいた部分はあるようです。

 

 


それも非常に重要な部分が、です。

 

 

歴史上、「奇経八脈」がまとまった形で登場するのは、前漢の時代に著されたとされる鍼灸の聖典の一つ『難経』です。

 

 

そして、その八つの特殊な脈を治療する方法として、八つの経穴が提示されるのは、だいぶ時代が下って、元の時代の『針経指南』です。

 

 

『難経』にも、”なぜこの八つなのか”とか、『針経指南』にも”なぜこの八穴なのか”とか、という理由の詳細までは、書かれていません。(苦笑)

 


初めて言った人の意図や理由がハッキリと明言されていない以上、理論のもともとの根拠が明確にはなりません。

 


ですので、こうなんじゃなかろうか、ああなんじゃなかろうかと、実践に基づいて「仮説を立てること」が極めて重要だと思います。

 


つまり、奇経八脈の登場以降、現在までの歴史的変遷を踏まえた上で、実際の臨床に裏打ちされた、「自分なりの見解を持つ」ことが重要なのではないでしょうか。

 

(机上の空論ではなく、実地臨床に基づいた、です。)

 



(一社)北辰会からは、先日の蓮風先生のブログにもあったように、近い将来書籍が出版されるとのこと。


鍼狂人の独り言 奇経八脈1 参照

 

 

我々にとって、大いに参考になる本が出るはずです。

 


・・・まあ、いずれにせよ大変興味深い。

 

 


学生時代から、今日でも非常に興味深い。

 

 


日々臨床を、やればやるほど、ここは興味深い。(笑)

 



・・・「正」と「奇」という考え方は、古くは紀元前、孫武(そんぶ)という人が書いた、兵法書として有名な『孫子(そんし)』の中に出てきます。

 

 


臨床家にとって、病治しとはまさに戦のようなものなんです。

 

 


患者さんに巣くう病魔との、ガチンコの、待ったナシのタイマン勝負です。

 

 


ぼやぼやしてたら、取り返しがつかないぐらいボコボコにされます。歯を折られます。(苦笑)

 

 


命を取られることすらあるでしょう。

 

 


だから兵法書の考え方が役に立つのは当たり前です。

 

 


蓮風先生もよく、『孫子』「奇」と「正」について、桶狭間の戦いを例に出して説明されます。

 

 

いうまでもなく、今川義元の2万5千の兵に対して、織田信長はわずか2千余りの兵で奇襲攻撃を仕掛け、見事に討ち取り、天下統一のきっかけを作ったと言われる、

 

よくドラマにもなる話です。

 

(・・・まあ、実際は奇襲じゃなかったとか、諸説あるようですが。)

 



・・・ともかく、その『孫子』兵勢の中に、

「およそ戦(いくさ)は、正を以(もっ)て合い、奇を以(もっ)て勝つ」

と、有名な文言が出てきます。

 

明徳出版社『孫子』田所義行 P120 参照

『孫子』は最近、ビジネスマンのための人生哲学書みたいな感じで、色々な解説本、解釈本が出ていますね。コンビニなんかによく置いてありますな。スゴイことだと思います。(゜o゜))

 


さらにこの「正」「奇」の考え方は、『孫子』の少し後、孫臏(そんぴん)という人が書いた
『孫臏兵法』という書の中にあったと言われていた、「奇正篇」の中に、


「奇、発すれば而(すなわ)ち正と為るも、其の未だ発せざる者は、奇なり。奇、発して報ぜられざれば、則(すなわ)ち勝つ」

と出てきます。

 

(因みに最近の研究では、『奇正篇』『孫臏兵法』とは別の書物とされているんだそうです。)

 

 

ちょっと難しい文章なんですが、こちらの論文を参考にさせていただきました。

 

 

ここでは、勝つための方法論としての「奇」の重要性が述べられています。

 



まあ、『孫子』『奇正篇』、コレら2つから分かることは要は、戦に勝つためには「奇」は必要だけれども、はじめから「奇」をてらってそれを行動に移しても、それじゃ相手にとっては「正」になるんだから、

 

しょせん勝てやしないよ、ということでしょうか。

 

(簡単に言い過ぎか?(笑))

 


ここから、”奇”はしょせん”奇”、あくまでも”正”あっての”奇”なのだ、ということが分かります。

 


しかしながら、逆に言えば”奇”なくしては”正”もないことも事実。

 


「奇」は「正」を生み、そして「正」もまた「奇」を生む・・・。

コレまさに

「如環之無端」

なのであります。

「如環之無端」という言葉 参照

 

まあ結局、正攻法ばっかりで基本に忠実、って感じでやってても負けるし、最初から奇をてらって、奇襲戦法ばっかりでも負ける、だから奇正を熟知して、臨機応変にうまくやったやつが一番勝てる、

 

って話で、耳の痛い、まさに臨床そのものみたいな話です。(苦笑)

 

 

・・・ですから、「奇経八脈」を理解することというのは、「東洋医学的治療戦略」を考える上で、実は大変奥が深い世界なんです。

 



僕ごときにどこまで表現できるか分からないけども、3月、頑張りま~す。(笑)

 



来る人は、お楽しみに~♪

 

 

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