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これまでのお話・・・
「心包」って何ですか?
「心包」って何ですか?(その2)
「心包」って何ですか?(その3)
「心包」って何ですか?(その4)
さあさあ、続き、いきます!!!
☆なぜ「心包の臓」には経絡がなかったのか
・・・前回、「心包の臓」には、もともと経絡がなかった、というお話をしました。
これは、「心包の臓」というのはあくまでも「心の臓」のガードマンであり、主役は「心の臓」だからである、
という考え方が背景にあるのではないか、と考えられています。
(要は、心包の臓は脇役なので、経絡なんてない!贅沢言うな!!というわけね。)
☆なぜ「心包の臓の経絡」が考えだされたのか
・・・ではなぜ、あとになってやっぱり「心包の臓の経絡」が足されたんでしょうか。
これは、体の中の
「気の循環ルート(経絡)の流れるパターン」
と、それらが
「人体の動的なバランスをどうやってとっているのか」
を考えながら観察、治療をしていった時、
「五臓六腑すべての経絡で11本のルート”のみ”がある」
と考えるよりも、そこに「心包の臓の経絡」を1本加えて、
「”六臓六腑”の経絡が全身に左右12本ずつ、全部で24本あり、手と足に左右6本ずつ分布しているのだ~!!」
と考えた方が自然である、というのが定説となっていったからだと思います。
つまり、
右手に6本、右足に6本、合わせて12本、同じように左手に6本、左足に6本、合わせて12本、
左右ぜ~んぶ合わせると24本の、左右対称な気の通り道がある、と、理論が整備されていったのです。
そしてその経絡の一つ一つが、六臓六腑それぞれと深く関わるのだ~、とされていったワケです。
そしてそして、さらにその一つ一つがスッキリと「陰の経絡」「陽の経絡」と分類され、手と足でそれぞれ3本ずつの対をなしている、と理論が整備されていきました。
しかも、それらは全て繋がっており、そのルート上を「気」が一定の速度で循環している、という風に考えられるようになりました。
まさに”環の端無きが如し”です。
「如環之無端」という言葉 参照
・・・なぜこうなっていったかというと、こう考えた方が理論的にも、実践的にも妥当性が高い、と、当時の医師たちが判断したからであろう、とされています。
(まあ、そうとしか考えられない、っていうね。)
理論的には「十二」を「三」で分けていったということにも深い意味があると思いますが、これについてはここでは触れません。
このように、東洋医学は古代で終わってしまっている化石のような医学ではなく、古代中国人なりの自然哲学(気や陰陽五行)の枠組みの中で、
常に進化発展してきている面もあり、その意味では「古くて新しい」側面もある医学なのだ、ということが僕的には強調したいですね。
☆三陰三陽学説について
・・・まあ、このように12本の経絡を陰陽にキレイに分類して考える学説を、
”三陰三陽学説(さんいんさんようがくせつ)”
なんていいまして、これは東洋医学の聖典『黄帝内経(こうていだいけい)』に至って初めて登場した学説、なんて言われております。
以降、これに関しては、歴史上、真っ向からこれを否定する目立った意見は出ておらず、『黄帝内経(こうていだいけい)』以降の東洋医学の医者たちに、支持され続けております。
・・・その年数、なんと現代に至るまで、2500年であります。
もし、この考え方がまったく間違っていて、古代中国人の原始的な妄想の産物に過ぎず、まったく真理を突いていない、机上の空論であるとするならば、
こんなにも多くの人に、長いあいだ支持され、利用され続け、確かな効果を発揮し続ける筈はありません。
(・・・と僕は思っています。)
現代日本はもちろん、世界中の医療を席巻している西洋医学というものがヨーロッパで生まれて、約200年。
わずか200年。
しかもその短い時間の中で、血液検査の検査基準や、血圧の基準、その他ガイドラインが毎年のようにコロコロ変わる医学が、今から2300年後に、どういう形で残っているのでしょうかねえ・・・。
西洋医学の考え方が発展、エスカレートすれば、自然の中の動物の一種、霊長類、自然現象としての人間は、まったく違った姿になっていきやしないでしょうか。
次回に続く。
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