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昨日、「温経湯」という漢方薬に関して書いた。
「温経湯」というお薬 参照
我々鍼灸師が、なぜ湯液を勉強しないといけないかというと、僕が思うのは、単純に飲んでいる患者さんが多いからです。
漢方薬を飲んでいる患者さんを治療する以上、その漢方薬が東洋医学的にどういう作用を患者さんに及ぼしているかを考えて、それを加味して診たて、処置しないといけません。
まあこれは西洋薬もしかりなんですが、西洋薬の場合は、即東洋医学の理論に置き換えるのはなかなか難しいのに対して、漢方薬であれば理論上は簡単に変換することが出来ます。
それが効いてるとか効いてないとかの意味を考えることが出来ます。
これに対して、西洋薬や外科手術を、一つ一つ、東洋医学的にどう評価するのか、という問題は、今後の課題でしょう。
(西洋医学の先生方、是非一緒に研究しましょう。)
ともかく、こないだとある先生とやり取りしていて、「温経湯」のついでに話題に出てきた「芎帰調血飲」という漢方薬があります。
これも、温経湯ほどではないけど、たまに飲んでおられる患者さんがおります。
『中医臨床のための方剤学』には、「温経湯」の附方(似た薬)として紹介されています。
・・・さて、どんなお薬か。
この薬の出典はあの『万病回春』です。
『万病回春』は中国明代、1587年に龔廷賢(きょうていけん)先生がまとめた本で、全8巻、その内容は、江戸期の偉大な医家たちに大きな影響を与えまくった本です。
「芎帰調血飲」の別名は「芎帰補血湯」と言います。
『金匱要略』では、温経湯が”閉経後の婦人”を例に挙げて紹介されているのに対し、『万病回春』に出てくる芎帰調血飲は、”産後の夫人”を例にとって、
30パターン近い、様々なバリエーション(加減方)とともに紹介されています。
ド頭に「産後一切の諸病」と書いているくらいだから力強い。(笑)
まあ簡単にまとめて極言すれば、要は、産後に気血が弱って気滞血瘀、瘀血が残留したものでしかも寒証のものに使う、というワケです。
名前に「芎帰」とついているくらいですから、主薬は川芎と当帰でしょう。
川芎と言えば活血行気、当帰と言えば「血中の気薬」といわれ補血活血行気、であります。
温経湯と芎帰調血飲の違いは、呉茱萸が入っているかどうかが大きいでしょうね。
・・・これをどう考えるか。
どう使い分けるか。
鍼ではどうか。
呉茱萸の「暖肝」てナニしてんの??
疑問は尽きません。
続く
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