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これまでのお話・・・
「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
続きいきます!
◆血が不足すると問題発生
これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」が「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、
主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。
また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。
そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」や「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」や「胃の腑」が、
「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、
というお話でした。
・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。
上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」や「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、
「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。
それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。
また、「肝の臓」に「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。
ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。
しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、
なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。
まずコレが一つ重要。
こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。
具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。
(コワイネ~)
もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、
必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。
皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。
これが、”部分的な血の不足”です。
二つ目にはコレが重要です。
・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。
「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
以前、このブログでも紹介しました。
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照
要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。
それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。
・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。
ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)
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