東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「肺胃不和」という証 7

2018.08.27

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これまでのお話

 

「肺胃不和」という証 

「肺胃不和」という証 2 

「肺胃不和」という証 3

「肺胃不和」という証 4  参照

 

 

 

◆「不和」には五種類ある。

 

 

ここまで、僕が臨床上けっこう目にする「肺胃不和」について語ってきました。

 

 

ま、「肺胃不和」という熟語は、『中医弁証学』という本なんかでは「病証」としては紹介されていないのですが、清明院の臨床では「肺胃不和」と証を立てて治療し、

 

うまくいくことは全然普通にあります。

 

(以前チョロッと紹介したね。)

 

最近の症例 ⑤ 慢性扁桃炎、咳   参照

 

 

まあしかし、仮に「肺胃不和」という証が立ったとしても、それで安心はできません。

 

 

今日は最後にまとめとして、それを喋って終わります。

 

 

「〇〇不和」という証は、他にも有名な「肝脾不和」「肝肺不和」「脾胃不和」「肝胃不和」なんかがありますし、似た言い方では「心腎不交」「脾虚胃実」「肝火犯肺」などなど、

 

二つの臓腑にまたがる病(臓腑兼証)、というのはよくあります。

 

 

それどころか、3臓腑、4臓腑にまたがった病というのもあります。

 

 

この時に考えなくてはならないのは、どっちの臓腑がどれくらい悪いか、先に処置するべきはどっちか、という「ウエイト」「優先順位」の問題です。

 

 

肺の臓胃の腑が同時に病んでいて、「肺胃不和」という状況であれば、当然ながら、肺と胃、どっちがどの程度病んでいるか、という考え方は必須です。

 

 

で、これ、大きく分けると5パターンあります。

 

 

つまり不等号を入れて比較すれば「肺>胃」「肺≧胃」「肺≒胃」「肺≦胃」「肺<胃」の5つです。

 

 

この考え方を頭の中で行うことにより、「主従」が明確になり、これにさらに「標本」を考えてタクティカルに治療を進めていくことが出来ます。

 

「標本」を含む記事

「主従」を含む記事    参照

 

 

しかもこのウエイトは固定的でなく、治療効果や患者の養生の状況によって、経過の中で変動してきます。

 

 

それに上手に合わせることが出来ると、治療がスッスッスッといきます。(^^)

 

 

・・・でもこれ、まさに「家庭内不和」と同じで、理論的には簡単でも、実際はなかなか難しかったりします。(笑)

 

 

それを冷静に冷静に、根気よく根気よく、調整するのが我々の仕事だと思います。

 

 

言わば別れそうになっているカップル、夫婦の「仲直らせ屋」みたいなもんですな。(゚∀゚)

 

 

 

おわり

 

 

 

◆参考文献

 

『中医弁証学』東洋学術出版社

『中医病因病機学』同上

『基礎中医学』燎原

『全訳中医基礎理論』たにぐち書店

『基礎中医学』谷口書店

『蔵象学説の理論と運用』創医会

 

 

 

 

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