東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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気虚を起こしたのではなく表証が浮いたのだ

2013.03.20

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鍼には「補法(ほほう)」「瀉法(しゃほう)」という技術がある。


「補法」はそのツボ、その経絡、関連する臓腑に、正気(病と闘う気)を集める技術。


「瀉法」はそのツボ、その経絡、関連する臓腑の邪気(病の原因になる気)を散らす技術。


2500年以上前から、現在まで、行われている。


補法をし、上手くいけば、患者は体が温まり、力がみなぎる。


瀉法をし、上手くいけば、患者は清涼感が得られ、リラックスする。


(基本的には。)


・・・で、失敗すれば、この逆になる。


とある患者さんに、「瀉法」をした。


すると直後、その患者さんが「寒い寒い」と訴えた。


”清涼感”というレベルではない。(苦笑)


間違って、正気を散らし、”気虚”が起こったか。


そこで、冷静に体を点検すると、どう見ても気虚ではない。


深い部分の邪気を散らしたことによって、さっきは沈んでいた、表面の邪気が浮いて、皮膚表面で正気と邪気が抗争を始めたものと判断。


瀉法の直後だから、脈力も一定弱っている中で、こう言い切れるかどうかが大事。


多面的観察技術のありがたさ。


で、冷静に、それを処置する。


とたんに眠くなり、リラックス。


寒気もとれる。


体が軽くなる。


キッチリと事前に分析し、少数鍼で、補法と瀉法を明確に使い分けているから、こういうことが起こっても慌てない。


表証が浮くのは、補法の後だけとは限らない。



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