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東洋医学における、重要な病態認識で、「痹証(ひしょう)」という考え方(カテゴリー)があります。
これが、なんと鍼灸学校の教科書でも、「痺証」という、間違った漢字で記載されていることがある、という話は、こないだ書きました。
「痹」と「痺」は違うのです。(苦笑)
「痹(ひ)」ってやつ 参照
「痹証」は、2500年前、中国で成立したとされる、東洋医学のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物の中でも、
すでに認識されており、今現在の日本でも、我々はこの考え方で治療を行い、成果を上げております。
(永久不変の真理を説いているワケですよ。スゴイネ~)
これについては、以前スタッフブログに副院長がまとめてくれました。
痹証(その19) 参照
ところで、東洋医学の教科書をみますと、この「痹証」の定義は、
”様々な原因から、風、寒、湿、熱の邪気が経絡に侵入し、結果的に手足や関節で気血の循環障害が起こったモノ”
とされております。
・・・で、たとえ邪気の種類が「風・寒・湿」であっても、これがなかなか治らなかったり、気血の循環障害がきついと、けっきょく気の鬱滞は熱化して、
”熱痹(ねつひ)”になる場合がある、とされております。
ではそれが、さらに進むと・・・?
今度は「痿証(いしょう)」という病態になる場合があります。
「痿証」というのは、筋肉や関節が萎えて、動かせなくなってしまったものを言います。
「痹証」では、痛みが中心になりますが、「痿証」では、運動障害が中心になります。
こうなると、たとえ局所的であっても、全身的であればなおさらですが、なかなか治りにくいです。
カン違いして欲しくないのは、こうなったとしても、治らないとは言いません。
しかし、そういう状況になる前に、早めに治療することが重要なのです。
先ほど言う『黄帝内経』には、
『風論(ふうろん)』
↓↓
『痹論(ひろん)』
↓↓
『痿論(いろん)』
↓↓
『厥論(けつろん)』
という4篇が、連続して記述されております。
東洋医学をやっているのであれば必読でしょう。
それぞれの病態の違い、連続性、治療法の違い、たいへん重要です。
いずれにせよ、早い段階で、キチンと分かっておられる先生にかかれば、その後起こりうる、ものすごい不幸を回避できるということです。
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