東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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皮膚の消毒は必要か?

2017.08.02

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今日、相当久々に、初診の患者さんから聞かれました。

 

「鍼した痕は、絆創膏を貼らなくていいんですか?」

 

「感染しませんか?」

 

というご質問。

 

 

あまりにも久しぶりに聞かれたので、ポワーッと、懐かしい気持ちになりました。(*‘∀‘)

 

 

思えば、僕が鍼灸学校に入った頃(15年以上前)は、消毒に関して非常に口うるさく言われていた時代でした。

 

 

「足の三里」という、膝の下にある有名な経穴に鍼をするために、下腿の前面をほぼ全て、膝から足首まで広範囲に消毒し、さらに衛生手袋か指サックをはめて刺鍼するという、

 

今にして思えば笑えることを本気でやっていました。

 

(苦笑・・・場合によっては、手術に使うような、刺鍼部位だけ見えるような、くり抜いたビニールみたいなのを被せて刺鍼する、なんていう考え方もあったような気がします。( ゚Д゚))

 

「足三里」を含む記事 参照

 

 

昭和22年に制定(最終改訂は平成26年)された、

 

「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」

 

の第6条に、

 

「はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。」

 

と、規定されています。

 

 

ですので、鍼をする際には、患部と手指は、必ず消毒しなくてはなりません。

 

 

因みに刺入する鍼については、清明院ではディスポーザブル(滅菌済み使い捨て)の鍼しか使いません。

 

(鍼灸院によっては、鍼をオートクレーブで消毒して使いまわしているところもあると思いますが、どんどん減ってきているでしょうね。。。)

 

 

糖尿病などの基礎疾患のある患者さんや、清明院ではどれもやりませんが、深いところにある筋肉に対する刺鍼や、関節腔内への刺鍼、あるいは皮下に鍼を入れたままにする埋没鍼などで、

 

実際に感染症が起こった事例も、報告があるようです。

 

 

 

 

ところがこの、注射や鍼治療をする前の皮膚表面の消毒ですが、実は全く意味がない、という意見もあるようです。

 

参考サイト①

参考サイト②  参照

 

 

皮膚に存在する常在菌というのは、体内で繁殖することはできず、仮に注射や鍼灸治療用の鍼で常在菌が体内に入ったとしても、それが原因で感染症が起こることなどない、

 

という説があるようです。

 

(笑・・・これがホントなら、法律や、俺らの学生時代のあれはいったい何だったんだ。。。( ゚Д゚))

 

 

例えば、感染症の患者に使った注射針を回し打ちするとか、戦場や野戦病院なんかで、汚染物質まみれの状態のところに注射をするとか、

 

糖尿病や慢性消耗性疾患等で抵抗力の著しく低下した患者さんに鍼をするとか、そういう状況でもなければ、泥や埃などの、目立つ汚れだけ水で洗浄しとけば、

 

そこに「きちんと滅菌された道具」で刺鍼する分には、何の問題もないようです。

 

 

現在、鍼灸治療に使う鍼というのは、鍼に薬液や血液の通る内腔がある注射鍼よりも全然細いものを使いますし、鍼尖の鋭さの仕上げ方も素晴らしく、

 

全てエチレンオキサイドガス滅菌済みで、一本一本個別包装されたものを、刺鍼する直前に袋から出して、刺鍼する鍼尖には一切触れずに刺鍼しますので、

 

もし皮膚を酒精綿で消毒しなかったとしても、衛生的には全く問題ないのではないかと思います。

 

(しかも北辰会方式では、刺鍼は一本のみ、深さもかなり浅いです。(笑))

 

 

・・・まあ、法律で規制されていることであるし、冒頭のような疑問を感じて、どうしても不安になる患者さんがいる以上、東洋医学の言う「治神」という観点からも、

 

たとえセレモニー的で、儀式的ではあっても、僕は今後も酒精綿で「消毒」してからの「刺鍼」をし続けるのだろうけども、本当は、酒精綿で経穴を拭う行為自体で、

 

経穴の状態を微妙に変えてしまう側面があるので、徹頭徹尾東洋医学の清明院としては、なるべくなら使いたくないというのが本音なんですけどね。(苦笑)

 

 

あんな、

 

「冷たいアルコール」

 

などという、陽なような陰なような、よく分からんもんで、いたずらに刺鍼部位の気を乱されたくないね、俺は。(゜レ゜)

 

 

だから、僕はほぼ毎日、自分で自分に鍼をしていますが、自分で自分に鍼するときは、消毒なんてしたことないっす☆

 

 

約20年やってますけど、それで感染症になんて、なったことないっす。(*‘∀‘)

 

 

 

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