東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「鍼灸臨床家」という立ち位置

2010.11.14

鍼灸学校を出て、しばらく修行しまして、自分の「学」と「術」にそれなりに自信が持てるようになると、いよいよ独立開業する人がいます。

僕もその一人であります。

中には、何年、何十年と臨床をやっていても、「開業」という選択肢をとらない人もいます。

しない人は、そもそも「独立」ということにあまり興味がない人か、まだ自信が持てない、と思っている人でしょう。

確かに、独立したからって必ず多くの患者さんが来てくれるとは限りませんし、廃業する可能性もあります。

だから雇われている立場で、

自分の好きなやり方で、

多くの患者さんを診れる環境にある人にとっては、「独立」というのはそんなに魅力的でないのかもしれません。

(廃業のリスク、経営のための雑務をこなす手間を考えるとね。)

僕の場合は、この業界に入った時からの、とりあえずの目標は「独立開業」でした。

後輩という立場で見ていて、「いいナー。」と思う先輩たちはみんな独立開業して成功されている先生ばかりでしたし、

僕の場合は、雇われている時代に、なかなか自分の好きなやり方で、多くの患者さんに鍼を出来る環境があまりなかった、ということです。

そりゃそうです。

バイト先の治療院にはそこなりの考え方や方針があって、それに従わない人間に給料出せる訳ありません。

だから学生時代から、勤めている治療院が診療の終わった夜の時間に、クラスメイトや知人を治療院に呼んで鍼を打たせてもらっていました。

涙ぐましい努力の日々でございます。

(好きなせいか、そんなに苦ではなかったけどネ。(笑))

やりたいことがやれてない自分、というのは、どう考えてもカッコ悪いです。

顔つきがヒドイもんです。(笑)

であれば、その環境自体を自分で作ってしまえばよい、やりたいことがやれてない責任は他でもない、自分自身にある、という発想です。

・・・で、やってみて1年以上たちましたが、もちろん楽チンではないけど、とてもおもしろいです。

その日の予約表を朝見て、

「あー、あの患者さん、今日はどうなってるかな―。」

なんて考えながら、毎日わくわくします。

朝起きてから、夜寝る瞬間まで、ほとんど鍼のことしか考えていない毎日です。(笑)

そしてこの生活を求めて、これまで自分なりに色々と頑張ってきたつもりです。

それでもまだまだ自分の学術に、全然満足できません。

どこまでいけるか分かりませんが、もっともっと頑張ってみようと思っています。

鍼灸臨床の世界は底が知れません。

これは一生やってても飽きないでしょうネ。

他の職業のことはあまり知らないけど、わりかし、いい職業を選んだんじゃないかな、と思います。

極めて私的な、「鍼灸臨床家の立ち位置」でございました。


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この記事に関するコメント

“「鍼灸臨床家」という立ち位置” への2件のフィードバック

  1. より:

    何か分かる~。全く同じだわ。
    開業すると全部自分の責任だけど、
    頑張ったら頑張っただけ、ご褒美もらえるというか。雇われてたらそうはいかないからね。
    自営は皆一緒だと思うけど、大変だけど面白い。それにつきます^^

  2. いんちょう より:

    柚さん
    コメント、ありがとうございます
    > 自営は皆一緒だと思うけど、大変だけど面白い。それにつきます^^
    デスネ。ホントやりがいあります。(笑)

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