東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「鍼灸」について

鍼灸は魔法にあらず

2011.01.18

毎日治療をやっていると、鍼をした「直後に」劇的に痛みや症状が消失するという現象に遭遇することがあります。いわゆる「直後効果」というやつです。しかも、肩の痛みが、足に一本鍼をして劇的にとれたとか、足の痛みが頭に鍼をして劇的にとれたとか、症状と、一見関係のない場所への鍼で、こういう効果が得られると、患者さんはビックリ仰天。患者さんとしては、驚きと喜びが同時に押し寄せてきて、大変感動されることがあります。コレは患者さんにとって、治療に対する大きな希望を与えるし、ネガをポジに変化させる、とてもいい面があるので、特に初診の時には、なるべく意識して、コレを感じてもらうように治療することもあります。しかし、それ(直後効果に感動する患者さん)をみた術者(我々)は、極めて冷静でなくてはなりません。なぜなら、そうなるにはそうなっただけの、東洋医学的な理由が必ず存在するからです。そして、これが毎回そうなるものな ....

鍼で人は悪化するのか

2010.10.15

このテーマを題名にすること自体、実は勇気がいることです。なぜならばコレは実際に、厳然と「ある」からです。僕はこれまで、自分自身の臨床経験を通じて、まざまざとこのことを思い知ってきました。薬は毒にもなりますよね。同様に鍼灸も、扱い方を間違えればとんでもないことが起こります。だから「正しい鍼灸」を勉強する必要があるんです。・・・コレは、考えてみれば当然の話で、その患者さんがなぜこのような症状を持つにいたったか、ということを、我々はいつも「東洋医学的に」理解し、治療している訳ですから、当然、治す方向性と反対のことをやれば、「悪化」することもある訳です。しかし、人間は基本的には常に”陰陽バランス”を取ろう取ろうとしていますから、それを強引に崩す、ということは並大抵の力では無理です。きちんと病的反応の出ているツボに、「きちんと」治療とは逆のことをしなければ、そうそう悪化するものではありません。つまり ....

「鍼灸道」

2010.10.11

先週の金曜日、またまた、楽しい酒を飲みました。(土曜日は予約満タンだったので、深酒はしてませんよ(笑))相手は、昔僕が勤めた職場の同僚で、僕とは違う、とある鍼の流派の先生です。こういう時、お互いの鍼のやり方の細かい理論の違いについて「不毛な論争」をすることはあまり意味がないし、楽しくないと思ったので、年上の先生であることもあって、鍼のキャリアはそんなに変わらないけど、人生の先輩ですんで、もっぱら僕が聞きに回って、「こういう患者さんの場合はどうやってるんですか?」とか、「その場合、鍼を打つ瞬間にはどういう意図を持って打つんですか?」とか、「このツボにはどんな意味を置いてるの?」とか、くだらん話から、もっともっと専門的な話まで、2時間ぐらいの短い時間でしたが、色々と参考になりました。この業界には、あらゆる「流派」というものが存在します。このことは確かに、以前「鍼灸と保険」シリーズでも述べたよう ....

「デトックス」と「鍼灸」

2010.08.11

こないだ、患者さんから興味深い質問をいただきました。「先生、鍼とデトックスを併用してもいいですか?」という質問です。実はこの質問、以前にも受けたことがあります。これには僕は即答で答えます。「いや、鍼ってデトックスだよ。」・・・とね。(苦笑)この質問をなさる方というのは、大体「デトックス」と「サプリメントを飲むこと」を同じ意味にとらえてらっしゃるようです。まあ、少し前から、何やら巷で話題の「デトックス」ですが、要するにどんな意味があるんでしょうか。参考はこちら(wiki)コレを見ますと、「デトックス」とは、何のことはない、「解毒」のことじゃないか、となります。(・・・まったく、何でも横文字にすれば目新しくってお金になると思って。。。)ツボ(経穴)の中には、古代から「解毒」という効果を持つ、と言われるものがいくつかあります。コレの意味は、そのまんまですが「毒を解く」「毒を排出させる」効果のこと ....

鍼の即効性

2010.06.12

今日は朝からせっせと治療治療。暑い中お越しいただいた患者さん達にまずは感謝<m(__)m>・・・最近何度か、違う患者さんと、同じようなやり取りがありました。みんな、とある動きで痛みが出る患者さん達です。もともと、それとは違う訴えで治療に来ていましたが、最初の訴えが大分落ち着いてきた時、以前からあった症状を相談してこられました。そこで、じゃあそれもやりましょう、ということで、その患部とは全然かけ離れた場所に鍼を1本した後、竹「今もう一回、さっきの動きやってみな。」患「はい。(・・・動かしてみる)あれ?何で??全然痛くない・・・。何でですか!?」竹「鍼したからだと思います。(笑)」患「エエ~!こんなことならもっと早く言ってればよかった~!この痛みは何年も前からあるから、あきらめてたのに・・・。」竹「僕は鍼で不可能を可能にしようと、日々邁進しております!(笑)」患「・・・いや~、信じ ....

鍼灸は「ワラ」!?

2010.03.19

よく初診の患者さんに、「病院やら整骨院やら、色々かかったけど治らないから、ワラをもつかむ思いで来ました。」と言われることがあります。これ、僕はいつもココロの中で、「別に鍼はワラじゃないけどネ(苦笑)」と突っ込んでしまいます。昨日も書いたように、現代の日本において、東洋医学、鍼灸、漢方というのは、とかく「日かげの医療」的なイメージが強いようです。ワケ分からんけど、なんだかしんないけど効きそうだ!、とか、怪しいけど、他で治んないんだからしょうがない、信じてみようかな・・・、とか、とにかくマイナスイメージが強いようです。初診患者さんに鍼を打った時、よく、「エ?今ホントに鍼刺したんですか!?全然痛くない・・・。」なんて言われることがあります。(100%じゃないよ。場所によっては蚊に刺された程度、チクッとすることもあります。)鍼は痛そう、お灸は熱そう、そんでもって東洋医学は怪しい。院長の見た目もなん ....

自宅でお灸

2010.03.17

清明院には、遠方から来院される患者さんが何人かおられます。電車やバスを乗り継いで、1時間以上もかけて来院して下さるのは、大変ありがたいことです。ただその場合、週に2.3回治療するということは極めて困難です。2週に1回とか、来れても週1回が限度の場合があります。しかし、病気というのはなかなか患者さん各個人の都合に合わせて待ってはくれません。来てない間に痛みや痒みが出てしまった場合、すぐに診せに来ることはなかなか出来ません。特に遠方の患者さんで、なおかつ仕事が忙しい方だったりするとなおさらです。その場合の打開策として、清明院では市販の「千年灸」や「カマヤミニ」という安全な温灸を使って、自宅でお灸することをお勧めすることがあります。ただ、これを下手にやると、かえって症状が悪化する場合もあるので、指示する時は慎重に慎重を期した上で指示します。使う経穴も、患者さんによって様々です。経穴が決まったら、 ....

「鍼灸」の有効性

2010.02.14

   今日は、少し真面目に「鍼灸の有効性」について考えてみたいと思います。(笑) 僕は、これまでの自分自身の経験から、「鍼灸は大変よく効くものだ」、という認識を持っています。(しかも、「あらゆる病に効く」という認識です。) しかし、これはあくまで「僕個人の経験上」の話であり、尊敬する色々な先輩から、これまで様々な技術、方法論を教わってきて、それを実際に実践してみての見解であり、 必ずしも「一般的」ではないと思います。 つまり、いい先輩に恵まれなかった鍼灸師の中には 「鍼灸を実践してみたけど全然効かなかった。出来るようになんなかった。」 と吐き捨てて、やめてしまった先生もいらっしゃることでしょう。 そのためか、日本の医学界、医療業界では、なかなか鍼灸の有効性を広く認め、一般的に認知させる、という活動が盛んになってきません。(もちろん、一部の先生方は一生懸命活動されておりますが。) 僕は 「鍼 ....

一本のこだわり

2010.01.26

清明院では、「一本の鍼の効果」というものに、大変こだわっております。これはなぜかというと、一本の鍼で患者さんがどのように変化したかを正確に捕まえることによって、自分の診断が正しかったかどうかが明確になり、正しくなかった場合は「どこがどう」間違っていたかがハッキリするためです。あっちもこっちも鍼を打ってしまうと、患者さんの肉体的な負担が増える上に、治療の焦点がボケるため、何が効いてて、何が効いてないかを考えることが非常に難しくなります。(しかしもちろん、そのやり方でも治ることはあります。その場合はいいのですが、大事なのはむしろ治らなかった場合だ、と僕は考えています。)ですので、まったくごまかしのきかない治療であります。「鍼の究極は一本だ!」というのは藤本蓮風先生の言葉ですが、僕も全くその通りだと思います。・・・これまでこのブログに書いてきたように、患者さんの「陰陽」のアンバランスを整えるのが ....

「そんなんで効くの?」

2009.12.27

これは、たま~に患者さんから言われます。(苦笑)・・・てゆーかコレ、フツーに若干失礼ですよね??大体の場合は、ウチの鍼灸は痛くないよ、恐くないよ、という説明をした後に来るのがコレです。(苦笑)まあ答えは当然、「効きます。だから生活できてます。」なんですが、要はコレってね、鍼灸治療を受けたことのない患者さんにとっての「鍼灸治療」とは、痛いところや凝ってるところを中心に、全身に鍼を刺されまくり、灸をすえられまくり、拷問のような治療に耐えたのちに、凝りや痛みのとれた体をめでたくGET出来るもの、という先入観+固定観念から、勝手にそういう風に想像しているのではないでしょうか?であればそれは全然違います。その認識は間違ってます。少なくとも清明院では、そのような乱暴な治療はしませんし、治療の刺激は驚くほど軽いものです。使う鍼は多くて3本程度、全身状態を詳しく診察したのちに、「ここぞ!」というところにピ ....

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