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2011.08.30
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30代の女性患者さん。
メインの症状には、初潮以来の月経の異常が大きく関わっている。
加えて、運動不足や過度の飲酒等、日常生活にもいくつかの問題が見受けられる。
いつも通り問診をし、治療が終わり、症状、劇的に変化。
しかし、この症状は根が深い問題と大きく関わっていることを伝え、治療には時間がかかるであろうという旨をお伝えした。
また、良好で安定した状態に至るまでは、週2回程度は治療に来た方がいいとも伝えた。
患者さんは意外な効果に驚きながらも、やや不安そうな顔で、
「でも、ある程度治った後もずっと通い続けないといけないんでしょうか・・・?」
とのこと。
・・・で、僕が
「いーえ。そんなことないですよ。よくなったら治療を打ち切りますから。」
すると、
「そしたらまた(症状が)戻っちゃうんじゃないでしょうか・・・?」
とのこと。
・・・これに対しては大体、
「戻らないよう最大限の努力はします。しかし鍼は魔法ではないので、鍼で治ったモノは一生再発しない、とは言い切れません。継続的な生活養生が大事なのは言うまでもないです。」
とお答えしています。
(病によりますけどね。)
時間的制約、経済的制約等々、「現実問題」があることはこちらも重々承知しております。
しかし、治療家としては理想的な段取りと養生法を提案します。
好きなモン食って、好きなだけ寝て、わがまま放題やって、理に背く人は治らない、と、昔の名医が戒めています。
まったくその通り、と思います。
清明院も、あまりにも無茶な要求には、お応え出来かねる場合もあります。
(たとえば2、3週に1回来たり来なかったりで、治せ治せ、とかネ。)
・・・本来、人間は元のバランスのとれた状態に戻ろうとしており、その「治る力」が追い付かないから、今の症状が出ているワケです。
鍼で「治る力」をフォローしてフォローして、一度”元の良好な状態”に戻ったら、少々無理があっても、その人が元々持っている「治る力」でも十分対応可能になるから、
治療間隔を開けていくことが出来るし、卒業することも出来る訳です。
清明院は、巷によくあるような、「通わせてナンボ」の、商魂丸出しのヤカラとは違います。
そんなことやったら、鍼の神様にたたられます。(笑)
ですので、初診の患者さんには、本気でやるなら心を決めて、やるならやる、やらないならやらない、もう一度家に帰って、ゆっくり考えてから決めていただいても結構ですよ、と言う時もあります。
・・・で、「やる」と決心した患者さんについては、あとは全力で治療にあたるのみです。
だから要は、治療は真剣勝負なんです。
勝ち負けのはっきり出る、コワい、でも楽しい世界です。
掃いて捨てるほど鍼灸院がある都内で、ウチを選んでくれたことは単純に嬉しいし、なにかの縁あって僕のところに、
「タスケテ・・クレルノ・・?」
と手を伸ばしてきたわけだから、これに対しては全力で引っ張りあげようとします。
そして、ある程度症状が落ち着いた段階で、最もいい状態を患者さんとともに模索していくのです。
治療は本当に二人三脚だなあ、と、最近よく思います。
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いつも拝見しています
今回のテーマは私もいろいろ考えていたこと
なので特に注意をひきました。
確かに患者にとって終わりの見えない治療と
増え続ける経済的、時間的負担は本当に本当に切実です。生活費を切り詰めてでも健康には代えられない。そういう切実な思いで治療を受けている患者が大半じゃないでしょうか?私もそのひとりです。そして先生がそれをしっかりと受け止めた上で真剣勝負でやってくださっていることは、休み返上で勉強会などに参加されているひたむきな姿を見ていれば解ります。最後は信頼関係なんでしょうね!先生が真剣なら患者も真剣に自分に甘えず我慢して摂生することは礼儀です。
世の中には体が悪くても経済的な理由で医者にも鍼にもかかれずにいるひとがたくさんいますよね。医者も神様じゃないので万人を無償の愛で救うことは出来ないのですから。だからまだ恵まれた私は先生を信じてみようと思います。最後の結果はわかりませんが自分もベストを尽くせば納得がいくし、いい結果が伴うと信じていますから。どうかこのままの熱い気持ちを忘れないでください。先生を信じる患者の為に。よろしくお願いします!!
患者いち代表さん
コメント、ありがとうございます!!
> 最後は信頼関係なんでしょうね!
僕もこれまで何度も何度も、そのように痛感させられてきました。
> どうかこのままの熱い気持ちを忘れないでください。先生を信じる患者の為に。
もちろんです。頑張りましょう!
鍼は実費なので1回で数千円かかると思いますが
治したい気持ちは強いが経済的に厳しい患者さんは
どのように対応されていますか?
鍼を受けれるのはある程度経済的に余裕のある人だけになってしまいませんか?
ムスタファさん
コメント、ありがとうございます!
> 鍼は実費なので1回で数千円かかると思いますが、治したい気持ちは強いが経済的に厳しい患者さんはどのように対応されていますか?
公平性の観点から、これといって、特別処置のようなものはしておりませんので、経済的に通い切れない患者さんに関しては、こちらも大変悔しいし、もったいないと思うけれど、他の方法を考えていただかざるをえません。
> 鍼を受けれるのはある程度経済的に余裕のある人だけになってしまいませんか?
長期的に治療を継続するとなると、残念ながら現代の日本の法制度ではその通りだと思います。
もっともっと鍼灸師が頑張って、国が認めるようになれば、保険適応になる可能性もありますので、我々現場の臨床家としては、日々、ただただ治せるように頑張るのみです。