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2010.10.29
これまでのお話・・・
「心」って何ですか?(その7)
「小腸」って何ですか?(その1)
「小腸」って何ですか?(その2)
さー、どんどんいきましょう!
☆小腸の働き
「小腸の腑」は、おへそのちょい上で、「胃の腑」とジョイントする、と考えます。
そしてそこに、「脾の臓と胃の腑」で、あらかた吸収された、飲食物の残り物が下りてきます。
コレに対して「小腸の腑」は、その残り物の中の”お水”と”カス”(大便のもと)をせっせと分ける仕事を担います。
そして、分けた後の”お水”については、尿のもととなるように、「膀胱の腑」に移動させます。
(「膀胱の腑」についても、またそのうち解説します。)
この働きにより、小腸よりもさらに下にある「大腸の腑」には、より”カスらしいカス”が下っていくことになり、正常な排便を助けます。
もしここ(小腸)で、お水とカスがうまく分けられなかった場合、「下痢」という現象が起こりやすくなります。
ただ、勘違いしないでいただきたいのは、「下痢」の原因は他にもあり、「下痢イコール小腸の腑の異常」ではない、ということです。
(苦笑・・・東洋医学では、病的な現象を考える場合、そういう短絡的な考え方はほとんどしません。)
まあ要はこの、脾胃から降りてきた飲食物の残りカスの中の”水と固体を分ける”というのが、「小腸の腑」のメインの働きとなります。
古代中国の医師たちは、「大腸の腑」の重要な仕事である、”大便のもと”をトイレへと伝え導く、という働きと違って、”水と固体を分ける”という作業をしなくてはならないから、
その分「小腸の腑」には太さよりも長さが必要、と考えたんでしょうかねー・・・。
(因みに、内臓を実際に取り出して長さを細かく計測した記載は、中国漢代『難経』42難にあります。)
(その2)に出したような臓腑の図を書いた人に、色々と質問してみたいもんですが、それは時代が違うから、かないませんしねー・・・。
結局、現代を生き、東洋医学を実践する我々は、まずは鍼灸医学の根本思想や哲学が西洋医学のそれと違う、ということをキチッと認識すべきだし、
それをしたならば、あとは東洋医学が数千年にわたり採用している説に法り、治療技術を研鑽していくのが一番いいと、僕は思っています。
まあ、こう言うと、聞く人によっては僕が頑固で偏屈に、東洋医学にこだわってるように聞こえるかもしれないけども、これまで、この考え方で毎日患者さんをやっていて、
「あーなるほど、確かに東洋医学が言っていることは正しいナー。」
という風に僕自身が実感することが出来たので、自身の実体験からこのように考えている、というだけの話です。
西洋医学をやるのは西洋医師にお任せすればいいことであって、僕らは「専門家」としてこの医学を徹底的に学ぶことに、個性や誇りを見いだせるんじゃないかと思います。
僕らが持っているのはメスや西洋薬ではなく、あくまでも「鍼とお灸」であり、僕らが相手にしているのは患者さんの「治る力」である訳です。
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