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前回のお話し
「体用理論」に関して 1 参照
そもそもこの「体用論」というものの淵源は何なんでしょうか。
これは、中国哲学の中でも、仏教に由来する言葉のようです。
岩波の『仏教辞典 第二版』によれば・・・
◆「体用(たいゆう)」
「体」は実体であり本体、「用」は作用あるいは現象、という意味に解されるが、より一般的に言えば「体」は根本的なもの、「用」は派生的、従属的なものを、
相関的に意味すべく用いられている概念である。
「体用」の概念が仏教に由来するかどうかの議論はすでに南宋の王応麟『困学紀聞』巻一に見える。
「体用」を「本・用」とか「本・末」とか「質・用」とかの類似の概念まで広げず、「体用」という語のみの論法、表現のみを問題にすれば、
5世紀後半から6世紀に、仏教関係の著作において明白な使用例がみられる。
論法としては僧肇(そうじょう 374-414)『肇論(じょうろん)』般若無知論などに見え、表現としては梁代(502-557)の武帝(蕭衍しょうえん)の『立神明成仏義』の沈績の注などにみえる。
【用例】「能に体用の事を知るべし。体は花、用は匂いの如し、または月と影の如し。」(世阿弥『至花道』1420年)
(引用終わり(抜粋要約 by 竹下))
なるほど、もともとは仏教の用語な訳か。。。
花と匂い、月と影とは、世阿弥の表現、サスガ、いいですね。(^^)
些末な問題ですが、仏教用語として使う場合は「たいゆう」と発音し、それ以外の場面では「たいよう」でいいようです。
この用語の歴史と理解に関して、東大のチャールズ・ミュラー教授の論文に多岐に渡って詳しくまとめてありました。
(いやー、学者さんてのはスゴイね~ そして、これがパッと出てくるネット、素晴らしい。。。)
ここに、
・・・歴史的に見れば、体用は中国に特有かつ典型的な概念で、東アジアに受け継がれてきた三つの宗教「儒教、道教、仏教」のすべてにおいて、
哲学的基礎づけを与える構造的枠組みであり、インドやチベットの仏教に対して東アジア仏教を特徴づける第一のパラダイムである。・・・
とある。
・・・うーむ、なるほど。
この「体用」という熟語そのもののの意味ではなく、「体用」に象徴される考え方(チャールズ先生は”体用パラダイム”と呼んでいる)が、
チベットやインドと違う、東アジア独特のものであり、儒、道、仏全てに影響を与えていると。
とりわけ、これが朱子学の理気二元論にも影響を与え、後の朝鮮半島における「四七論争」に連なり、より理解が深まった、というワケですかね。
16世紀の朝鮮半島における「四七論争」がいかなるものかについてはこちらが参考になったが、うーん・・・まあ、僕がこれをキチッと読めているかどうかは、
識者に教わりたいけど、これって要は「理気二元論」「体用」が一元論で語れるか、それとも絶対的な主従や先後などのある二元論か、って話だと思うんですよね。
僕らからすれば当然、陰陽論と同じ解釈で、
「そんなん、二元的一元論でいんじゃね? 場面場面における標本主従じゃね??」
の一言に尽きますけどね。。。
(因みに『理気二元論』に関するこの辺の話は 大濱晧『朱子の哲学』東京大学出版会 に詳しい。)
ちょっと難しいけど、この辺の話、もうチョイ掘り下げときましょ。
(もはや誰もついてこなそうだが。。。(;'∀'))
続く
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