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これまでのお話し
刺激量の問題 ③ 参照
◆置鍼か単刺か。 つづき
前回お話ししたように、北辰会方式はキホン一本鍼。
刺激は少なく、効果は大きく、一本一本の意義を明確に、説明を丁寧に、慰安でなく、徹底した治療のための鍼を、ということあたりを追求していった結果として、
私がたどり着いたのは、北辰会方式でした。
・・・でもこの一本にも、また色々ある。
単純に証の虚実に合わせて、随証的に補か瀉か、という問題以外にも、置鍼するのか、単刺なのか、速刺速抜なのか、手技を加えるのか、などなど。
補瀉 参照
刺激量の問題 ②で述べたように、刺さないで触れるのみとか、翳すのみ、というパターンもある。
北辰会方式では基本的には江戸期の杉山流で言われるような手技だったり、中医学で言われるような複雑で芸術的な補瀉手技を加えず、四診の結果、
よーく吟味して一穴を選んだ後、そこに目的の刺入深度まで独特の刺鍼法(撓入鍼法)で刺鍼したら、あとはほとんど、置鍼するのみです。
これは、術者間でのバラつきを出来るだけなくし、医療としての定量化を図る、という狙いがあります。
手技に拘っていくと、当然ながらよりエレガントなテクニックの追求合戦になっていき、手先の器用な人とそうでない人の間で、大きく治療効果の分かれる治療方式になってしまいますよね。
それでは結果的に使い手の範囲が狭まります。
みんなで共有する治療方式としては、結果的に価値の低いものになってしまいます。
他にも、このことの背景には、老子の言う「無為自然」的に、気を動かす治療上、あまり作為的に手技を加えない方が、かえって患者さんの「治る力」は大きく動く、
という蓮風先生の御考えもあるようです。
「無為自然」を含む記事 参照
いずれにせよ、結果的に置鍼が基本です。
でも、置鍼にも置鍼時間があるし、置鍼せずに「単刺」という手法を用いる場合もある。
また長くなってしまった。。。(^^;)
続く
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