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「葛根湯」という薬

2019.04.08

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

 

参照

 

 

ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。

 

 

・・・ということで、以前 

 

葛根湯医者

 

という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。

 

 

まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。

 

 

しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)

 

 

患者さんでも、

 

「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」

 

と仰る方は、非常に多い。

 

 

この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。

 

東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)

 

 

桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。

 

 

桂枝加葛根湯葛根湯の違いは「汗の有無」です。

 

 

やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。

 

 

『傷寒論』の中には

 

 

太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.

 

 

とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。

 

 

また『金匱要略』の中には、

 

 

太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.

 

 

と出てきます。

 

 

これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。

 

 

葛根湯を使う、という時、

 

「汗が出ているか」

 

「皮膚表面に冷えがあるかどうか」

 

「大小便はどうか」

 

最低でもここに注目する必要があります。

 

 

 

カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。

 

 

 

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